『東京計画2019』vol.2 風間サチコ @ ギャラリーαM


風間サチコ「ディスリンピック2680」2018年 Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

 

『東京計画2019』vol.2 風間サチコ
2019年6月1日(土)-7月13日(土)
ギャラリーαM
http://gallery-alpham.com/
開廊日時:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝
ゲストキュレーター:藪前知子(東京都現代美術館学芸員)
※アーティストトーク:6/1(土)18:00-19:00、オープニングパーティー:6/1(土)19:00-

 

ゲストキュレーターに東京都現代美術館の藪前知子を迎えて、毒山凡太朗の個展ではじまったαMプロジェクト2019『東京計画2019』。毒山に続く第2弾として、社会的事象をユーモアと機知に富んだ形で表現した、黒一色による木版画で知られる風間サチコの個展が開催される。

風間サチコ(1972年東京都生まれ)は、現在起きている現象の根源を過去に探るべく、古書研究などを含む独自のリサーチを徹底した上で、未来に垂れ込む暗雲を予兆させるフィクションの世界をつくりだす。昨年の原爆の図 丸木美術館の個展では、4年もの構想期間をかけてリサーチに取り組み、優生思想の持つディストピア的な理想の国家のイメージを自身過去最大となる縦2.4m、横6.4mの巨大な木版画「ディスリンピック2680」(2018)として発表した。東京オリンピック・パラリンピック開催を控える近年は、同展のみならず、府中市美術館での公開制作『たゆまぬぼくら』(2016)などで、ロサンゼルスオリンピックにおける馬術競技の金メダリストで、のちに硫黄島で戦死した西竹一と、近代オリンピックの象徴、近代五種のイメージを融合した「近代五種麿」を描いた作品や、日本のスポーツ文化や体育教育にあふれる精神論的な健康至上主義が、戦前から続く近代合理主義の徹底と結びついているという批評的な視点を持った作品を継続的に発表している。

風間は1996年に武蔵野美術学園版画研究科を修了し、90年代より国内外の数多くの展覧会で作品を発表してきた。近年の主な展示には、『The Long Story』(クイーンズランド州立美術館、2018)、ヨコハマトリエンナーレ2017、光州ビエンナーレ2016、2015アジアン・アート・ビエンナーレ(国立台湾美術館)、『六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト』(森美術館)がある。2016年には公益財団法人日本文化藝術財団の「第8回創造する伝統賞」を受賞。昨年、約20年の画業をまとめた『予感の帝国 風間サチコ作品集』(朝日出版社)を出版した。また、今年3月には、東京都とトーキョーアーツアンドスペース(公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館)が、海外での展開も含め、更なる飛躍とポテンシャルが期待できる国内の中堅アーティストを対象に創設した現代美術の賞Tokyo Contemporary Art Awardの第1回の受賞者のひとりに選出されている。

 


風間サチコ「風雲13号地」2005年 Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production


風間サチコ「点景H.L新宿中央公園」2008年 Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production

 


 

αMプロジェクト2019『東京計画2019』(企画:藪前知子)

vol.1|毒山凡太朗
2019年4月6日(土)-5月18日(土)※特別休廊:4/28-5/6
vol.2|風間サチコ
2019年6月1日(土)-7月13日(土)

vol.3|Urban Research Group
2019年7月27日(土)-9月14日(土)※夏季休廊:8/11-8/19
vol.4|ミルク倉庫+ココナッツ
2019年9月28日(土)-11月9日(土)
vol.5|中島晴矢
2019年11月30日(土)-2020年1月18日(土)※冬季休廊:12/26-1/6

αM+(アルファエムプラス)
国立奥多摩美術館
2020年2月1日(土)-3月14日(土)

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