愛すべき世界 @ 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

愛すべき世界
2015年12月20日(日)-2016年3月27日(日)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
http://www.mimoca.org
開館時間:10:00-18:00 入館は閉館30分前まで
休館日:12/25-12/31

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館では、鷹野隆大、丹羽良徳、ミヤギフトシ、森村泰昌の作品を紹介する展覧会『愛すべき世界』を開催している。企画は松村円(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館学芸員)。

各作家が自らの立つ場所を見つめ、そこにある課題を自分のものとして深く考えることから生み出してきた出品作品は、背を向けたくなるような問題が山積するなかで、これからも長くこころよく生きていくために、世界と真摯に向き合い、穏やかな変化の道筋を開こうとする姿勢を観客に提示する。そこには作品を通じて、観客自身が自らの現状を認識し、その現状をわずかずつでも変化させていく契機となり、未来の柔軟な社会へとつながる可能性が込められている。

丹羽良徳(1982年愛知県生まれ)は、あいちトリエンナーレや森美術館で発表した「日本共産党でカール・マルクスの誕生日会をする」(2013)のほか、明治・大正期のアナキスト大杉栄を取り上げた新作映像作品を出品。過去に支持されたものが現在も消えることなく、引き継がれ、受容されている様を知ることで将来の道しるべとする。丹羽と同じく、新作を発表するミヤギフトシ(1981年沖縄生まれ)は、2012年から継続するプロジェクト「American Boyfriend」の新作映像作品「花の名前」を発表する。神話や音楽を題材とした物語を通じて、アメリカ、日本、日本における沖縄の相関関係を暗示するとともに、個として男性同士の関係の結び方の有りようの可能性を探る。鷹野隆大(1963年福井県生まれ)は、98年から撮り続けている「毎日写真」の2015年1月から比較的最近までの都市風景を撮影した写真を展示する。淡々とした連なりが、その実、さまざまな出来事が包括し、日々逸らすことのないしぶとい視線は、それが社会の異変を察知する有効な手段であることを感じさせる。一方、森村泰昌(1951年大阪府生まれ)はヒットラーに扮した「なにものかへのレクイエム(独裁者を笑え/スキゾフレニック)」を出品。新しい時代を迎えるために歴史上の人物に扮して、20世紀の事象を検証する同作品は、いつの時代においてもその時点での現在および未来に警鐘を鳴らす。

会期中には、作家を講師に迎えたワークショップなども開催予定(決まり次第、公式ウェブサイトに掲載)。

関連企画
作家によるギャラリー・トーク※既に終了
鷹野隆大、丹羽良徳、ミヤギフトシ(予定、いずれも本展出品作家)
2015年12月20日(日)14:00-
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(3階展示室入口集合)
参加料:無料(要展覧会チケット)
申込不要

関連ワークショップ『写真を見る、写真を撮る』
講師:鷹野隆大
2016年1月30日(土)、1月31日(日)
各日ともに10:00-15:30〔途中休憩を含む〕
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館2階造形スタジオ及び美術館周辺
対象:中学生から大人まで
定員:各日8名
参加費:無料
※要申込、申込締切:2016年1月20日(水)必着
応募の詳細は、公式ウェブサイトを参照。

キュレーターズ・トーク
松村円(本展担当キュレーター)
日時:会期中の日曜日(12/20はのぞく)14:00-
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(1階受付前集合)
参加料:無料(要展覧会チケット)
申込不要

※上記以外の関連イベントは、美術館公式ウェブサイトを参照。

同時開催常設展
猪熊弦一郎展 ハワイ時代の変遷
2015年12月20日(日)-2016年3月27日(日)

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