Jeremy Deller Exodus (2012). Courtesy The Modern Institute/Toby Webster
第5回 恵比寿映像祭 パブリック⇄ダイアリー
2013年2月8日(金)-2月24日(日)
東京都写真美術館ほか
http://www.yebizo.com/
開催時間:10:00-20:00 ただし、最終日の24日のみ18時まで
休館日:2月12日(火)、18日(月)
「映像とは何か?」という問いを毎年ひとつのテーマを出発点に問うていく恵比寿映像祭が今年も東京都写真美術館を中心に開催される。
第5回目となる今回は「パブリック⇄ダイアリー」を総合テーマに、「日記」をキーワードとして映像の力について考える。このテーマのもとにディレクターを務める岡村恵子は、映像祭を通じて記録メディアとしての映像の可能性や課題、表現形式としての日記のあり方といった各論を掘り下げるとともに、さらに、そうした作品を通じて、なぜ人は日記を記し著すのか、そして、いかに残された「日記」を読み解くことができるのかについての考察の機会を提供する。また、旧来、私的な空間で主観的に記すものとされてきた日記が、メディア技術や情報システムの変転によって変質し、私的な空間がさまざまな形で浸食され、管理されてしまう現代に、「私」を問うことで裏返しに見えてくる「公」をもまた新たに問うことを試みている。
展示部門には、今年のヴェネツィア・ビエンナーレにイギリス館代表として参加するターナー賞作家のジェレミー・デラーの映像作品や国際展の常連で今年のあいちトリエンナーレにも参加するワリッド・ラードの作品、河原温の日付絵画や荒木経惟の最新日記シリーズが出品されるほか、1938年から45年まで内閣情報部(のちに情報局)により編集、刊行されていた国策グラフ雑誌『写真週報』も展示される。また、ダムタイプの川口隆夫による新作パフォーマンスも展示空間内で予定されている。
上映部門では、昨年ICIインディペンデント・ヴィジョン・キュレトリアル賞を受賞したジェイ・サンダースによるプログラムや、昨年急逝したマイク・ケリーの最初で最後のパブリックアート・プロジェクト「MOBILE HOMESTEAD」の日本初公開をはじめ、多彩なプログラムが組まれている。
そのほか、オフサイト・プロジェクトでは鈴木康広のインスタレーションを恵比寿ガーデンプレイスのセンター広場に設置。2月17日には石田尚志のライブ・イヴェント、恵比寿周辺のギャラリー及び文化施設各所での関連プログラムが予定されている。シンポジウム、レクチャー、ラウンジトーク、恵比寿の地域連携プログラムも例年同様充実したプログラムが組まれている。各プログラムの詳細及びチケット情報は公式ウェブサイトを参照。
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