αMプロジェクト2023‒2024


design:岡田和奈佳

 

武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス内に拠点を移したgallery αMは、2023、2024年度のαMプロジェクトのゲストキュレーターに美術家・美術批評家の石川卓磨を迎えて、「開発の再開発」をテーマに8つの展覧会を開催する。

αMプロジェクトでは、「ジャンルを問わず質の高い表現と可能性を有するアーティストに作品発表の機会を提供すること」、「社会に斬新な価値を発信できるキュレーターに展示企画の場を提供すること」のふたつをコンセプトに、武蔵野美術大学の教員により構成される運営委員会が選定したゲストキュレーターが、1〜2年の任期で年間5~7回程度の展覧会を企画してきた。

市ヶ谷への移転後最初のゲストキュレーターに抜擢された美術家・美術批評家の石川卓磨(1979年千葉県生まれ)。石川は、写真や映像という媒体を批評的に捉え直しながら、フィクションとノンフィクションが浸潤しあう特殊な造形メディアとしてのカメラの可能性を追求し、TALION GALLERYや青森公立大学 国際芸術センター青森(2016)での個展のほか、「部屋と庭 隔たりの形式」(武蔵野美術大学美術館 展示室1、2020)、「雲をつかむできごと」(switch point、東京、2018)、第9回恵比寿映像祭(東京都写真美術館、2017)などで作品を展示。2006年にはαMプロジェクト「生命の部屋」でも個展を開催している。執筆活動においては、「中﨑透 フィクション・トラベラー」(水戸芸術館現代美術センター、2022)や「丸亀での現在」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2022)の展覧会図録、Tokyo Art Beatや月刊アートコレクターズなどで論考を発表。また、芸術・文化の批評、教育、製作などを行なう研究組織「蜘蛛と箒」も主宰している。

αMプロジェクト2023‒2024において、石川は「開発の再開発」をテーマに、平山昌尚、近藤恵介、Sabbatical Company、松平莉奈、奥村雄樹、片山真妃、大石一貴、Multiple Spiritsの展覧会を企画。「気候変動、感染症、戦争、自然災害、テクノロジーなどによって、永続すると信じられていた日常が大きく変動し、将来の予測が困難な激動の時代」に、「社会に直接関与しようとするアートのアプローチに限定せず、造形的表現や美術史においても、この時代を乗り越えるための新しい認識や方法へのアップデートが重要だと」捉え、「新しさ」を伴う開発という概念自体の批判的な再開発を試みる。

 

 


αMプロジェクト2023‒2024 開発の再開発(ゲストキュレーター:石川卓磨)

vol.1|平山昌尚
2023年5月20日(土)-7月15日(土)
vol.2|近藤恵介
2023年7月29日(土)-10月14日(土)※夏季休廊:8/13-8/28
vol.3|Sabbatical Company
2023年10月28日(土)-12月23日(土)
vol.4|松平莉奈
2024年1月20日(土)-3日16日(土)
vol.5|奥村雄樹
2024年4月13日(土)-6月15日(土)
vol.6|片山真妃
2024年6月29日(土)-9月7日(土)※夏季休廊:8/11-8/26
vol.7|大石一貴
2024年9月21日(土)-11月16日(土)
vol.8|Multiple Spirits
2024年11月30日(土)-2025年2月8日(土)※冬季休廊:12/22-1/6

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