映像メディア学研究者の馬定延さんとの往復書簡。田中からの二通目の手紙は、ベルリンでの最新プロジェクト(イベント)を紹介しながら、映像の「展示」と「上映」をめぐるある視点について綴る。
連載

椹木野衣 美術と時評102:速度とエロース — 川内理香子と『パイドロス』
この夏に東京で開催された川内の個展をめぐり、筆者はプラトンの中期対話篇のひとつを引きつつ、自身にとっての「批評という実践」のありかたも見つめながら論考する。
連載 田中功起 質問する 18-3:馬定延さんから2
映像メディア学研究者の馬定延との往復書簡。馬からの二通目の手紙は、田中の近年の活動や、美術における映像表現の実践・体験・歴史について語りかける。
連載 田中功起 質問する 18-2: 馬定延さんへ1
往復書簡シリーズ、第18回のゲストは映像メディア学研究者の馬定延。今回は彼女が「質問する」手紙から始まったため、田中からの最初の手紙は、これに応答するかたちで綴られる。
椹木野衣 美術と時評101:「小ささ」と「大きさ」——河口龍夫の「関係」をめぐって
都内2か所での個展などを機に、長年にわたる河口龍夫の実践について、彼の作品名としてもしばしば登場してきた「関係」をキーワードに論考する。
連載 田中功起 質問する 18-1: 馬定延さんから1
今回の往復書簡ゲストは、映像メディア学研究者の馬定延。約1年前に彼女が書簡形式で田中を取材したことが契機になったことから、今回はゲストの馬が田中に「質問する」手紙から始まる。
椹⽊野⾐ 美術と時評 100:回帰する「爆心地の芸術」——戦争、疫病、原発
昨年に続き、3月11日に福島県富岡町のMOCAFを訪ねた筆者。同館の可能性に期待しつつ、進行形の戦争、疫病、原発問題をめぐる危機感、および奇妙な既視感について思考する。
【特別連載】杉田敦 ナノソート2021 #01「女たちのテントと実験室(後)」
時代を遡り、過去のある国際展で覚えた違和感をきっかけに昨年再開した「ナノソート」。ニコラ・ブリオーが「関係性の美学」の下に提示した視点を再考するために、基本的な態度をなんども確認しながら歩を進める。

椹⽊野⾐ 美術と時評 99:即物する超自然主義
21世紀のパンデミックを経験したこの世界を、20世紀の新即物主義やハイデッガーを参照しつつとらえ直し、近年の映画や美術展を手がかりに論考する。
ホー・ツーニェン《ヴォイス・オブ・ヴォイド – 虚無の声》レビュー
YCAMとの約2年間にわたるコラボレーションを通じて制作されたホー・ツーニェンの新作《ヴォイス・オブ・ヴォイド – 虚無の声》。馬定延は、同作の「声」を手がかりに、京都学派、そして、ひとつの枠組みに囚われない「歴史の主体」に関心を寄せるホーの視座を探る。