コレクション展Ⅰ 中原佑介の言葉 ― コレクションを見るあたらしい眼 @ 兵庫県立美術館

 

コレクション展Ⅰ 中原佑介の言葉 ― コレクションを見るあたらしい眼
2026年4月28日(火)-9月23日(水・祝)※会期中展示替えあり
兵庫県立美術館
https://www.artm.pref.hyogo.jp/
開館時間:10:00–18:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、5/4、7/20、9/21は開館)、5/7、7/21
展覧会URL:https://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/j_2604/index.html

 

兵庫県立美術館では、2006年からの4年間、同館館長を務めた神戸市生まれの美術評論家、中原佑介を特集した「コレクション展Ⅰ 中原佑介の言葉 ― コレクションを見るあたらしい眼」を開催する。

中原佑介(1931-2011/兵庫県生まれ)は、京都大学理学部で物理学を専攻し、修士課程在学中に執筆した「創造のための批評」(1955)が、『美術批評』誌の第2回美術評論募集の一席を受賞。以後、美術評論家としての活動をはじめ、『ナンセンスの美学』(1962)や『見ることの神話』(1972)など数多くの著作を残した。また同時代作家たちの仕事を見出し、多くの展覧会を企画したほか、パリ青年ビエンナーレ(1967)、サンパウロ・ビエンナーレ(1973、1975)、ヴェネツィア・ビエンナーレ(1976、1978)の日本館コミッショナーを務めた。本展では、中原の著作物とあわせて、彼が論じた同館所蔵作家たちの作品や、当時実際に目にしたと考えられる同館所蔵の作品を展示。なかでも中原の文章に繰り返し登場する「物質」という概念を軸に、著書『現代彫刻』(1965)や、第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ)「人間と物質」(1970)をはじめとする代表的な仕事を辿りながら、戦後美術の多様な展開を読み解く。

 

河口龍夫《関係-種子》1986年 鉛、種子(りんご)
菅井汲《ハイウェイの朝》1965年 油彩・布

 

第1章「美術批評と中原佑介の誕生」では、岡本太郎片山昭弘浜田知明らの作品とともに、中原の出発点を振り返る。上述した「創造のための批評」を執筆名義を変えて応募したのは、当時23歳、宇宙線に関する修士論文を執筆中の江戸頌昌だった。江戸はこの受賞を機に「中原佑介」として美術批評の世界へ足を踏み出していく。第2章「序文、展評、作家論…」では、1960年代から70年代にかけて中原が取り上げてきた国内外の作家に焦点を当てる。中原は『美術手帖』『三彩』『みづゑ』といった美術雑誌や読売新聞の展評コーナー、画廊での個展カタログ序文などを担当し、同時代の作家たちについて膨大な評論を残した。本章では磯辺行久伊藤隆康オノサト・トシノブらの作品を、同館のコレクションから一部紹介する。第3章「物質から空間へ」では、評論家の枠を超え、やがてキュレーターのように作家や作品を選び、展覧会を企画する仕事にも携わるようになった中原の活動を取り上げる。1963年に東京の内科画廊のこけら落としとして企画された「不在の部屋」展についてふれるほか、他の評論家や作家たちと交わした「影」に関する議論も紹介し、荒川修作高松次郎ジャスパー・ジョーンズらの作品を展示する。

第4章「現代彫刻」では、「物質」との関係を捉えなおし、多様に展開した20世紀の彫刻を論じた中原の代表作『現代彫刻』(角川書店、1965)を軸に、山口勝弘アレキサンダー・アーキペンココンスタンティン・ブランクーシジョージ・シーガルらの作品を紹介する。第5章「人間と物質のあいだへ」では、中原がコミッショナーを務めた第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ)「人間と物質」(1970)に焦点を当てる。国内外から榎倉康二小清水漸野村仁クリスト&ジャンヌ=クロードら現代美術作家40名が集められ、その後、作家の多くは、コンセプチュアル・アート、ミニマリズム、アルテ・ポーヴェラ、もの派といった文脈の中で美術史に名を残していくこととなる。第6章「コミッショナー・中原佑介」では、ヴェネツィア・ビエンナーレやユーロパリア’89 ジャパンなどで「コミッショナー」として国際的に活動してきた中原の仕事に目を向け、出品作家である菅木志雄辰野登恵子堀浩哉李禹煥らの作品を展示する。第7章「元館長・中原佑介のことば」では、兵庫県立美術館の2代目館長としての中原の活動を紹介する。在任期間中に企画したコレクション展や特別展で語った、40年来の交友のあった同郷の作家、菅井汲河口龍夫の作品を展示する。

また、2階展示室では、中原が初期の連載「日本近代美術史」で示した、従来の美術史のあり方に対する批判的な視点を踏まえ、令和7年度の新収蔵品を交えながら同館収蔵の日本近代の洋画作品を展示する。

 

片山昭弘《日本列島シリーズ 重油富士》1956年 油彩・布
磯辺行久《WORK ’62-5》1962年 山村コレクション

 

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2026年5月10日(日)13:30–14:10
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各日 11:00–11:30(10:45より受付開始)
受付:兵庫県立美術館 1階エントランス
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※先着順、参加無料(要観覧券)

HART TALK 館長といっしょ! Vol.21
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定員:150名
※先着順、参加無料(要観覧券)

ミュージアム・ボランティアによるガイドツアー
会期中の毎週土日 13:00–13:30
受付:兵庫県立美術館 1階エントランス
※先着順、参加無料(要観覧券)

 

コンスタンチン・ブランクーシ《新生》1920年(1976年鋳造) 研磨ブロンズ
榎倉康二《Figure – No. 35》1984年 アクリル・綿布 山村コレクション

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