今回の往復書簡ゲストは、映像メディア学研究者の馬定延。約1年前に彼女が書簡形式で田中を取材したことが契機になったことから、今回はゲストの馬が田中に「質問する」手紙から始まる。
連載
- 清水穣
- レクチャー@ミュージアム
- ダン・キャメロン
- ドリョン・チョン
- ハンス・ウルリッヒ・オブリスト
- ホウ・ハン・ルウ
- フー・ファン
- ジュディ・アニア
- 都築響一
- ワシフ・コルトゥン
- 艾未未
- コラム
- 田中功起
- 椹木野衣
椹⽊野⾐ 美術と時評 100:回帰する「爆心地の芸術」——戦争、疫病、原発
昨年に続き、3月11日に福島県富岡町のMOCAFを訪ねた筆者。同館の可能性に期待しつつ、進行形の戦争、疫病、原発問題をめぐる危機感、および奇妙な既視感について思考する。

【特別連載】杉田敦 ナノソート2021 #01「女たちのテントと実験室(後)」
時代を遡り、過去のある国際展で覚えた違和感をきっかけに昨年再開した「ナノソート」。ニコラ・ブリオーが「関係性の美学」の下に提示した視点を再考するために、基本的な態度をなんども確認しながら歩を進める。

椹⽊野⾐ 美術と時評 99:即物する超自然主義
21世紀のパンデミックを経験したこの世界を、20世紀の新即物主義やハイデッガーを参照しつつとらえ直し、近年の映画や美術展を手がかりに論考する。
ホー・ツーニェン《ヴォイス・オブ・ヴォイド – 虚無の声》レビュー
YCAMとの約2年間にわたるコラボレーションを通じて制作されたホー・ツーニェンの新作《ヴォイス・オブ・ヴォイド – 虚無の声》。馬定延は、同作の「声」を手がかりに、京都学派、そして、ひとつの枠組みに囚われない「歴史の主体」に関心を寄せるホーの視座を探る。

【特別連載】杉田敦 ナノソート2021 #01「女たちのテントと実験室(前)」
現代美術を考えるのではなく、現代美術で考える実戦としての「極小の思考」。当時滞在していたポルトガルを拠点にヨーロッパを歩いた2017年の連載につづく「ナノソート2021」は、時代を遡り、過去のある国際展で覚えた違和感をきっかけにはじまる。
椹木野衣 美術と時評98:「繁殖絵画論」半世紀後のパルス — 小野田實
具体美術協会の会員でもあった小野田實(1937~2008)。拠点・姫路での充実した回顧展を訪ねた筆者の思索は、作家の重要なモチーフで、展覧会名にもなった「私のマル」を現在・未来につなぐ。
椹木野衣 美術と時評97:この時代を生き抜くためのアート — 峰丘と佐藤俊造(後編)
福島と大分、各々の地で独自の道を切り拓いた美術家をめぐる、連続論考。後編は大分県速見郡日出町大神を拠点とした、佐藤俊造を軸に論じる。
椹木野衣 美術と時評96:この時代を生き抜くためのアート — 峰丘と佐藤俊造(前編)
前回、グローバリズムに回収されない強度を持ち得る表現を「ART/DOMESTIC 2021」として論じた筆者。これに対するある応答を受け止めつつ、福島と大分、各々の地から生まれた美術を見つめる。
椹木野衣 美術と時評95:ART / DOMESTIC 2021
東日本大震災から10年目となる3月11日とその前後、筆者が日本各地を移動しながら考えた、あの震災から今日までのこと。その思考の流れが、各所での出来事とともに綴られる。