ゲルハルト・リヒター @ 豊田市美術館


ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ》2014年 [CR 937/1-4] 油彩、キャンバス ゲルハルト・リヒター財団 ドレスデン・アルベルティヌム美術館での展示風景(2015年)Photo: David Brandt, courtesy Gerhard Richter Archive, Dresden ©️Gerhard Richter 2022 (07062022)

 

ゲルハルト・リヒター
2022年10月15日(土)– 2023年1月29日(日)
豊田市美術館
https://www.museum.toyota.aichi.jp/
開館時間:10:00–17:30 入場は閉館30分前まで
休館日:月(1/9は開館)、12/28-1/4
展覧会URL:https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/gr_2022-23/
公式ウェブサイト:https://richter.exhibit.jp/

 

豊田市美術館では、現代美術における最も重要な画家のひとりと称されるドイツ出身のアーティスト、ゲルハルト・リヒターの近年の最重要作《ビルケナウ》をはじめ、60年におよぶ制作活動の中で手放さずに手元に置いてきた財団コレクションおよび本人所蔵作品を中心に構成した大規模個展を開催する。東京国立近代美術館からの巡回となる本展は、東京会場とは異なる配置、豊田会場でのみ展示される作品を加えた展示構成となる。

ゲルハルト・リヒター(1932年ドレスデン生まれ)は、ベルリンの壁が建設される直前の1961年に西ドイツに移住し、デュッセルドルフ芸術アカデミーに進む。コンラート・フィッシャーやジグマー・ポルケらと「資本主義リアリズム」と呼ばれる運動を展開するなかで、独自の表現を発表。1964年にミュンヘンのハイナー・フリードリッヒ・ギャラリー、デュッセルドルフのアルフレート・シュメーラ・ギャラリーで初の個展を開催。1972年にはドクメンタ5や第36回ヴェネツィア・ビエンナーレのドイツ館で個展を開催する。その後も1997年に第47回ヴェネツィア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞、複数回におよぶドクメンタへの参加をはじめ、国内外の数々の展覧会に参加。1999年にはドイツ連邦議会議事堂の巨大なインスタレーション、2007年のケルン大聖堂のステンドグラス制作など国家的なプロジェクトにも携わる。近年の主な個展に、ロンドン、ベルリン、パリを巡回した大規模回顧展『Panorama』(2011-2012)、ミュンヘンのレンバッハハウスでの個展『Atlas』(2013)、自ら展示構成を手がけたバーゼルのバイエラー財団美術館での個展(2014)、メトロポリタン美術館での大規模個展『Painting After All』(2020)などがある。日本国内では1997年に高松宮殿下記念世界文化賞を絵画部門で受賞し、ワコウ・ワークス・オブ・アートでの個展や上述した2005-2006の大規模個展などで作品を発表してきた。2015年には瀬戸内海の愛媛県にある豊島(とよしま)にパーマネントスペースを開設。2018年にはドレスデン美術館の「ゲルハルト・リヒター・アーカイブ」ディレクターのディートマー・エルガーによる『評伝 ゲルハルト・リヒター』(清水穣訳、原書は2002年)が美術出版社から刊行。2022年5月に出版された青土社の『ユリイカ2022年6月号』で特集が組まれている。

 


ゲルハルト・リヒター《アブストラクト・ペインティング》1992年 [CR 778-4] 油彩、アルミニウム 100×100 cm 作家蔵 ©️Gerhard Richter 2022 (07062022)


ゲルハルト・リヒター《アブストラクト・ペインティング》2017年 [CR 952-4] 油彩、キャンバス 200×250 cm 作家蔵 ©️Gerhard Richter 2022 (07062022)

 

1960年代の初期作品から最新作まで約140点で構成される本展の注目は、第二次世界大戦でのホロコーストを主題とする幅2メートル、高さ2.6メートルの作品4点で構成される巨大な抽象画《ビルケナウ》。リヒターは1960年代以降、ホロコーストという主題に何度か取り組もうと試みたものの、適切な表現方法を見つけられず、断念してきた。2014年に完成した本作の絵具の下層には、アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所で囚人が隠し撮りした写真を描き写したイメージが隠れている。本展では、この絵画とまったく同寸の4点の複製写真と、大きな横長の鏡の《グレイの鏡》とともに展示する。また、豊田会場では、2017年に絵画制作からの引退を公表していたリヒターが2022年5月にバーゼルのバイエラー美術館で発表して話題となった鮮やかな色彩の水彩作品の写真エディションを特別出品する。

 


ゲルハルト・リヒター《ムード(2022年1月7日(1))》2022年 写真 作家蔵 ©️Gerhard Richter 2022 (07062022)

 

同時期開催
未生の美-技能五輪の技
2022年10月15日(土)– 11月27日(日)
https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/%e6%9c%aa%e7%94%9f%e3%81%ae%e7%be%8e%ef%bc%8d%e6%8a%80%e8%83%bd%e4%ba%94%e8%bc%aa%e3%81%ae%e6%8a%80%ef%bc%88%e4%bb%ae%ef%bc%89-2-2-2/

コレクション展 反射と反転
2022年10月15日(土)– 2023年1月29日(日)
豊田市美術館 展示室4・5
https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2022_collection_%E2%85%A1/

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