2024年の能登半島地震発災時、筆者の頭にまず浮かんだのは「奥能登国際芸術祭2020+」で訪れた珠洲市のことであった。今回は当時執筆した「スズ」をめぐる論考(同芸術祭公式図録収録)を転載する。
連載
- 清水穣
- レクチャー@ミュージアム
- ダン・キャメロン
- ドリョン・チョン
- ハンス・ウルリッヒ・オブリスト
- ホウ・ハン・ルウ
- フー・ファン
- ジュディ・アニア
- 都築響一
- ワシフ・コルトゥン
- 艾未未
- コラム
- 田中功起
- 椹木野衣
椹木野衣 美術と時評107:「スヌーピーのいる部屋」― 西野逹「ハチ公の部屋」を反転する
前回ふれた渋谷の「ハチ公」とその銅像についてのさらなる論考。ハチ公生誕100年を機に実施されたアーティスト・西野達のプロジェクトをめぐり、「想像力の拡張」を試みる。
椹木野衣 美術と時評106:日本列島の美術100年 — 関東大震災、ハチ公生誕・100年の年に
関東大震災から100年となる本年、多くの関連報道や論評が世に出るなか、筆者は一見するとそこには直結しない——しかし誰もがよく知る存在をめぐる展覧会を訪ねた。
艾未未のことば23:自由を求めた後で
現代中国の文学や芸術を研究する牧陽一責任編集による「艾未未のことば」。今回は台湾国際放送(Rti)で放映されたインタビューを翻訳掲載。天安門事件で学生指導者を務めた民主運動家ウーアルカイシを聞き手に、艾未未が自由や抵抗をテーマに人生を振り返る。
【特別連載】杉田敦 ナノソート2021 #02「ドクメンタを巡るホドロジー(中)」
ドクメンタ15を断念した美術批評家の杉田敦は、ホドロジーという研究姿勢を確認しつつ、コソヴォ共和国の首都プリシュティナで開かれたマニフェスタに向かう。マニフェスタに関する考察を通じて見えてきたものとは。
椹木野衣 美術と時評105:熱源と体温 — MOCAF「ART AFTER HUMAN」展
新型コロナ禍から約3年。マスク着用方針の見直しなどが進むなか、筆者はこの間の動きを、一見するとつながりの薄い12年前の福島原発事故との関係から考察する。昨秋と今春の福島訪問で感じた「熱源」をめぐる論考。
連載 田中功起 質問する 18-6:馬定延さんへ3
映像メディア学研究者の馬定延との往復書簡。締めくくりとなる田中からの手紙は、「公」開の「私」信ともいうべきこのやりとりに可能性を託しつつ、映像をめぐる馬さんからの問いに応える。
椹木野衣 美術と時評104:「小杉武久の2022」と和泉希洋志〈SOMA〉
2018年に亡くなった小杉武久の表現について、彼の他界後も続く関連企画を通じて改めて論考する。またその延長線上に、小杉と親交のあった和泉希洋志のスパイスカレー店での営みをひとつの表現活動としてとらえる。
【特別連載】杉田敦 ナノソート2021 #02「ドクメンタを巡るホドロジー(前)」
ドクメンタを訪れるべきか訪れないべきか。継続してきた経験を手放し、異なる経路を選んだ杉田は、立ち止まり、時に過去を振り返りながら、ドクメンタを巡る別様の考察を進める。
連載 田中功起 質問する 18-5:馬定延さんから3
映像メディア学研究者の馬定延との往復書簡。馬からの最後の手紙は、作品における「出来事とその記録」の関係性をめぐり、作家、キュレーター、参加者、観衆の関係性をふまえ、そこで開かれ得る可能性を問う。