小金沢健人×佐野繁次郎 ドローイング/シネマ @ 神奈川県立近代美術館 鎌倉別館


小金沢健人《ドローイング/シネマ(佐野繁次郎の素描に基づく変奏)》2023年 作家蔵

 

小金沢健人×佐野繁次郎 ドローイング/シネマ
2024年2月23日(金・祝)-5月6日(月)
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/
開館時間:9:30–17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(4/29、5/6は開館)
企画担当:三本松倫代(神奈川県⽴近代美術館学芸員)、朝木由香(神奈川県立近代美術館学芸員)
展覧会URL:https://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2023-koganezawa-and-sano

 

神奈川県立近代美術館 鎌倉別館では、絵画、映像、立体など多彩な表現に取り組む小金沢健人と、独特の描き文字と線画による装幀・挿画が油彩画と並び広く知られる佐野繁次郎をとりあげ、それぞれの作品に新たな側面を読み取る企画展「小金沢健人×佐野繁次郎 ドローイング/シネマ」を開催する。

小金沢健人(1974年東京都生まれ)は、物の存在や意識の構造、日常の些細な出来事や風景の一瞬の動きや変化を直感的に捉え、映像、ドローイング、インスタレーション、パフォーマンスなど幅広い表現を展開している。武蔵野美術大学映像学科を卒業後まもなくドイツに渡り、長きにわたりベルリンを拠点に活動。2000年代初頭よりマニフェスタ4(2002)、シャルジャ・ビエンナーレ(2003)、横浜アートトリエンナーレ2005、あいちトリエンナーレ2010などで作品を発表。「Dancing In Your Head」(資生堂ギャラリー、2004)、「あれとこれのあいだ」(神奈川県民ホールギャラリー、2008)、「動物的」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2009)、「煙のゆくえ」(2016)などの個展を開催。2017年の帰国後も「アジアン・アート・アワード2018」(主催:一般社団法人アート東京)での大賞受賞、KAATでの個展「Naked Theatre -裸の劇場-」(KAAT神奈川芸術劇場、2019)をはじめ、「マジック・ランタン 光と影の映像史」(東京都写真美術館、2018)、第11回恵比寿映像祭(2019)、「Raum Der Zeichnung」(PORT25 Raum für Gegenwartskunst、マンハイム、ドイツ、2022)、個展「Drawing in Motion」(テュービンゲン大学美術館、ドイツ、2022)、「回復する」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2023)など、精力的な活動を展開している。

佐野繁次郎(1900–1987/大阪生まれ)は、画家としての活動のほか、装幀、デザイン、建物の設計まで幅広く活動した。佐野は1924年に大阪の信濃橋洋画研究所に入り、小出楢重に師事。29年には二科展に初入選を果たし、31年には《休日》で同展樗牛賞を受賞する。37年に渡仏し、アカデミー・ジュリアンやアカデミー・グランショミエールに学び、マティスに師事するも39年に帰国。戦後再び渡仏し、52年にはパリ・トロンシュ画廊で個展を開催。また、装幀においても横光利一の『機械』をはじめ、生涯に200冊を超える小説や雑誌を担当。銀座名店の広報誌『銀座百点』は創刊号から1969年7月号まで計176冊の表紙挿絵を担当した。

 


佐野繁次郎《鳥》制作年不詳 鉛筆、紙 神奈川県立近代美術館蔵


佐野繁次郎《お店》制作年不詳 鉛筆、紙 神奈川県立近代美術館蔵

 

線描(ドローイング)の作品において、ニュアンスに富んだ描線と余白という共通項を持つ小金沢と佐野。本展では、同館所蔵の佐野のドローイングから小金沢がセレクトした数百点をオリジナルの状態で展示するとともに、映画のワンシーンを思わせる洒脱なイメージで物語を広げる佐野のカット原画をもとに、小金沢が、時間と空間、平面と立体へと展開する新作のインスタレーションを発表する。ダンサーやミュージシャンなど、他領域のアーティストとのコラボレーションを数多く手がけてきた小金沢が、自身と同じ「線を描く人」と時代を超えて協働する異色の「上映」が注目される。

 

関連イベント
アーティストトーク
2024年2月23日(金・祝)15:00–16:00
出演:小金沢健人(本展出品作家)
聞き手:水沢勉(神奈川県立近代美術館館長)
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館 展示室
※申込不要、参加無料(高校生以上は要当日観覧券)

 


小金沢健人《y》2023年 インク、紙 作家蔵


佐野繁次郎装幀 ピエール・ダニノス(堀口大学訳)『見るもの食うもの愛するもの』1958年
新潮社 神奈川県立近代美術館美術図書室蔵

 

同時期開催
芥川龍之介と美の世界二人の先達—夏目漱石、菅虎雄
2024年2月10日(土)-4月7日(日)
神奈川県立近代美術館 葉山
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2023-akutagawa-ryunosuke

コレクション展「木茂(もくも)先生と負翼童子」
2024年2月10日(土)-4月7日(日)
神奈川県立近代美術館 葉山
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2023-h-collection3

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