具体美術協会の会員でもあった小野田實(1937~2008)。拠点・姫路での充実した回顧展を訪ねた筆者の思索は、作家の重要なモチーフで、展覧会名にもなった「私のマル」を現在・未来につなぐ。
連載
椹木野衣 美術と時評97:この時代を生き抜くためのアート — 峰丘と佐藤俊造(後編)
福島と大分、各々の地で独自の道を切り拓いた美術家をめぐる、連続論考。後編は大分県速見郡日出町大神を拠点とした、佐藤俊造を軸に論じる。
椹木野衣 美術と時評96:この時代を生き抜くためのアート — 峰丘と佐藤俊造(前編)
前回、グローバリズムに回収されない強度を持ち得る表現を「ART/DOMESTIC 2021」として論じた筆者。これに対するある応答を受け止めつつ、福島と大分、各々の地から生まれた美術を見つめる。
椹木野衣 美術と時評95:ART / DOMESTIC 2021
東日本大震災から10年目となる3月11日とその前後、筆者が日本各地を移動しながら考えた、あの震災から今日までのこと。その思考の流れが、各所での出来事とともに綴られる。
椹木野衣 美術と時評94:2020年回視 — 新型コロナをめぐる顔、手、息の変質
私たちがかつて経験したことのない規模の感染症が、世界各地で影響を及ぼした2020年。それがもたらしたものを、目に見える、しかしともすれば意識の外に置かれている変化を通じて考察する。
連載 田中功起 質問する 17-6: 未来のあなたへ
「あいちトリエンナーレ2019」参加前後の自分自身との往復書簡。この想定で始まった今回、しかし時を超えた手紙は書かれなかった。締めくくりとなる今回は、田中が当初考えていたこと、いま考えていることを率直に綴る。
椹木野衣 美術と時評93:晴れた日に雨の日も —「内藤礼 うつしあう創造」
去る8月、久方ぶりに訪れた金沢で「内藤礼 うつしあう創造」展および「没後35年 鴨居玲展 -静止した刻-」を鑑賞した筆者の、思考の広がりを記したテキスト。
連載 田中功起 質問する 17-5:再び2019年9月9日のあなたへ
「あいちトリエンナーレ2019」参加前後の自分自身との往復書簡。前回の手紙に続き、芸術祭の一部展示中止をめぐり発足した「ReFreedom_Aichi」の記者会見直前、渦中にいる(または今も続く渦中の前半を生きる)田中功起への手紙。

艾未未のことば:雑感(2020年6月)
「艾未未のことば」責任編集の牧陽一が2020年4月に学生へ宛てた手紙と、昨年、艾未未がドイツを離れた背景を考察した文章を掲載。

艾未未のことば21:楊佳が上海の警察官を殺傷した事件をめぐる作品「ある孤独な者」に関する対話
艾未未が自分自身に大きな影響を与え、結果として一緒くたに巻き込まれることとなった語る、2008年に起きた楊佳事件を扱った映像作品『ある孤独な者』をめぐるインタビューを翻訳掲載。