ミヤギフトシ『音と変身/Sounds, Metamorphoses』@ 愛知芸術文化センター12階アートスペースA


ミヤギフトシ『音と変身/Sounds, Metamorphoses』2020年、愛知芸術文化センター・愛知県美術館オリジナル映像作品第29作

 

ミヤギフトシ『音と変身/Sounds, Metamorphoses』
2020年10月3日(土)
愛知芸術文化センター12階アートスペースA
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/000310.html
開映時間:13:30(開場:13:00)
定員:180名(先着順)、無料

 

2020年10月3日、愛知芸術文化センター・愛知県美術館オリジナル映像作品として制作されたミヤギフトシの新作映像作品『音と変身/Sounds, Metamorphoses』(2020)が、愛知芸術文化センター12階アートスペースAで初公開される。

ミヤギフトシ(1981年沖縄県生まれ)は、自身の記憶や体験に向き合いながら、国籍や人種、アイデンティティといった主題を扱った表現で知られる。20歳のときに渡米し、ニューヨーク市立大学で写真を学びながら、アートブックショップのプリンテッドマターに勤務しながら制作活動をはじめる。近年の主な展示に、『American Boyfriend: Bodies of Water』(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、堀川団地、京都、2014)や『How Many Nights』(ギャラリー小柳、2017)での個展、『他人の時間』(東京都現代美術館、国立国際美術館、シンガポール美術館、クイーンズランド州立美術館、2015-2016)、日産アートアワード2015、あいちトリエンナーレ2016、『六本木クロッシング2016:僕の身体(からだ)、あなたの声』(森美術館)、『小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家 vol.15』(東京都写真美術館、2018)、『予兆の輪郭』(国立新美術館、2019)などがある。現在は東京を拠点に活動し、アーティストランスペースXYZ collectiveの共同ディレクターも務め、2019年には初の小説『ディスタント』(河出書房新社)を出版するなど、多彩な活動を展開している。

愛知芸術文化センター・愛知県美術館オリジナル映像作品の第29作目の制作作家となったミヤギフトシは、あいちトリエンナーレ2016に参加した際に発表した映像インスタレーション《いなくなってしまった人たちのこと/The Dreams that have Faded》(2016年)の続編として、新作映像作品『音と変身/Sounds, Metamorphoses』(2020、58′13″)を制作。本作は、16世紀にヨーロッパに渡り帰国した最初の日本人とされる「天正遣欧少年使節」を主なモチーフに、第二次世界大戦後初のフランスへの留学生となった作家の遠藤周作のエピソードや、沖縄出身のミヤギ自身がアメリカに留学した体験などが重ねられる。天正遣欧少年使節は、帰国後に豊臣秀吉に謁見し西洋音楽を演奏したとも伝えられているが、そこで演奏された曲については諸説あり、ミヤギは本作において、この音楽への探究も試みている。

愛知芸術文化センター・愛知県美術館は、開館以来1年1本のペースでオリジナル映像作品の制作を委嘱している。山城知佳子の『創造の発端―アブダクション/子供―』(2015)、田村友一郎の『アポロンの背中』(2016)、草野なつかの『王国(あるいはその家について)』(2017)、小森はるかの『空に聞く』(2018)、小田香の『セノーテ』(2019)など、過去の委嘱作品も愛知県美術館での初公開を経て、国内外の展覧会や映画祭で発表されている。

 


ミヤギフトシ『音と変身/Sounds, Metamorphoses』2020年、愛知芸術文化センター・愛知県美術館オリジナル映像作品第29作

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