毛利悠子《Piano Solo: Belle-Île》のためのスケッチ、2024年
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子— ピュシスについて
2024年11月2日(土)-2025年2月9日(日)
アーティゾン美術館 6階展示室
https://www.artizon.museum/
開館時間:10:00–18:00(金曜は20:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:月(11/4、1/13は開館)、11/5、12/28-1/3、1/14
企画担当:内海潤也(アーティゾン美術館学芸員)、田所夏子(アーティゾン美術館学芸員)
特設サイト:https://www.artizon.museum/exhibition_sp/js_mohriyuko/
アーティゾン美術館では、石橋財団コレクションの特定の作品からインスピレーションを受けた新作や、コレクションと現代のアーティストの作品のセッションによって生み出される新たな視点で展覧会を構成する「ジャム・セッション」の第5弾として、『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて』を開催する。
鴻池朋子、森村泰昌、柴田敏雄と鈴木理策、山口晃に続き、5回目のジャム・セッションとなる本展は、彫刻、音、動きなどを組み合わせることで、空間にただよう「見えない力/事象」に形を与え、わたしたちに感受可能なものに変換する作品で知られる毛利悠子を迎える。毛利は、現在開催中の第60回ヴェネツィア・ビエンナーレの日本館での個展をはじめ、世界各地の国際展やロンドンのカムデン・アーツ・センターでの個展開催など、国際的な活動を展開。本展は2018年の十和田市現代美術館以来の国内では2度目の美術館規模の個展となる。本展タイトルに含まれる「ピュシス」は、通例「自然」あるいは「本性」と訳される古代ギリシア語で、「万物の始原=原理とはなにか」という問いを生み出した初期ギリシア哲学において中心的考察対象となっていた。当時の著作は断片でしか残されていないものの、後世に『ピュシス=自然について』と名称を与えられ、生成、変化、消滅といった運動に本性を見いだす哲学者たちの思索を伝えている。本展では、絶えず変化するみずみずしい動静として世界を捉える哲学者たちの姿勢を毛利の姿勢に重ねている。
毛利悠子《I/O》2011年—、「第14回光州ビエンナーレ」展示風景、2023年、ホランガシナム・アート・ポリゴン 写真:glimworkers
パウル・クレー《数学的なヴィジョン》1923年、石橋財団アーティゾン美術館
デビュー当時から類語の「インプロヴィゼーション(即興演奏)」を創作におけるキーワードのひとつとする毛利は、作品空間に構成/作曲された音楽から逸脱していく現代/実験音楽の「エラー」や「フィードバック」を取り入れてきた。そんな音楽的モチーフを通して振幅やゆらぎ、変動や不確定さを重視する毛利は、石橋財団コレクションからクロード・モネ、アンリ・マティス、パウル・クレー、ジョルジュ・ブラック、マルセル・デュシャン、ジョゼフ・コーネル、藤島武二といったアーティストの作品を本展のために選考。本展ではそれらのコレクション作品とともに、アーティゾン美術館の展示空間に合わせて更新した旧作やコレクション作品からインスピレーションを得た新作を発表し、微細な音や動きで満たされた静謐で有機的な空間の創出を試みる。
毛利悠子《Calls》2013年—、「Inter-Resonance: Inter-Organics」展展示風景、2019—20年、シャルジャ・アート・ファンデーション 写真:Shanavas Jamaluddin
毛利悠子(1980年神奈川県生まれ)は、コンポジション(構築)へのアプローチではなく、環境などの諸条件によって変化してゆく「事象」にフォーカスするインスタレーションや彫刻を制作。これまでの主な個展に、第60回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館(2024)、「Yuko Mohri」(カムデン・アーツ・センター、ロンドン、2018)、「ただし抵抗はあるものとする」(十和田市現代美術館、青森、2018)など。そのほか、第14回光州ビエンナーレ(2023)、第23回シドニー・ビエンナーレ(2022)、第34回サンパウロ・ビエンナーレ(2021)など各地の国際展に参加。2025年にはミラノのピレリ・ハンガービコッカでの個展が控える。
なお本展会期中には、第60回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館のキュレーターを務めたイ・スッキョン、来年2025年に個展を開催するミラノのピレリ・ハンガービコッカの芸術監督ヴィセンテ・トドリとの対談がそれぞれ予定されている。
毛利悠子《Decomposition》2021年—、「Neue Fruchtige Tanzmusik」展示風景、2022年、Yutaka Kikutake Gallery 写真:kugeyasuhide
関連プログラム
土曜講座アーティスト・トーク
2024年11月2日(土)10:30–12:00
講師:毛利悠子、イ・スッキョン(英国マンチェスター大学ウィットワース美術館館長、第60回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展日本館キュレーター)
会場:アーティゾン美術館レクチャールーム
定員:80名(事前申込制、先着順)※定員に達し次第、受付終了。
使用言語:日本語・英語の逐次通訳付き
参加費:無料
申込方法は下記URLを参照
https://www.artizon.museum/program/detail/1
土曜講座アーティスト・トーク
2024年11月2日(土)14:00–15:30
講師:毛利悠子、ヴィセンテ・トドリ(ピレリ・ハンガービコッカ芸術監督)
会場:アーティゾン美術館レクチャールーム
定員:80名(事前申込制、先着順)※定員に達し次第、受付終了。
使用言語:日本語・英語の逐次通訳付き
参加費:無料
申込方法は下記URLを参照
https://www.artizon.museum/program/detail/1
同時開催
ひとを描く
2024年11月2日(土)-2025年2月9日(日)
アーティゾン美術館 5階展示室
石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 マティスのアトリエ
2024年11月2日(土)-2025年2月9日(日)
アーティゾン美術館 4階展示室