ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ @ アーティゾン美術館


ゾフィー・トイバー=アルプ《漸次的な移行》1934年、アルプ財団、ベルリン/ローラントシュヴェルト

 

ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ
2025年3月1日(土)-6月1日(日)
アーティゾン美術館 6階展示室
https://www.artizon.museum/
開館時間:10:00–18:00(金曜は20:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:月(5/5、は開館)、5/7
企画担当:島本英明(アーティゾン美術館学芸員)、杉本渚(アーティゾン美術館学芸員)
展覧会URL:https://www.artizon.museum/exhibition/detail/585

 

アーティゾン美術館では、緻密な幾何学的形態による構成を絵画や室内空間へと領域を横断しつつ追求したゾフィー・トイバー=アルプと、詩人としての顔を持ち偶然的に生まれる形態に基づいてコラージュやレリーフ、彫刻を制作したその夫、ジャン・アルプの作品を紹介する展覧会「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ」を開催する。本展は、夫アルプに比して、日本では展示の機会がきわめて限られてきたトイバー=アルプの創作活動が包括的に示される貴重な機会となる。

ゾフィー・トイバー=アルプ(1889-1943/スイス・ダヴォス生まれ)は、スイスとドイツの応用芸術学校で学んだ後、1915年にチューリヒでジャン・アルプと出会い、1922年に結婚。テキスタイル・デザインの教育に従事する傍ら、色彩理論と幾何学的抽象の研究を基盤に空間装飾や絵画を手がけるなど、ジャンルを横断する創作活動を展開した。近年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で回顧展「Sophie Taeuber-Arp Living Abstraction」(2021)が開催されるなど、周到かつ機知に富んだ構成を特徴とする表現が、20世紀前半の抽象の文脈における高度な達成として再評価が進んでいる。

ジャン・アルプ(1886-1966/ドイツ・シュトラスブルク(現在のフランス・ストラスブール)生まれ)は、ドイツ国内とパリで美術を学んだ後、芸術家集団「青騎士(ブラウエ・ライター)」やダダイスムの活動に参画。1920年代以降は独自に創出した造形言語をもって、シュルレアリスムと抽象の間を行き来しながら、平面と立体を統合させたレリーフの形式を創出するとともに、偶然的に見出されるイメージやコラージュに関心を向けるなど、規範や束縛から自由な創作を展開していった。

 


ゾフィー・トイバー=アルプ《オーベット200(ストラスブールのオーベットのバーの天井デザイン》1927年、アルプ財団、
ベルリン/ローラントシュヴェルト


ジャン・アルプ(ゾフィー・トイバー=アルプの作品に基づく)《無題(頭部)》1950年代、アルプ財団、
ベルリン/ローラントシュヴェルト ⓒ VG BILD-KUNST, Bonn & JASPAR, Tokyo, 2024 C4772

 

本展では、ドイツとフランスのアルプ財団をはじめとする国外のコレクションからトイバー=アルプの作品45点、アルプの作品36点、そして多様な様態からなるコラボレーション作品7点の計88点を出品予定。20世紀前半を代表するアーティスト・カップルをめぐり、個々の創作活動を紹介するとともに、両者がそれぞれの制作に及ぼした影響やデュオでの協働制作の試みに目を向け、カップルというパートナーシップの上にいかなる創作の可能性を見出せるかを再考する。

 


ゾフィー・トイバー=アルプ、ジャン・アルプ《デッサン(デュオ=デッサン)》1939年、アルプ財団、 ベルリン/ローラントシュヴェルト ⓒ VG BILD-KUNST, Bonn & JASPAR, Tokyo, 2024 C4772


ジャン・アルプ《花の頭部をもつトルソ》1924年、アルプ財団、クラマール 
ⓒ VG BILD-KUNST, Bonn & JASPAR, Tokyo, 2024 C4772

 

関連プログラム
第1回「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ 生涯と作品」
2025年3月1日(土)14:00–15:30(開場:13:30)
講師:ヤナ・トイシャー(アルプ財団、ベルリン/ローラントシュヴェルト、キュレーター)、セバスチャン・タルディ(アルプ財団、クラマール、コレクション部門長)
会場:アーティゾン美術館 3階レクチャールーム
使用言語:日本語・英語の逐次通訳付き
参加費:無料(事前申込制)※募集は既に終了

第2回「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプのめざしたもの」
2025年4月19日(土)14:00–15:30(開場:13:30)
講師:島本英明(アーティゾン美術館学芸員)
会場:アーティゾン美術館 3階レクチャールーム
使用言語:日本語
参加費:無料(事前申込制)
※申込方法は公式サイトで後日発表

第3回「ダダと抽象を超えて—ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプの芸術上の〈協働〉(仮)」
2025年5月10日(土)14:00–15:30(開場:13:30)
講師:河本真理(日本女子大学国際文化学部教授)
会場:アーティゾン美術館 3階レクチャールーム
使用言語:日本語
参加費:無料(事前申込制)
※申込方法は公式サイトで後日発表

学芸員によるギャラリートーク
①2025年3月21日(金)18:30–19:30
担当:島本英明(アーティゾン美術館学芸員)
集合場所:アーティゾン美術館 6階展示室ロビー
参加費:無料(要入場券、申込不要)

②2025年4月18日(金)18:30–19:30
担当:杉本渚(アーティゾン美術館学芸員)
集合場所:アーティゾン美術館 6階展示室ロビー
参加費:無料(要入場券、申込不要)

 


同時開催
硲伊之助展
2025年3月1日(土)-6月1日(日)
アーティゾン美術館 5階展示室
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/586

石橋財団コレクション選 コレクション・ハイライト
2025年3月1日(土)-9月21日(日)
アーティゾン美術館 4階展示室
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/587

 

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