新刊発売のお知らせ 田中純/ゲルハルト・リヒター

[新刊]

 

2022年10月15日発売

ワコウ・ワークス・オブ・アート テキストシリーズ第8弾

田中純 著

「かげ(シャイン)」の芸術家 

ゲルハルト・リヒターの生政治的アート

(*「かげ」にルビで「シャイン」)

 

 

税込価格:1,980円

ISBN:978-4-902070-55-2

19 x 13 cm

128ページ(カラー図版7点)

 

著者:田中純

校正:森かおる(p.13-119)

エディトリアルデザイン:森大志郎

印刷・製本:株式会社サンエムカラー

発行:ワコウ・ワークス・オブ・アート

 

思想史学者の田中純(東京大学大学院総合文化研究所教授)によるゲルハルト・リヒターの作品論4編を収録。リヒターの制作史で重要な3つのシリーズ《アトラス》《1977年10月18日》《ビルケナウ》をイメージ論の観点から考察しながら、リヒター作品を生政治的なアートとして紐解いていく。本書で言及される2014年の抽象絵画《ビルケナウ》は、作家が「私が最終的に片付けねばならない負い目」と語った主題であるアウシュビッツ強制収容所をテーマにした4連作で、2022年に東京国立近代美術館と豊田市美術館で開催した『ゲルハルト・リヒター展』で日本で初公開された。森大志郎デザインによるワコウ・ワークス・オブ・アートのテキストシリーズ第8弾。

 

 

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テキストシリーズはワコウ・ワークス・オブ・アート発行のおなじみのシリーズで、日本語での紹介が少ない海外の現代芸術家の評論を独自に編集して出版しています。

このテキストシリーズの第一弾は2010年に発売され、同じくゲルハルト・リヒターがテーマの『アトラス』という本でした。(現在は絶版)当時はまだ少なかったリヒターにまつわる日本語の文献も、最近は数多く読めるようになってきています。そんな2022年にリヒターと30年間を歩んできたワコウ・ワークス・オブ・アートが発売する本著は、リヒターが生涯を掛けて取り組む「イメージ」が内在しているものを国内外の様々な論考と結びつけながら分析しながら、美術作品を通じて世界のありかたを考えていける一冊になっています。

著者の田中純氏はヨーロッパを中心とした文化史、比較思想史、表象文化論を専門に研究され、これまでにイメージと概念の歴史的・形態学的な考察を著書や論文として発表してこられました。現代思想としてのロック論も研究されており、デヴィット・ボウイにまつわる著作でご存知の方も多いと思います。

最新のリヒター論として、そしてこれからの現代芸術を読み解く豊かな一冊として、ぜひこの機会にご高覧ください。

*そもそもリヒターって誰でどんな事しているの、は

「評伝:ゲルハルト・リヒター」(独・英・邦の各国で出版)

で詳しく紹介されています。

 

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