「ベラスケス頌:選ばれし幽閉者」2013年
森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る
2013年9月28日(土)-12月25日(水)
資生堂ギャラリー
http://group.shiseido.co.jp/gallery/
開館時間:11:00-19:00(日曜、祝日は18時まで)
休館日:月(月曜が休日にあたる場合も休館)
資生堂ギャラリーでは『ミン・ウォン展 私の中の私』に続き、国内外で豊富な実績を誇り、来年開催の横浜トリエンナーレ2014ではアーティスティック・ディレクターも務める森村泰昌の個展『森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る』を開催する。本展は今年から来年にかけて日本とスペインで開催される「日本スペイン交流400周年事業」プロジェクトのひとつ。
森村泰昌は1951年大阪市生まれ。1988年のヴェネツィア・ビエンナーレ/アペルト88に選出され,国外へも活躍の場を広げる。『美に至る病—女優になった私』(横浜美術館,1996)、『空想美術館/絵画になった私』(東京都現代美術館,1998)、『森村泰昌モリエンナーレ/まねぶ美術史』(高松市美術館,2010ほか)、『なにものかへのレクイエム・戦場の頂上の芸術』(東京都写真美術館,2010ほか)など国内の美術館での個展も数多く開催している。本展開催中に、ピッツバーグのアンディ・ウォーホル美術館(10月6日−2014年1月14日)と原美術館(10月12日−12月23日)でも個展が開催される。
資生堂では、94年にザ・ギンザアートスペースで個展『サイコボーグ マドンナ・マイケル・モリムラの関係』を開催して以来、約20年ぶりの展覧会開催となるが、資生堂の企業文化誌『花椿』にて「森村泰昌のラブレター」を97年から2002年にわたって連載、同誌リニューアル後の現在も「美の毒な人々」を連載している。
左: 「絵画の国に住む(王女)」2013年. 右: 「絵画の国に住む(画家)」2013年
本展では、17世紀スペイン絵画の巨匠ディエゴ・ベラスケスの「ラス・メニーナス」をテーマにした写真作品を展示する。森村はかつて「美術史の娘」シリーズにて、ベラスケスの描いたマルガリータ王女をもとにした作品を制作しているが、当時より「ラス・メニーナス」を扱った作品の制作を構想していた。通常、絵画の外にいるはずの画家が、絵の中に登場し、画家・モデル・鑑賞者の立場と視線が行き交う複雑な構図により成り立つ同絵画は、これまでにさまざまな解釈を引き出している。
今回、森村は同絵画の再現に留まらず、同絵画をもとに新たな物語をつくり、「全8幕の一人芝居」として表現する。作品の背景となる美術館の部屋の撮影は今年2月にマドリッドのプラド美術館で行われ,登場人物の撮影は6月下旬から7月上旬に森村が客員教授を務める京都市立芸術大学にて特別授業として学生を対象とした公開制作で行われた。
展示は、物語の場面となる写真作品と登場人物の肖像写真など、総数17点で構成される。そして、扮装していない森村自身が初めて作品に登場することとなる。なお、本展のために制作された衣装とウィッグの一部がSHISEIDO THE GINZA 1Fで展示される。
関連イベント
森村泰昌によるギャラリートーク
2013年11月16日(土)14:00-16:00
会場:花椿ホール(資生堂並木通り本社3階)
定員:200名、無料
対談
森村泰昌x荒木経惟
2013年12月7日(土)14:00-16:00
会場:花椿ホール(資生堂並木通り本社3階)
定員:200名、無料