ソフィ・カル—最後のとき/最初のとき @ 豊田市美術館


「海を見る―微笑む女」(部分)2011年、ヴィデオインスタレーション ©Sophie Calle/ADAGP, Paris, 2015

ソフィ・カル—最後のとき/最初のとき
2015年10月10日(土)-12月6日(日)
豊田市美術館
http://www.museum.toyota.aichi.jp/
開館時間:10:00-17:30(※10/10-10/12は20:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、10/12、11/23は開館)

開館20周年を迎え、バリアフリー化を含む約一年間の改装工事を経た豊田市美術館は、リニューアル・オープン第一弾の企画展として写真と言葉を組み合わせた物語性の高い作品で知られるソフィ・カルの個展『ソフィ・カル—最後のとき/最初のとき』を開催する。企画は都筑正敏(豊田市美術館学芸担当長)。

ソフィ・カルは1953年パリ生まれ。制作をはじめた80年代前後に、初期は見知らぬ男を尾行した13日間を写真と文章で綴ったり、友人や見知らぬ人々を自分の部屋へ招待し、ベッドで眠る様子を撮影、インタビューしたり、自身の調査を母親経由で探偵に依頼し、その探偵が尾行する様子を捉えた写真など、執拗な好奇心に導かれた制作プロセスによる作品の発表。その後も親密な体験を主題としながらも、アイデンティティやコミュニケーション、記憶、知覚といった普遍的なテーマを一貫して扱っている。また、88年に発表した「ダブル・ゲーム」(1998)では小説家ポール・オースターがカルをモデルに描いた小説『リヴァイアサン』の登場人物マリア・ターナーを自分自身で演じるなど現代美術の枠組みを越えて注目を集める存在である。第52回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2007)をはじめとする国際展、世界各地の企画展に参加、テートギャラリーやポンピドゥー・センターといった各国の主要美術館で個展を開催している。日本国内でも原美術館や豊田市美術館で個展を開催、森美術館、水戸芸術館現代美術ギャラリー、京都国立近代美術館、東京国立近代美術館などの企画展に出品している。

豊田市美術館では2003年以来二度目の個展となる本展では、同美術館が所蔵する、生まれつき目の見えない人々に「美のイメージとは何か」を問いかけた「盲目の人々」(1986)のほか、人生の途中で視力を失った人にインタビューした「最後に見たもの」(2010)、生まれて初めて海を見る人々の表情をとらえた映像作品「海を見る」(2011)といった視覚や認識に関する作品を3部構成で紹介。「見ることとは何か」を静かに問いかける。

なお、本展のほか、豊田市美術館では『開館20周年記念コレクション展I:わたしたちのすがた、いのちのゆくえ ―この街の100年と、美術館の20年』(展示室8、美術館ギャラリー)、『牧野義雄』(展示室5)、『下道基行』(図書閲覧室)で同時開催する。

関連プログラム
記念講演「見えないことから見えるもの」
伊藤亜紗(東京工業大学リベラルアーツセンター准教授)
2015年11月28日(土)14:00-16:00
会場:豊田市美術館講堂
定員:172名

映画「Sophie Calle: Untitled」上映
監督/Victoria Clay Mendoza、英語版/日本語字幕付
2015年10月17日(土)15:00-16:00
2015年11月15日(日)15:00-16:00
2015年12月6日(日)15:00-16:00
会場:豊田市美術館講堂
定員:172名

ワークショップ「視聴覚交換マシンを体験しよう!」
アーティスト八谷和彦が開発した、自分と他人の視聴覚を交換する装置を体験。
2015年10月31日(土)13:00-16:00
定員:20組40名
対象:10歳以上(大人を含む)
※予約方法など詳細は公式ウェブサイトを参照。
※応募締切は10/17(土)、応募者多数の場合は抽選。

※上記以外の関連イベントは、美術館公式ウェブサイトを参照。

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