富士ゼロックス版画コレクション x 横浜美術館『複製技術と美術家たち—ピカソからウォーホルまで』@ 横浜美術館


パウル・クレー「ホフマン的な場面」1921年、富士ゼロックス版画コレクション

富士ゼロックス版画コレクション x 横浜美術館
複製技術と美術家たち—ピカソからウォーホルまで
2016年4月23日(土)-6月5日(日)
横浜美術館
http://yokohama.art.museum/
開館時間:10:00-18:00 入館は閉館30分前まで
※5月27日(金)は20:30まで開館(入館は20:00まで)
休館日:木(5/5は無料開館)、5/6

展覧会担当: 中村尚明(横浜美術館主任学芸員)、坂本恭子(横浜美術館学芸員)、片多祐子(横浜美術館学芸員)

横浜美術館では、「複製技術」が発展・普及していく時代を通じて、ピカソやマティスをはじめ20世紀の欧米を中心とするアーティストが、どのようなビジョンのもとに制作活動を営んでいたのかを検証する展覧会『複製技術と美術家たち—ピカソからウォーホルまで』を開催する。

本展は、横浜を拠点とする富士ゼロックス株式会社と横浜美術館の双方のコレクションから厳選された、複製技術を用いた多様な作品と油彩画や彫刻など伝統的なメディアによる作品、約400点を5つの章立てで紹介する。写真発明以降の「複製技術」の発展、普及の一方、空間と色彩の新しい表現として現れたキュビスムやフォーヴィスムから、伝統的な美の概念を否定したダダ、抽象的な様式を確立して理想の社会を目指したバウハウスやロシア構成主義、無意識の探求により人間を解放しようとしたシュルレアリスム、第二次世界大戦後の大量消費社会を反映したポップ・アート、60年代にはじまるゼログラフィー(電子写真や複写技術)の普及から生まれた芸術生産まで、20世紀の欧米を中心とした美術史を「複製技術」という時代背景から再検討する。また、本展出品作品には、『複製技術時代の芸術作品』をはじめ、領域横断的な思想が現在もなお多大な影響力を持ち続けているヴァルター・ベンヤミンが、その著作で言及したアーティストの作品が数多く含まれる。

富士ゼロックス株式会社の版画コレクションは、「版画もしくはそれに類する手段で複数制作されたもので、その時代の精神や文化を表徴する作品」を指針として、1988年より、欧米と日本のアーティストによる版画、写真、コピー・アート、アーティストブックなどを収集している。現在約950点を擁する同コレクションは、2010年にみなとみらい21地区に新築された研究開発拠点ビル内の「富士ゼロックス・アートスペース」で定期的に展示されているが、約300点がまとまって展示されるのは本展が初めてとなる。また、本展に使用される音声ガイドや実施されるワークショップにも、富士ゼロックスの最新技術が活用されている。富士ゼロックス・アートスペースでは、現在、斎藤義重が1971年に制作した作品を展示している。


Above:アンリ・マティス「サーカス」(詩画集『ジャズ』より)1947年、富士ゼロックス版画コレクション. Below:戸村浩「Number of Stars Book A,B」2005年、富士ゼロックス版画コレクション © 戸村浩2016.

関連企画
トークセッション「富士ゼロックス版画コレクション その魅力と使命」
出演:横田茂(横田茂ギャラリー代表)
小林弘長(富士ゼロックス株式会社総務部)
中村尚明(横浜美術館学芸員)
2016年4月23日(土)15:00-16:30(開場:14:30)
会場:横浜美術館レクチャーホール
定員:240名(先着順)無料

アーティストトーク「ゼログラフィー・科学・美術・芸術」
出演:戸村浩(美術家、本展出品作家)
2016年5月3日(火、祝)15:00-16:30(開場:14:30)
会場:横浜美術館円形フォーラム
定員:80名(先着順)無料

ワークショップ「マックス・エルンストに学ぶ、コラージュ作品衆のつくり方」
講師:中村尚明(横浜美術館学芸員)
市民のアトリエ・エデュケーター
第1回|講義、コラージュ制作
2016年5月15日(日)13:00-16:30
第2回|写真製版(2班に分かれて制作)
2016年5月22日(日)A班 10:30-13:00/B班 14:30-17:00
第3回|作品受け取り、デジタル印刷見学、まとめ
2016年5月29日(日)13:00-15:00
会場:市民のアトリエ、企画展展示室、富士ゼロックスお客様価値創造センター
定員:16名(12歳以上)
参加費:3,000円
※事前申込、4月18日(月)必着、定員を上回った場合は抽選
詳細は公式ウェブサイトを参照

夜の美術館でアートクルーズ
2016年5月21日(土)19:00-21:00
定員:30名(18歳以上)、先着順
参加費:3,000円
※申込み等、詳細は公式ウェブサイトを参照

上記以外の関連企画は、公式ウェブサイトを参照。

斎藤義重展
2016年2月22日(月)-5月11日(水)
富士ゼロックス・アートスペース
http://www.fujixerox.co.jp/company/event/hanga/
開館時間:11:00-19:00 入館は閉館15分前まで
休館日:土、日、祝(ただし、4/23-5/8の土、日、祝は開館)

ミシェル・ビュトールと美術家たちのアーティストブック展(仮)
2016年5月13日(金)-7月末
富士ゼロックス・アートスペース

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