『共に行動すること』 オノ・ヨーコ&リクリット・ティラバーニャ @ ASAKUSA


Yoko Ono and John Lennon Bed Piece (1969). Photograph. Courtesy the artists. © 1969 Yoko Ono Lennon.

『共に行動すること』
オノ・ヨーコ&リクリット・ティラバーニャ

2016年11月24日(木)-12月25日(日)
ASAKUSA
http://www.asakusa-o.com/
開廊時間:12:00-19:00(木曜は19:00-20:00)
休廊日:月、火、水、金
※クロージング・イベント:12月24日(土)18:00-20:00

ASAKUSAでは、構築された状況への介入、メディア・スペクタクルの転覆的な使用や、観衆に直接働きかける草の根の運動、ゲーム性への志向など、前衛芸術のさまざまな戦略で、その活動の概念的な地平を拡張してきたオノ・ヨーコとリクリット・ティラバーニャというふたりのアーティストによる二人展『共に行動すること』を開催する。

オノ・ヨーコは1933年東京生まれ。50, 60年代に観客や参加者との相互の関係性を重視したフルクサスに関わり、既存のジャンルに囚われない多彩な表現活動を展開してきた。1964年に発表した詩集「グレープフルーツ」は読者に内省的な行動をうながす内容で、代表作のひとつとして知られている。69年にはジョン・レノンとともにハネムーンを反戦のメッセージを捧げる手段として「Bed Piece」(1969)を発表。アムステルダムのヒルトンホテルの一室で、世界中から招かれた報道記者と議論し、マスメディアに強く訴えかけた。その後も一貫して愛と平和のメッセージを発信し続けている。

リクリット・ティラバーニャ(1961年ブエノスアイレスに生まれ)は、観客に料理を振る舞う作品をはじめ、観客が作品制作やその内容の一部を担う形で成立する「関係性の美学」のコンセプトで語られる代表的なアーティストのひとり。タイ、エチオピア、カナダ、アメリカなど、さまざまな環境で過ごした背景を持つティラバーニャは、2011年に自身が国籍を持つタイのチェンマイに帰省し、年老いたひとりの農夫の生活を追ったスーパー16mmで撮影した映画作品『Lung Neaw Visits His Neibours』を制作。本展に日本語版が発表される「Do not Ever Work(決して働くな)」は、ギー・ドゥボールの落書きを引用した作品で、今までに多言語に翻訳、発表されている。

本展では、ニコラ・ブリオーの『関係性の美学』(1998)が提示した視点に基づき、ふたりのイベントスコアや指示書を中心に、人々を日常の関係性のうえに繋ぎ、相互の交流と疎通を訴えてきた両者の作品において、「共に行動すること」の有効性を検証する。

会期中には、アーカスプロジェクトのレジデンスプログラムに参加中のイェン・ノー、昨年、ロンドンのホワイトキューブギャラリーで『グレープフルーツ』収録の「Fluxus event scores, Water」(1964 Spring)を再演した経験を持つ小林勇輝、ベルギーのP.A.R.T.S.でダンスを学んだ仁田晶凱らが、オノ・ヨーコへのトリビュート・パフォーマンスやティラバーニャの指示書レシピ(ハンス・ウルリッヒ・オブリスト編集『Do it: The Compedium』収録)の再演を行なう。


Rirkrit Tiravanija Lung Neaw Visits His Neighbors (2011). Super 16 mm video, color/sound, 154 mins. Courtesy the artist.

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