NEW INCUBATION 8 伊藤隆介x中田有美
ジオラマとパノラマ -Diverting Realities
2016年6月10日(金)-7月18日(月、祝)
京都芸術センター ギャラリー北・南
http://www.kac.or.jp/
開館時間:10:00-20:00
会期中無休
京都芸術センターでは、若手作家とベテラン作家の出会いを通じて、現代美術が抱えている問題を浮き彫りにし、新たな展開を探る展覧会シリーズNEW INCUBATIONの8回目として、伊藤隆介と中田有美を招聘し、「ジオラマ」と「パノラマ」をキーワードにした展覧会を開催している。
伊藤隆介は1963年北海道生まれ。東京造形大学在学中に実験映画の制作をはじめる。フィルムの物質性やビデオによる伝達など、メディウムの特性を探求する映像作品や映像インスタレーションを発表している。中田有美は1984年奈良県生まれ。テキスタイルを学んだ後に絵画制作をはじめる。2016年に京都市立芸術大学美術研究科で博士号を取得。自画像や風景画、静物画といった古典形式絵画に通底するルールを一部逆転解釈した油彩画や、巨大なインクジェットプリントと油彩画を同時に提示する「背景の背景」シリーズを発表している。
本展では、どちらもつくりものの背景と立体的な模型を合わせて本物のように見える錯覚を生み出す視覚装置として発明されたジオラマとパノラマをキーワードに、「本物らしさ」から視点を転換させて、それらの装置、機構が生み出す現実感のズレや揺らぎに焦点を当てる。伊藤は「Realistic Virtuality(仮想的な現実性)」、中田は「背景の背景」を出品。現在の飽和した視覚文化におけるメディアの決まり事やクリシェなどを引用しながらも、メタ的な視点を導入することで、イメージを多層化するという両者の試みが提示される。
関連企画
アーティスト・トーク
2016年6月10日(金)18:00-19:00
会場:京都芸術センター ギャラリー北・南
※無料、事前申込不要
※ギャラリー南から開始