高梨豊「ニッチ東京」@ タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム


「ニッチ東京」2013-2014 年/2015 年 ラムダ・プリント イメージサイズ: 43.6 x 54.5 cm © Yutaka Takanashi / Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film, Tokyo

高梨豊「ニッチ東京」
2015年8月22日(土)-9月26日(土)
タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム
http://www.takaishiigallery.com/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝
※オープニング・レセプション:8月29日(土)18:00-20:00

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムでは、写真集『都市へ』をはじめ「都市」を主題とした作品を中心に、さまざまな実践を試みてきた日本を代表する写真家、高梨豊の個展『ニッチ東京』を開催する。

高梨豊は1935年東京生まれ。50年代末より写真家として広告写真の分野で活躍する一方で、『カメラ毎日』に発表された「東京人」や、多木浩二や中平卓馬らと写真同人誌『PROVOKE』を刊行するなど、同時代の写真表現の可能性を探求、以来50年以上にわたり、さまざまな方法論を駆使して「都市」を写真に捉えてきた。

本展で発表する「ニッチ東京」は、2000年代に入って高梨が発表した「ノスタルジア」、「囲市」に続くカラー三部作のひとつに位置づけられる最新作となる。高梨は本シリーズを通じて、田中純の生態学的視点を用いた都市の様相に関する分析と島田雅彦の小説『ニッチを探して』(2012年)から着想を得た「ニッチ」の探索を視座に、対象となる都市の変容自体に眼を向けるのではなく、無数の人の行為によって利用された事物の痕跡を集積することで、環境の輪郭を浮かび上がらせ、都市の「生態学的景観」を捉えている。

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムでは、本展の開催にあわせて55点の写真と倉石信乃のテキスト、高梨のあとがきを収録した作品集『ニッチ東京』を刊行する。

近所の商人と客のやりとり 遊ぶ子供の甲高いさけび
いっとき聞こえる故郷のなまり、お年寄りの世間ばなし、そして
冷やかな庶民の笑いなどそんなひとの声のする
ニッチの響く空間を写し留め置こうと思った
スキマの溢れる場所をとどめおこうとした
(高梨豊『ニッチ東京』あとがきより抜粋)


「ニッチ東京」2013-2014 年/2015 年 ラムダ・プリント イメージサイズ: 43.6 x 54.5 cm © Yutaka Takanashi / Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film, Tokyo

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