山本高之「どんなじごくへいくのかな、東京」2014年
ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界
2014年5月31日(土)-8月31日(日)
森美術館
http://www.mori.art.museum/
開館時間:10:00-22:00(火曜は17:00まで)入館は閉館30分前まで
会期中無休
森美術館では美術作品に表れる子どものイメージを通して、社会で起こっているさまざまな事象に注目するとともに、大人の常識や伝統の枠組みにとらわれない創造性と多様な感覚に迫る企画展『ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界』を開催する。
19世紀後半のニューヨークで貧しい移民の暮らしを取材したジェイコブ・A・リースは、英語が不自由な両親の橋渡しとしてさまざまな用務をこなす移民の子供たちを「ゴー・ビトゥイーンズ(媒介者)」と呼んだ。本展では、異なる文化の間、現実と想像の世界の間など、さまざまな境界を自由に行き来する「ゴー・ビトゥイーンズ」に注目し、その視点を通して世界を展望しようと試みる。
展覧会は「文化を超えて」、「自由と孤独の世界」、「痛みと葛藤の記憶」、「大人と子どものはざまで」、「異次元を往来する」といった5つのセクションで構成され、照屋勇賢は沖縄のヤンバルの森を舞台にした新作インスタレーション、山本高之は東京で開催した「地獄」のワークショップ作品を本展のための新作として発表する。また、2012年にグッゲンハイム美術館にて回顧展を開催したリネカ・ダイクストラ、昨年から今年、来年にかけて日本国内の美術館での個展が続くフィオナ・タン、第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ企画展のほか、数多くの国際展で発表を続けるウォン・ホイチョン、昨年「自由と壁とヒップホップ」が日本公開となったスヘール・ナッファール&ジャクリーン・リーム・サッロームに加え、奈良美智の日本初公開作品、大規模な空間を利用したインスタレーションで知られる塩田千春、木村伊兵衛賞受賞作家の菊地智子による映像作品も出品される。そのほか、アメリカのフォトジャーナリズム黎明期を代表するジェイコブ・A・リースやルイス・W・ハインの19世紀末から20世紀初頭の写真、第二次世界大戦中にカリフォルニア州の日系人収容所を撮影した宮武東洋、戦後、混血孤児の養育施設エリザベス・サンダース・ホームを撮影した影山光洋の写真といった「歴史資料」も展示される。
Above: ウォン・ホイチョン「ああ、スルクレ わが町スルクレ」2007年 Courtesy: ESLITE GALLERY. Below: スヘール・ナッファール&ジャクリーン・リーム・サッローム「さあ、月へ」2011年.
会期中には、本展出品作家のテリーサ・ハバード/アレクサンダー・ビルヒラー、ウォン・ソンウォンのアーティストトークや、ジャン・オー、菊地智子、金仁淑らの参加するトークセッション、世界各地の子どもをテーマにした映画作品の上映、「社会」、「教育」、「アート」という角度から子どもをとりまく環境を考えるトークシリーズ、子どもを対象としたパブリックプログラムなど、さまざまな企画が予定されている。詳細はこちらを参照。
なお、本展覧会は森美術館のほか、名古屋市美術館、沖縄県立博物館・美術館、高知県立美術館を巡回する予定。
金仁淑[キム・インスク]「ひいおばあちゃんと私」(「SAIESEO(サイエソ):はざまから」シリーズより)2008年
2014年11月8日(土)-12月23日(火)
名古屋市美術館
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/
2015年1月16日(金)-3月15日(日)
沖縄県立博物館・美術館
http://www.museums.pref.okinawa.jp/
2015年4月5日(日)-6月7日(日)
高知県立美術館
http://www.kochi-bunkazaidan.or.jp/~museum/
カタカナ表記は主催者資料に基づく