Art Basel in Basel, Courtesy of Art Basel
2026年6月18日から21日の4日間(内覧会は16日、17日)にわたり、バーゼル市内のメッセ・バーゼルに43カ国/地域から290軒のギャラリーが集まる世界有数のアートフェア「アートバーゼル2026」が開催される。また2025年のマイアミビーチに始まり、3月の香港でも開かれたアートバーゼル発のデジタルアートの実践における展示と収集のためのプラットフォーム「Zero 10」(6月17日〜6月21日)も3度目の開催。第1回よりキュレーションを手がけるデジタルアートの専門家エリ・シャインマンのほか、アーティストのトレヴァー・パグレンが共同キュレーターに招聘されている。
コミッション・プロジェクトを手がけるのは昨年新設されたアートバーゼルアワードのエスタブリッシュ・アーティスト部門の金メダリストに選ばれた2名。ナイリー・バグラミアンはメッセプラッツにて、生物を連想させる形態と幾何学的な支持構造を組み合わせる独自の芸術言語の拡張を試みた4つの大型彫刻からなる新作インスタレーション《Modèle vivant (S’empilant)》(2026)、イブラヒム・マハマはミュンスタープラッツにて、アルンダティ・ロイの著書『小さきものたちの神』から作品名を引用し、ガーナ独立後に建設された工場から採取したゴムの残余物を素材に複数の彫刻要素を星座のように展開した新作インスタレーション《The God of Small Things》(2026)をそれぞれ発表する。
Ruba Katrib, Art Basel Unlimited Curator, Photo by John Kim
Stefanie Hessler, Art Basel Parcours Curator, Photography by Jingyu Lin for Art Basel, Courtesy of Art Basel
従来のアートフェアのブースでは展示不可能な大型作品や広い空間を必要とする展示を紹介するアンリミテッド部門(Unlimited)は、MoMA PS1のルーバ・カトリーブが初のキュレーションを手がける。航空機のウインドウパネルと座席からなるイザ・ゲンツケンのインスタレーション《Untitled》(2018)や、ヘレン・マーティンが俳優のグェンドリン・クリスティーを声優に迎えて制作したノンヒューマンを登場人物としたCGIアニメーション《Writing A Play (dark blue orchard)》(2023)、エド・ルシェがマイアミ・デイド郡の公共図書館のために構想し、長くアーティスト本人のコレクションとなっていた《A, B, C》(1987)、シアスター・ゲイツが森美術館の個展の際に発表した《みんなで酒を飲もう》と同じく酒瓶を大量に用いたインスタレーション《A libation in Uncertain Times》(2024)をはじめ、草間彌生、三輪美津子、沖潤子、今井麗、平子雄一など、59作品を紹介する。6月18日にはアンリミテッド・ナイトと称して開場時間を延長し、特別なパフォーマンスなども披露される。
一方、アートバーゼルのパブリックアート部門とも言えるパルクール部門(Parcours)は、フェア会場とライン川を結ぶクララ通りを中心に展開。3年連続でキュレーションを担当するニューヨークのスイス・インスティテュートのステファニー・ヘスラーが掲げる「コンヴィヴィアリティ」をテーマの下、ヤン・ヘギュ、サラ・クラウナー、アモル・K・パティル、ペラジー・バギディらのサイトスペシフィック・インスタレーションやパフォーマンスなど22の作品が披露される。
The Mittlere Brücke in Basel, Courtesy of Art Basel
同時期のバーゼルでは、HAGIWARA PROJECTSやKAYOKOYUKI、沼ノ端レジデンシー、Parcel、WAITINGROOM、Yutaka Kikutake Galleryも参加するアートフェア「LISTE」(6月15日〜6月21日)や、2022年に始まり5回目を迎えるバーゼル・ソーシャル・クラブ(6月14日〜6月21日)、アートブック・フェア「I Never Read」なども開催される(市内の主要美術機関の展覧会情報は「アートバーゼル2026がラインナップを発表」を参照)。
なお、アートバーゼルでは、昨年に続く2回目の開催となる「アートバーゼルアワード」の各部門のメダリストを4月に発表。アイコン・アーティスト部門は、バーバラ・クルーガー、ハワルデナ・ピンデル、ジェニー・ホルツァー、エスタブリッシュ・アーティスト部門には、アピチャッポン・ウィーラセタクン、アーサー・ジェイファ、ジュリー・メーレトゥ、マリア・マグダレーナ・カンポス=ポンス、リクリット・ティラヴァニ、シアスター・ゲイツ、エマージング・アーティスト部門には、アズィザ・カディリ、カーラ・ゲイェ、ディエゴ・マルコン、ファラー・アル・カシミ、プレシャス・オコヨモン、ティファニー・シャが選ばれている。そのほか、各部門のメダリストは最下部に記載。
アートバーゼル2026:https://www.artbasel.com/basel
ナイリー・バグラミアン《Modèle vivant (S’empilant)》2026年、メッセプラッツ Photo: ART iT(※2026年6月17日追加)
ナイリー・バグラミアン《Modèle vivant (S’empilant)》2026年、メッセプラッツ Photo: ART iT(※2026年6月17日追加)
アートバーゼルアワード2026メダリスト
エマージング・アーティスト部門|Emerging Artist
アズィザ・カディリ|Aziza Kadyri
カーラ・ゲイェ|Carla Gueye
ディエゴ・マルコン|Diego Marcon
ファラー・アル・カシミ|Farah Al Qasimi
プレシャス・オコヨモン|Precious Okoyomon
ティファニー・シャ|Tiffany Sia
エスタブリッシュ・アーティスト部門|Established Artist
アピチャッポン・ウィーラセタクン|Apichatpong Weerasethakul
アーサー・ジェイファ|Arthur Jafa
ジュリー・メーレトゥ|Julie Mehretu
マリア・マグダレーナ・カンポス=ポンス|María Magdalena Campos-Pons
リクリット・ティラヴァニ|Rirkrit Tiravanija
シアスター・ゲイツ|Theaster Gates
アイコン・アーティスト部門|Icon Artist
バーバラ・クルーガー|Barbara Kruger
ハワルデナ・ピンデル|Howardena Pindell
ジェニー・ホルツァー|Jenny Holzer
領域横断クリエーター部門|Cross-Disciplinary Creator
クラパット・ヤントラサスト|Kulapat Yantrasast
ローリー・アンダーソン|Laurie Anderson
スマヤ・ヴァリー|Sumayya Vally
美術機関部門|Museum and Institution
ディルイーヤ・ビエンナーレ・ファウンデーション|Diriyah Biennale Foundation(ディルイーヤ、サウジアラビア)
SAVVYコンテンポラリー|SAVVY Contemporary(ベルリン)
ブリック|The Brick(ロサンゼルス)
メディア&ストーリーテラー部門|Media and Storyteller
アントン・ヴィドクル|Anton Vidokle
ヒルトン・アルス|Hilton Als
シッダールタ・ミッター|Siddhartha Mitter
パトロン部門|Patron
メルセデス・ヴィラーデル|Mercedes Vilardell
パメラ・J・ジョイナー|Pamela J. Joyner
ティガー・ファウンデーション|Teiger Foundation
アライ部門|Allies
インディペンデント・キュレーターズ・インターナショナル|Independent Curators International(ニューヨーク)
ニュー・キュレーターズ|New Curators(ロンドン)
スタジオ・ミュージアム・イン・ハーレム(アーティスト・イン・レジデンス・プログラム)|Studio Museum in Harlem: Artist-in-Residence Program(ニューヨーク)
キュレーター部門|Curator
アズ・ヌワグボグ|Azu Nwagbogu
ダイアナ・キャンベル|Diana Campbell
スチュアート・コマー|Stuart Comer
