若林奮 飛葉と振動 @ 神奈川県立近代美術館 葉山


「緑の森の一角獣座 模型」1996-97年、鉄、銅、木(檜)、インク、グアッシュ、WAKABAYASHI STUDIO 蔵、Photo © 山本糾

若林奮 飛葉と振動
2015年8月15日(土)-12月23日(水、祝)
神奈川県立近代美術館 葉山
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/public/HallTop.do?hl=h
開館時間:9:30-17:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、9/21、10/12、11/23は開館)、10/13
※10月14日(水)より一部作品の展示替

神奈川県立近代美術館 葉山では、深い自然観に基づく思索的な作品を制作し続けた日本を代表する彫刻家、若林奮の庭をめぐる制作に光をあてる個展『若林奮 飛葉と振動』を開催する。

若林奮は1936年東京生まれ。59年に東京藝術大学を卒業し、62年の第47回二科展の金賞をはじめ、国内の主たる野外彫刻展などで受賞を重ねる。その後も80年と86年にヴェネツィア・ビエンナーレ日本館展示に出品、87年には東京と京都の国立近代美術館で個展『今日の作家 若林奮展』を開催するなど、日本を代表する彫刻家としての地位を確立する。制作活動を通じて、人間と自然との関係性を問い、鉄をはじめ、銅や鉛、木、石膏、硫黄などのさまざまな素材によって、自然の光、水、大気などの気象や、山や川などの地勢の変化、あるいは植物の生態、犬の呼吸、ハエの飛翔といったおよそ彫刻にしがたい対象を作品に取り込みながら、手のひらほどの小品から巨大なインスタレーションまで彫刻の可能性を追求した。96年からは東京都日の出町につくられるごみ処理場計画に反対する市民運動に連帯し、建設予定地に「緑の森の一角獣座」を作庭した(東京都の強制収用により2000年10月に消滅)。2002年には本格的な回顧展『若林奮展』を豊田市美術館で開催。2003年10月に東京都杉並区の病院で死去。生前は武蔵野美術大学や多摩美術大学教授を歴任した。

本展タイトルの「飛葉と振動」とは、若林が最晩年の彫刻作品に名づけた言葉である。73年、97年と生前二度の個展を開催した神奈川県立近代美術館では、没後初めて開催される本展で、これまで充分に紹介されてこなかった若林の庭をめぐる制作に光をあてる。「軽井沢・高輪美術館の庭」(1982-85)、「神慈秀明会神苑の庭」(1986-96)、「緑の森の一角獣座」(1995-2000)、「4個の鉄に囲まれた優雅な樹々」(2000年)の4つの庭を中心に、関連する彫刻約100点のほか、水彩・素描約140点、さらに関係書籍・資料を通して、若林の創作世界を再考する。

会期中には、レクチャーや対談、パフォーマンスなど数多くの企画が催される。なお、本展は府中市美術館(2016/1/9-2/28)、うらわ美術館(4/23-6/19)への巡回を予定している。


「4個の鉄に囲まれた優雅な樹々」2000年、霧島アートの森、Photo © 山本糾

関連イベント
記念講演会「ある日の若林奮」
酒井忠康(世田谷美術館館長)
2015年8月15日(土)13:30-15:00
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 講堂
定員:70名(当日先着順)

記念対談「ラスコーと武蔵野の庭」
吉増剛造(詩人)、関口涼子(著述家・翻訳家)
2015年11月7日(土)14:00-15:30
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 講堂
定員:70名(当日先着順)

アーティスト・トーク「若林奮と私」
加納光於(美術家)
2015年9月27日(日)14:00-15:00
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 展示室
※要当日観覧券

パフォーマンス「身奏/始点」
altneu アルトノイ(島地保武+酒井はな)
音楽:蓮沼執太(音楽家)
2015年9月12日(土)15:00-15:30
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 中庭
*公演は中庭での立ち見となります。
*荒天の場合、開催情報を同館ツイッターとホームページの「ニュース・イベント」で告知。
*アルトノイは鎌倉館で9月5日(土)にパフォーマンス「身奏/記憶」を上演。

館長トーク
水沢勉(神奈川県立近代美術館館長)
2015年8月22日(土)14:00-15:00
10月10日(土)ゲスト:淀井彩子(画家)14:00-15:00
11月23日(月、祝)14:00-15:00
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 展示室
※要当日観覧券

クロス・トーク ゲスト×館長
ゲスト:鍵岡正謹(岡山県立美術館顧問)
2015年9月19日(土)14:00-15:00
ゲスト:小泉俊己(多摩美術大学教授)
2015年10月12日(月、祝)14:00-15:00
ゲスト:山口啓介(美術家)
2015年12月23日(水、祝)14:00-15:00
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 展示室
※要当日観覧券

若林奮作品見学ツアー
案内人:原田光(岩手県立美術館館長)、水沢勉(神奈川県立近代美術館館長)
2015年10月18日(日)
10:00-11:30 神奈川県立近代美術館 葉山 見学
各自昼食・移動
14:00-16:00 横須賀美術館 見学
定員:20名(申込先着順)
「地表面の耐久性について」1975年/2015年8月設置(葉山館)と、「Valleys」1989年/ 2006年設置(横須賀美術館)を中心に、各館の展覧会を解説付きで見学するツアー(協力:横須賀美術館)
※『若林奮』展〈葉山館〉、『所蔵品』展 〈横須賀美術館〉それぞれの当日観覧券が必要
※申込は神奈川県立近代美術館 葉山の公式ウェブサイトの「近代美術館への問い合わせ」フォームから。

※そのほかの関連イベントは美術館公式ウェブサイトを参照。


「飛葉と振動」2003年、木、布、ジェッソ、WAKABAYASHI STUDIO 蔵、Photo © 山本糾

鎌倉からはじまった。1951-2016
PART 2:『1966-1984 発信する近代美術館』

2015年7月4日(土)-10月4日(日)
神奈川県立近代美術館 鎌倉
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/public/HallTop.do?hl=k

鎌倉からはじまった。1951-2016
PART 2:『1966-1984 発信する近代美術館』版画の部

2015年7月4日(土)-10月4日(日)
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/public/HallTop.do?hl=h

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