蔡國強展:帰去来 @ 横浜美術館


火薬ドローイング「遠行」2010年、(火薬・和紙・木製パネル、42枚組、作家蔵)の爆破(参考図版)Commissioned by the Museum of Fine Arts, Houston for the Ting Tsung and Wei Fong Chao Arts of China Gallery. Photo by I-Hua Lee, courtesy Cai Studio

蔡國強展:帰去来
2015年7月11日(土)-10月18日(日)
横浜美術館
http://yokohama.art.museum/
開館時間:10:00-18:00 入館は閉館30分前まで
※9/16(水)、9/18(金)は20:00まで
休館日:木

横浜美術館では、火薬を使用した絵画やインスタレーション、大規模なプロジェクトで知られ、ニューヨークを拠点に国際的な活動を続けるアーティスト、蔡國強(ツァイ・グオチャン)の個展『蔡國強展:帰去来』を開催する。

蔡國強は1957年中国福建省泉州生まれ。上海戯劇学院で舞台美術を学び、86年末から95年にかけて日本に滞在し、火薬の爆発を取り入れた作品を絵画作品から野外での大規模なプロジェクト、アースワークへと展開する。93年には中国嘉峪関で「万里の長城を1万メートル延長するプロジェクト」、翌94年には広島市中区の中央公園で原爆による核反応をテーマとした火薬を使った野外プロジェクトを実施。ニューヨークに拠点を移した95年にはネバダ核実験場を舞台に「キノコ雲のある世紀」を発表した。99年には初参加した第48回ヴェネツィア・ビエンナーレで、中国のプロパガンダ彫刻を参照した「Venice’s Rent Collection Courtyard」を発表し、国際金獅子賞を受賞。2005年にはヴェネツィア・ビエンナーレ初の中国館のキュレーターを務める。2008年には北京オリンピック・パラリンピック開閉会式視覚特効芸術監督を務め、近年はニューヨークのグッゲンハイム美術館をはじめとする世界各地の美術館で個展を開催している。
日本国内での発表機会も多く、美術館での展示や火薬を使ったプロジェクトのほか、第1回越後妻有アートトリエンナーレ(2000)や横浜トリエンナーレ2001、第4回福岡アジア美術トリエンナーレ(2009)、あいちトリエンナーレ2010、そして、先のPARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015など国際展にも参加している。また、2007年には第7回ヒロシマ賞、2009年には第20回福岡アジア文化賞、2012年には絵画部門で高松宮殿下記念世界文化賞を受賞するなど高い評価を受けている。

日本国内では7年振りの大規模個展となる本展では、横浜の歴史や「日本の美」を取材し、それらをテーマにした火薬ドローイングや、横浜美術大学と協働制作をするテラコッタによるインスタレーション、240枚の白い磁器製パネルからなるレリーフ作品のほか、日本初公開となる「壁撞き」を発表。中国の詩人・陶淵明の代表作「帰去来辞」を引用した展覧会タイトルは、現実を見つめ、己の正しい道に戻り、自然に身をゆだねる自由な精神を謳うもので、国際的に活躍する蔡が、アーティストとして自由な創作を開始した日本という原点に戻るという意味を有し、同時に人間としての原点への問いを示唆している。

関連イベントとして、蔡國強のアーティスト・トークのほか、親子を対象としたワークショップ、閉館後の美術館を館長の逢坂恵理子とともに鑑賞する企画「アートクルーズ」、中高生を対象とした森美術館と連携したワークショップを予定している。

なお、蔡國強は本展会期中に、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015の越後妻有里山現代美術館[キナーレ]特別企画展「蔡國強 蓬莱山—Penglai / Hõrai」、東京・代官山のアートフロントギャラリーでの個展も開催する。


「壁撞き」2006年、狼のレプリカ(99体)・ガラス、 サイズ可変、ドイツ銀行によるコミッション・ワーク The Deutsche Bank Collection Photo by Natasha Harth, QAGOMA, courtesy Queensland Art Gallery | Gallery of Modern Art

関連イベント
アーティスト・トーク
蔡國強
2015年7月11日(土)15:00-16:30(開場:14:30)
会場:横浜美術館レクチャーホール
定員:240名(要申込、先着順)
※申込多数のため、受付は既に終了。

蔡さんと子どもたち 「蔡國強さんといっしょにカラーテープで昼間の花火を描こう!」
蔡國強
2015年7月11日(土)10:00-12:00
定員:小学生とその保護者の親子 30組
※蔡國強が子どもたちに向けて作品の紹介をした後に、親子みんなで昼間の花火を描くワークショップ。
※申込みは公式ウェブサイトと往復はがきより(7/3必着、申込多数の場合は抽選)

そのほかの関連イベントは美術館公式ウェブサイトを参照。


「春夏秋冬」より (部分) 2014年、火薬・磁器、作家蔵 Commissioned by the Power Station of Art, Shanghai. Photo by Zhang Feiyu, courtesy Cai Studio

越後妻有里山現代美術館[キナーレ]特別企画展
「蔡國強 蓬莱山—Penglai / Hõrai」
2015年7月26日(日)-9月27日(日)
越後妻有里山現代美術館[キナーレ]
http://smcak.jp/
※大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2015のプロジェクトとして開催

蔡國強 個展
2015年7月28日(火)-9月6日(日)
アートフロントギャラリー
http://artfrontgallery.com/
※オープニングレセプション:7月27日(月)18:00

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