辰野登恵子《WORK 82-P-35》1982年 長野県立美術館
信州から考える 絵画表現の50年
2025年2月1日(土)-4月6日(日)
長野県立美術館
https://nagano.art.museum/
開館時間:9:00–17:00(展示室入場は閉館30分前まで)
休館日:水
展覧会URL:https://nagano.art.museum/exhibition/exhibit2024_painting
長野県立美術館では、第二次世界大戦が終わりを迎えた1945年から1995年までの50年間に制作された、長野県にゆかりのある作家の絵画作品を紹介する企画展「信州から考える 絵画表現の50年」を開催する。
前身の長野県信濃美術館から名称を変更し、2021年にリニューアルオープンした長野県立美術館は、県内唯一の県立美術館として県ゆかりの作家や地域に関連した事柄をテーマとした展覧会を開催してきた。戦前に制作された作品が同館コレクションの大多数を占めているが、リニューアルを機に新たに収集方針を設け、近代から現代へ続く体系的なコレクションの構築を目指している。これを契機に戦後に注目し、本展では、戦後50年間に表出した「絵画」 という基本的なメディアの変遷を草間彌生、辰野登恵子、根岸芳郎など、18名の作家による絵画作品63点を通じて、辿ろうとするものである。
松澤宥《プサイの意味―ハイゼンベルクの宇宙方程式に寄せて》1960年 長野県立美術館
丸田恭子《マイナスの質量》1995年 府中市美術館
本展では、1945年から1970年代前半までを第1章とし、既存の団体、社会などの枠組みの外側を目指した作家たちを紹介する。終戦後まもなく民主的な改革が進められ、復興を目指した高度経済成長の時代。多くの美術団体が再結成され、美術界全体が復活を果たしたかに見える一方、戦前からの既存の美術団体に属さず、読売新聞社主催の日本アンデパンダン展やギャラリーを中心に活動する「アンデパンダン作家」の活躍が目立った。この時代には、世界の文化の中心となったニューヨークへ渡る作家も現れ始めた。
1970年代後半から1995年までを扱う第2章では、絵画の内側を見つめなおした作家たちの表現を取り上げる。国際的には「ミニマル・アート」や「コンセプチュアル・アート」が流行し、国内では「もの派」などの表現が現れた時代。70年代後半からは、各地の美術館、商業画廊や貸画廊が台頭し、美術作品を発表する舞台が整い始めるとともに、企業による文化戦略も後押しをして、絵画や彫刻といった既成ジャンルの再評価が進んだ。そうした絵画復権の動きの中には、大都市を離れ地域に根差しながら、特に絵画の純粋化を意図するフォーマリズムによって立つことを志向した、一群の作家たちの活動があった。このような時代に生きた作家たちの模索の成果を展示する。
出品作家(五十音順)
池田満寿夫、オノサト・トシノブ、草間彌生、楠本正明、小松良和、小松崎広子、小山利枝子、髙見澤文雄、辰野登恵子、根岸芳郎、藤松博、堀内袈裟雄、堀内康司、松澤宥、丸田恭子、宮坂了作、母袋俊也、依田寿久
小山利枝子《光・誕生》1993年 長野県立美術館
小松良和《Land scape ’84 気流の音》1984年 個人蔵(長野県立美術館寄託)
根岸芳郎《99-11-7》1999年 長野県立美術館
関連イベント
アーティスト・トーク(本展出品作家)
①2025年2月9日(日)13:30-15:00
登壇:小山利枝子、丸田恭子
②2025年2月16日(日)13:30-14:30
登壇:根岸芳郎
③2025年3月1日(土)13:30-15:00
登壇:髙見澤文雄、宮坂了作
④2025年3月9日(日)13:30-14:30
登壇:母袋俊也
会場:長野県立美術館 本館3F レセプションルーム
参加料:無料(定員40名、当日先着順)
学芸員によるギャラリートーク
2025年2月23日(日)14:00-15:00
会場:長野県立美術館 展示室1・2・3
参加料:無料(要当日観覧券)
「みる」を考える つたえる・つながる筆談鑑賞
2025年2月22日(土)13:30-16:00頃(開場:13:00)
登壇:小笠原新也(耳が聞こえない鑑賞案内人)
会場:長野県立美術館 本館3F レセプションルーム、展示室1・2・3
参加料:無料(定員16名、要予約、申込先着順)
予約申込フォーム:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeZfLc63st9R1gxxgz3nx-03J-f1f1sIKrNcICYxwMH9q2xQg/closedform
申込期間:1月25日(土)9:00-2月20日(木)17:00