Experimental film culture vol.6 in Japan ~ポレポレオルタナティブ~ @ Space & Cafe ポレポレ坐


 

Experimental film culture vol.6 in Japan ~ポレポレオルタナティブ~
2025年3月20日(木・祝)-3月22日(日)
Space & Cafe ポレポレ坐
https://pole2za.com/
各回定員制(予約者優先)
主催:Experimental film culture in Japan(鈴木光、石川翔平、西澤諭志)
上映会URL:https://efcjp.info/experimental-film-culture-vol-6/

 

日本国内での上映機会が希少な映像作品を紹介し、オルタナティブな場所として活動する上映団体「Experimental film culture in Japan(EFCJ)」が、上映会「Experimental film culture vol.6 in Japan ~ポレポレオルタナティブ~」を東京・中野のSpace & Cafe ポレポレ坐にて3日間にわたって開催する。6回目となる今回は、8つのプログラムで15作品を上映する。

EFCJは、あらゆる形態の映像作品を上映する実験の場の提供を目的に、「劇映画」「ドキュメンタリー」「実験映像」「美術作品としての映像」など、出品者の依拠するジャンルや国籍が多様になるようプログラムを選定し、過去5回にわたって上映会を行なってきた。また、独自に海外作品の上映許可を取り付け、字幕制作まで行なうことで、今後継続的に国内で上映されていくための環境整備の役割も担っている。

 


ナイーム・モハイエメン《JOLE DOBE NA (THOSE WHO DO NOT DROWN)》2020年


石川多摩川《目の奥に 2023-2024(仮)》2025年


西澤諭志《世界無名戦士之墓(仮)》2025年

 

初日となる3月20日はナイーム・モハイエメン、EFCJのメンバーである鈴木光石川多摩川(翔平)西澤諭志によるそれぞれの新作のラフカット、2022年のエッセイフィルムに関する展示をアップデートした竹内均玄宇民伊阪柊による作品を上映。 モハイエメンの《JOLE DOBE NA (THOSE WHO DO NOT DROWN)》(2020)は、失われた魂を廃墟で探すふたりを主人公としたインド映画で、同作品はヨコハマトリエナーレ2020にも出品された。竹内の《Journey of Self-care》(2022/2024)はセルフケアに対する展望をひらくため、沖縄の彫刻家の語りから自らの話法の生成を試みた。また、《残像旅行》(2024)において玄は韓国の軍事政権失脚からソウルオリンピックが開催された1988年までの期間を作家、作家の父、母の3者視点で語り、記録している。伊坂の《The Spicule》(2024)はオランダで制作した環境との創作的インタラクションをテーマとしている。

 


玄宇民《残像旅行》2024年


伊阪柊《The Spicule》2024年


池田泰教《7 x 7》2004年

 

3月21日は、モハイエメン作品の再上映に加え、池田泰教による3つの作品を上映。49日間のドキュメンタリー《7 x 7》(2004)、栃木県益子町の震災前後の状況を撮影した《3PORTRAITS & JUNE NIGHT》(2009-2014)、そして2012年に画廊FullMoonで実施された濱地潤一によるパフォーマンスを収録し、編集した《《埋没する3つのbluesに捧げるcondensed music》ビデオドキュメント》(2012)など、東京でのまとまった池田作品の紹介は初となる。

 


イヴォンヌ・レイナー《特権》1990年


劇団PuP《sed bedaŭrindege ni ne povis savi iliajn vivojn (だが極めて残念なことに我らは彼らの命を救うことができなかった)》2022年


前田真二郎《BYT 2008-2024 BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW》2025年

 

最終日の3月22日は、ダンサー、振付家でありながら1970年代から映画制作を始めたイヴォンヌ・レイナー、持田睦主宰の劇団PuP(Panthea und Pausanias)、前田真二郎の作品を上映。レイナーの《特権》(1990)は、更年期およびそれを取り巻く医学的または社会的な神話と数々の現実を描いた実験的な長編映画。PuPは戦前に獄死したアナキストたちの死地に俳優と訪れ、彼らの生涯を綴ったエスペラント語のテキストを朗読した《sed bedaŭrindege ni ne povis savi iliajn vivojn (だが極めて残念なことに我らは彼らの命を救うことができなかった)》(2022)と、およそ日常では聞き慣れない明治社会主義運動の中で出版された新聞のテキストを、ワークショップ参加者が朗読を通じて習得していく様子を収めた《「熊本評論社」訪問》(2024)の2作品。前田は自作の指示書を元に映画製作を複数の作家に呼びかけ、ネットで公開したプロジェクト「BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW」から、12本をセレクトしまとめた《BYT 2008-2024 BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW》(2025)を公開する。

 

タイムテーブル
2023年3月20日(木・祝日)
13:00-|ナイーム・モハイエメン《JOLE DOBE NA (THOSE WHO DO NOT DROWN)》(上映64分)
15:00-|鈴木光作品、石川多摩川《目の奥に 2023-2024(仮)》、西澤諭志《世界無名戦士之墓(仮)》(上映60分+トーク30分)
17:00-|竹内均《Journey of Self-care》、玄宇民《残像旅行》、伊阪柊《The Spicule》(上映90分+トーク60分)

2023年3月21日(金)
17:30-|ナイーム・モハイエメン《JOLE DOBE NA (THOSE WHO DO NOT DROWN)》(上映64分)
19:00-|池田泰教《7 x 7》、《3PORTRAITS & JUNE NIGHT》、《《埋没する3つのbluesに捧げるcondensed music》ビデオドキュメント》(上映120分+トーク30分)

2023年3月22日(土)
13:00-|イヴォンヌ・レイナー《特権》(上映103分+レクチャー&トーク:白尾芽×ダンサー・神村恵 70分)
16:30-|劇団PuP《sed bedaŭrindege ni ne povis savi iliajn vivojn (だが極めて残念なことに我らは彼らの命を救うことができなかった)》、《「熊本評論社」訪問》(上映37分+トーク:PuP×西澤諭志 60分)
18:30-|前田真二郎《BYT 2008-2024 BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW》(上映67分+トーク30分)

 

 

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