鏡と穴-彫刻と写真の界面 vol.6 柄澤健介 @ ギャラリーαM


柄澤健介「深 [未] 景」2017年

鏡と穴-彫刻と写真の界面
vol.6 柄澤健介

2017年12月16日(土)-2018年2月3日(土)
ギャラリーαM
http://gallery-alpham.com/
開廊日時:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝、冬期休廊(12/23-1/8)
※アーティストトーク:12/16(土)18:00-19:00
オープニングパーティー:12/16(土)19:00-

キュレーター:光田ゆり(DIC川村記念美術館学芸員)

ギャラリーαMでは、DIC川村記念美術館学芸員の光田ゆりをゲストキュレーターに迎え、デジタル技術の発展によって変化する彫刻と写真の関係性の捉え直しを試みるαMプロジェクト2017『鏡と穴-彫刻と写真の界面』の第6弾として、柄澤健介の個展を開催する。

柄澤健介は1987年愛知県生まれ。2016年に金沢美術工芸大学大学院博士後期課程満期退学。現在は愛知県名古屋市を拠点に活動している。木や鉄、パラフィンワックスを組み合わせ、山や自然、身の回りの環境から得た体感的なものを彫刻へと凝縮した作品を制作している。2013年には『アートアワードトーキョー丸の内』で木幡和枝賞を受賞。2014年には金沢の私設図書館「山鬼文庫」で個展を開催し、翌2015年には北京のStar Galleryにて個展を開催。同年には、大阪のThe Three Konohanaで開催されたグループ展『OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR』に出品。昨年はミラノでフランチェスカ・リヴェッティとの二人展を、今年は愛知県立芸術大学サテライトギャラリーでクリストファー・カーツと村尾里奈とともに三人展を開催している。

光田は「彫刻のパースペクティヴ 柄澤健介-芯に光射す穴」と題した文章の中で、「柄澤健介は、木を彫り進め、掘った穴をパラフィンワックスで満たす。半透明で柔らかな素材が、作家の彫り取った木の失われた形を可視化する。彼が彫刻するとき型(mold)が生じ、塑像制作のような素材の置き換えが行われる。木材が実体であるなら、掘られた穴=型(mold)に置き換わるワックスは虚なのだろうか。あるいは彫り刻んだ像の「影」というべきだろうか。(中略)暗箱に差し込む光のように、木の奥まで届き触れようとする刃に沿ってワックスが流し込まれるとき、虚は物質になって自立する。実に影像的であるだろう」と記し、そこに新たな彫刻と写真との関係性を見つめている。

本展では、柄澤は見るともなく見ている風景に潜在するスケールを、彫刻という物質に再構成すること通じて、新たなスケールを備えた彫刻の可能性を探っていく。

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