須藤玲子:NUNOの布づくり @ 水戸芸術館現代美術ギャラリー


 

須藤玲子:NUNOの布づくり
2024年2月17日(土)-5月6日(月)
水戸芸術館現代美術ギャラリー
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/
開館時間:10:00–18:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌火曜日)
企画:高橋瑞木(CHAT館長兼チーフキュレーター)
企画担当:後藤桜子(水戸芸術館現代美術センター学芸員)
展覧会URL:https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5252.html

 

水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、テキスタイルデザイナー須藤玲子と、須藤が率いるテキスタイルデザイン・スタジオ「NUNO」の活動を紹介する展覧会「須藤玲子:NUNOの布づくり」を開催する。本展は、2019年に香港のCHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)で企画・開催され、その後ヨーロッパ各地を巡回。日本国内では、昨年の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に次いで、須藤とゆかりのある茨城県での開催となる。

須藤玲子(1953年茨城県生まれ)は、1983年にテキスタイルデザイン・スタジオ「NUNO」を立ち上げ、日本の伝統的な染織技術と現代の先端技術を組み合わせ、従来にない素材をテキスタイルに取り入れ、また産業の持続可能性にも目を向けるなど、デザインディレク ターとして創造性と実用性に富んだテキスタイルを生み出してきた。2022年には、土着の伝統に根ざしながら独創的な芸術を創造している芸術家を顕彰する円空大賞を受賞。その作品は、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン 美術館、ボストン美術館、ロサンゼルスカウンティ美術館、ヴィクトリア・ アンド・アルバート博物館、東京国立近代美術館に収蔵されるなど国際的な評価も高い。

 


須藤玲子&アドリアン・ガルデール《こいのぼり》2008/2019年(部分)展示風景:「Sudo Reiko: Making NUNO Textiles」CHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile) Hong Kong、2019-2020 ©CHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile) Hong Kong


《糸乱れ筋》に用いられるニードルパンチ機(部分)展示風景:「Sudo Reiko: Making NUNO Textiles」CHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile) Hong Kong、2019-2020 ©CHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile) Hong Kong

 

完成したテキスタイルではなく、デザインの源泉や制作過程からテキスタイルデザインに注目する本展は、日本各地の職人、工場との協働作業や、素材の可能性を広げるその取り組みについて、普段は見ることのできない布づくりの舞台裏を豊富な資料やマルチメディア・インスタレーションで展観。NUNOの活動を包括的に伝える展示内容に加え、同館の空間を活かした大型インスタレーションを展開し、見る人の楽しい気持ちや好奇心をくすぐる、テキスタイルのもつ多彩な可能性に注目する。

須藤が自らの創作を支え、後押ししてきた日本の染織技術の素晴らしさを多くの人に届けるかたちとして考案した、大空間を泳ぐ、色とりどりのNUNOオリジナルテキスタイルを用いたインスタレーション「こいのぼり」も、磯崎新設計の同館現代美術ギャラリーと広場で展開。本展に向け、水戸藩に由来する染色技法「水戸黒」の再生に取り組む水戸市内の職人とともに、特別なこいのぼりの制作にも取り組んでいる(制作協力:大谷屋染工場)。会期中には、須藤とCHAT館長兼チーフキュレーターの高橋瑞木によるオープニング・トークや、NUNOのテキスタイルを使った複数のワークショップなどを開催。同時開催の「高校生ウィーク2024」でも、手を動かしながら本展出品作品の着想源に親しむドロップイン&ワークショップを実施する。

また、同じく同時開催のクリテリオムでは、二次元と三次元の領域と日常との関係性を、デジタルとアナログの観点から考察し作品を制作する沼田侑香(1992年千葉県生まれ)を現代美術ギャラリー第9室で紹介する。本展では、国内外の移動を伴う自身の経験と、デバイスの普及によってさらに身近となったゲームの世界観から着想を得て、展示室内をホテルの一室に見立てた空間に変容。コラージュされたイメージの集積、アイロンビーズを用いた独特の手法を駆使したインスタレーションを通じて、現実とデジタル世界の乖離や重なりについて問いかける。

 


展示風景:「Sudo Reiko: Making NUNO Textiles」CHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile) Hong Kong、2019-2020 ©CHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile) Hong Kong


展示風景:「MAKING NUNO: Japanese Textile Innovation from Sudo Reiko」Japan House London、2021 ©Japan House London

 

関連イベント
オープニング・トーク
2024年2月17日(土)13:30–15:00(開場:13:00)
講師:須藤玲子(出品作家)、高橋瑞木(CHAT館長兼チーフキュレーター)
会場:水戸市民会館大会議室
定員:100名(先着順)

NUNO・アット・ハート♡
2024年3月9日(土)11:00– / 15:00-
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー ワークショップ室
定員:各回20名(先着順、要申込)
対象:小学生以上
料金:500円(別途入場料)
※申込受付は2/17(土)から公式ウェブサイトにて。

つぎつぎ布ワークショップ
2024年4月20日(土)11:00–15:00
講師:須藤玲子
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー ワークショップ室
定員:各回30名(4月1日申込〆切。申込多数の場合は抽選)
対象:どなたでも(小学校2年生以下は要保護者同伴)
※申込受付は2/17(土)から公式ウェブサイトにて。

1/5こいのぼりをつくろう
2024年4月28日(日)13:00–
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー ワークショップ室
定員:10名(4月1日申込〆切。申込多数の場合は抽選)
対象:小学生以上(小学校2年生以下は要保護者同伴)
料金:4,000円(料金に入場料を含む)
※申込受付は2/17(土)9:30から公式ウェブサイトにて。

担当学芸員によるギャラリーツアー
2024年3月17日(日)、4月14日(日)14:30–(約60分)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー

ウィークエンド・ギャラリートーク
2024年3月2日(土)より毎週土曜 各日14:30–(予告なく中止となる場合あり)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー

 


同時開催
クリテリオム100 沼田侑香
2024年2月17日(土)-5月6日(月)
水戸芸術館現代美術ギャラリー第9室
企画担当:畑井恵(水戸芸術館現代美術センター学芸員)
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5253.html

 


沼田侑香《Utopia》2018年 「世界の砂を露で洗う」(讃州井筒屋敷および引田地区周辺、香川)での展示風景 撮影:川越健太


沼田侑香《Living room》2022年 東京藝術大学修了展(東京)での展示風景 撮影:松尾宇人

 

造形実験室
2024年2月22日(木)、2月23日(金・祝)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー ワークショップ室
料金:無料
※予約不要

高校生ウィーク2024
2024年3月3日(日)-4月7日(日)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー ワークショップ室
料金:展覧会入場料に含む
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5309.html

 


巡回予定
須藤玲子:NUNOの布づくり
2023年10月8日(日)-12月10日(日) ※既に終了
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
https://www.mimoca.org/ja/exhibitions/2023/10/08/2799/

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