中園孔二《無題》2012年 東京都現代美術館蔵 Photo by Kenji Takahashi ©Koji Nakazono, Nakazono Family; courtesy of Tomio Koyama Gallery
中園孔二 ソウルメイト
2023年6月17日(土)-9月18日(月・祝)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
https://www.mimoca.org/
開館時間:10:00–18:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし7/17、9/18は開館)、7/18
担当キュレーター:竹崎瑞季(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館学芸員)
展覧会URL:https://www.mimoca.org/ja/exhibitions/2023/06/17/2829/
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館では、25歳という若さで亡くなった中園が生前最後の日々を過ごした香川県において、約200点の作品を一堂に紹介する過去最大規模の個展「中園孔二 ソウルメイト」を開催する。「ソウルメイト」とは、中園が日々の思いや考えなどを書き留めていたノートの中にくり返し出てくる言葉であり、彼が必要としていた「となりで一緒になって見てくれる誰か」、すなわち自身の世界観や感性をわかちあう親密なる存在という意味で用いている。本展では、中園が混沌とした現代社会で「ソウルメイト」を希求し、その根源的な孤独を昇華するかのように表した夥しい数の絵画を紹介する。
中園孔二(1989-2015/神奈川県生まれ)は、高校2年生の2006年に美術の道を志すようになり、亡くなるまでの約9年の間に膨大な数の絵画作品を描いた。卓越したセンスによって描かれた絵画の数々は、彼個人の内的必然性に基づくものであるとともに、現代社会の過剰なイメージの奔流をも思わせる。本展では、絵画を網羅的に紹介するとともに、インタビュー映像やイメージの源泉が伺えるドローイング、蔵書などの資料も併せて紹介し、その創作活動の謎に迫る。中園は2012年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業後、関東を拠点としたのち、瀬戸内をのぞむ香川県の土地柄に魅かれ2014年末に移住。高松市内の住居とアトリエで制作活動を行なっていたが、翌年の2015年7月、瀬戸内海沖で行方不明となり、25歳の若さで生涯の幕を閉じた。主な個展に「中園孔二展」(小山登美夫ギャラリー、東京、2013)、「中園孔二展 外縁—見てみたかった景色」(横須賀美術館、神奈川、2018)など。主なグループ展に「絵画の在りか」(東京オペラシティアートギャラリー、2014)、「NEW VISION SAITAMA 5 迫り出す身体」(埼玉県立近代美術館、2016)、「Japanorama: A new vision onart since 1970」(ポンピドゥー・センター・メス、フランス、2017)など。
中園孔二《無題》2015年 東京都現代美術館蔵 Photo by Kenji Takahashi ©Koji Nakazono, Nakazono Family; courtesy of Tomio Koyama Gallery
中園孔二《無題》2013年 sasanao蔵 Photo by Kenji Takahashi ©Koji Nakazono, Nakazono Family; courtesy of Tomio Koyama Gallery
本展では、中園の作品や制作活動を5つのアプローチから紹介し、多彩な表現の特質やそれらが生まれるところの背景などを読み解く。「多層の景色」では、視点を変えることでいくつもの景色が浮かび上がる、複雑なレイヤー構造をもった大型の絵画作品を展示。「無数の景色」では、ドローイングのように即興的に描いた多くの小型の作品を中心に、画材や描き方を自在に使い分けた、多彩なバリエーションの絵画作品を一堂に紹介。「ひとびと」では、作品の中に代わる代わる現れる「ひと」のようなイメージに焦点を当てる。「イメージの源泉」では、スケッチブックやノートに描き留めていた夥しい数のドローイングやコマ割り漫画などの資料から、中園の内側から次々と湧き出てくるかのようなイメージの源泉を辿る。「場所との約束」では、香川県高松市で暮らしていた頃に描いた作品や、庵治石の産地として知られる庵治半島にあった倉庫を利用したアトリエの様子など、香川での制作活動について紹介する。
中園孔二《無題》2015年頃 高松市美術館蔵 Photo by Kenji Takahashi ©Koji Nakazono, Nakazono Family; courtesy of Tomio Koyama Gallery
関連イベント
オープニング・トーク 中園孔二(晃二)のこと
2023年6月17日(土)15:00–(開場14:30)
出演:中園雅勝・中園信子(中園孔二ご家族)、小山登美夫(小山登美夫ギャラリー代表)、竹崎瑞季(本展担当キュレーター)
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 2階ミュージアムホール
定員:170名
※申込不要・参加無料
親子でMIMOCAの日
2023年7月8日(土)、7月9日(日)各日10:00–18:00(入館は閉館30分前まで)
高校生以下または18歳未満の観覧者1名につき、同伴者2名まで観覧無料。