葉山館20周年記念 100年前の未来:移動するモダニズム 1920-1930 @ 神奈川県立近代美術館 葉山館


久米民十郎《支那の踊り》1920年 永青文庫蔵

 

葉山館20周年記念 100年前の未来:移動するモダニズム 1920-1930
2023年10月7日(土)-2024年1月28日(日)
神奈川県立近代美術館 葉山
www.moma.pref.kanagawa.jp/
開館時間:9:30–17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、10/9、1/8は開館)、12/29-1/3
企画担当:三本松倫代(神奈川県立近代美術館主任学芸員)、西澤晴美(神奈川県立近代美術館主任学芸員)
展覧会URL:www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2023-the-future-100-years-ago

 

神奈川県立近代美術館 葉山では開館20周年を記念して、「近代(モダン)」の文化が多様に展開した1920年代を再考する「葉山館20周年記念 100年前の未来:移動するモダニズム 1920-1930」を開催する。

神奈川県立近代美術館は、日本で最初の公立近代美術館として坂倉準三設計の建築で1951年に開館した。収蔵庫の拡充や新たな展示室の必要性など、美術館の成長とともに、1966年に同じく坂倉の設計で新館、1984年に大高正人の設計で別館を増築。1994年より県立近代美術館再編整備基本構想委員会を設置し、新世紀に向けての新たな美術館体制を検討し、葉山館が2003年3月に竣工、10月に開館した(設計:佐藤総合計画)。

 


和達知男《謎》1922年頃 神奈川県立近代美術館蔵


前田寛治《二人の労働者》1923年 大原美術館蔵

 

開館20周年を記念する本展は、大正から昭和へと移る100年前の世界が夢みた新しさの諸相を紹介する。当時、1917年のロシア革命と1918年終結の第1次世界大戦により国際的な移動と伝播の時代が到来し、スペイン風邪によるパンデミック後の世界で、芸術家たちは国境を越えて活動した。本展では、日本と外国の文化往来にみる同時代性を捉えるべく、日本人作家が1920年代に海外で制作した作品に加え、建築家・石本喜久治や評論家の仲田定之助、コレクターの宗像久敬らが招来した海外作品、そして訪日したダヴィト・ブルリュークヴィクトル・パリモフワルワーラ・ブブノワらの作品を紹介し、文化往来の軌跡を探る。なかでも、1999年に旧鎌倉館でも取り上げた画家・久米民十郎を特集。久米は、1914年に渡英しエズラ・パウンドと交流、ヴォーティシズム(渦巻派)などの新潮流に触れて才能を開花させるも再渡航直前の横浜で関東大震災に斃れた。本展では近年の調査研究をふまえた希少な作品・資料を紹介する。

また、文学者・魯迅が帰国後に中国で展開した近代木版画運動にも着目。20世紀初頭に日本で学んだ文学者の魯迅は、帰国後の1920年代に木版画の民衆性と美術的価値に着目し、欧米や日本の版画を書籍や展覧会で中国に紹介した。本展では、上海で内山書店を経営する内山完造、その弟・内山嘉吉の協力を得て魯迅が1931年に同地で行なった木版画講習会の作品ほか、1930年代への展開を示す作品・資料を展覧する。

 


古賀春江《窓外の化粧》1930年 神奈川県立近代美術館蔵


鄭洛耶(鄭川谷)《風景》1931年 神奈川県立近代美術館蔵

 

関連イベント
20周年記念トーク「近代美術館のこれまでとこれから」
2023年10月7日(土)13:00-14:30
講師:酒井忠康(世田谷美術館長、元・当館館長)
聞き手:水沢勉(当館館長)
会場:神奈川県立近代美術館 葉山講堂
定員:60名
※無料。当日12時より整理券配布

 

同時期開催
荘司 福 旅と写生/ドローイング
2023年10月7日(土)-11月26日(日)
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2023-a-collection1

イメージと記号
2023年12月9日(土)-2024年2月12日(月・祝)
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館

Copyrighted Image