第11回ヒロシマ賞受賞記念 アルフレド・ジャー展 @ 広島市現代美術館


《Music (Everything I know I learned the day my son was born)》2013

 

第11回ヒロシマ賞受賞記念
アルフレド・ジャー展
2023年7月22日(土)-10月15日(日)
広島市現代美術館 B展示室
https://www.hiroshima-moca.jp
開館時間:10:00–17:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし9/18,10/9は開館)、9/19、10/10
展覧会URL:https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/alfredo_jaar

 

広島市現代美術館では、第11回ヒロシマ賞の受賞者となったアルフレド・ジャーの受賞記念展を開催する。ジャーにとって日本で初めての本格的な個展となる本展では、これまでの代表作とともに、ヒロシマを今日の問題として捉えるような新作を展示し、その創作活動の全貌を紹介する。

世界最初の被爆地である広島市は、世界の恒久平和と人類の繁栄を願う「ヒロシマの心」を美術を通して世界へ訴えることを目的とし、1989年にヒロシマ賞を創設し、3年に1度授与してきた。当初2020年夏に予定されていた第11回ヒロシマ賞の授賞式と受賞記念展は、新型コロナウィルス感染症の広がりによる延期と、改修工事に伴う休館期間を経て、3年越しに実現する運びとなった。ジャーは受賞にあたって、「この暗い時代においては、「ヒロシマの心」が今まで以上に必要とされています。 栗原貞子がその崇高な詩「生ましめんかな」の中で示唆したように、私は「生ましめる」努力をしなければならず、また実際努力していくつもりです」とコメントを寄せた。

 


《The Sound of Silence》2006

 


《Shadows》2014

 

アルフレド・ジャー(1956年チリ、サンティアゴ生まれ)は、世界各地で起きた歴史的な事件や悲劇、社会的な不均衡に対して、綿密な調査と取材にもとづくジャーナリスティックな視点をもって対峙。公共の場での作品の提示や、写真、映像そして建築的な空間造形を伴った五感に訴えかけるようなインスタレーションによって、社会的、政治的、人道的な問題を人々に伝えてきた。ジャーは、建築と映像制作を学んだのち、1982年に渡米し、以後ニューヨークを拠点に活動。1980年代半ばに、写真とライトボックスを用いた作品や、屋外の広告掲示板を用いた作品を発表し、一躍注目を集める。これまでの40年近くにわたる作家活動において、ヴェネツィア・ビエンナーレ(1986、2007、2009、2013)やサンパウロ・ビエンナーレ(1987、1989、2010、2021)、ドクメンタ(1987、2002)など数々の国際美術展に参加し、また世界各地の美術館で個展を開催するなど国際的に活躍してきた。近年の主な個展にニューミュージアム(1992)、ホワイトチャペル・ギャラリー(1992)、ストックホルム近代美術館(1994)、シカゴ現代美術館(1995)、ローマ現代美術館(2005)、ローザンヌ州立美術館(2007)、ピレリ・ハンガービコッカ(2008)、ベルリン芸術家協会(2012)、アルル国際写真祭(2013)、ヘルシンキ現代美術館(2014)、ヨークシャー彫刻公園(2017)、ツァイツ・アフリカ現代美術館(2020)、セスキ・ポンペイア文化センター(2021)など。主な受賞歴に、ハッセルブラッド国際写真賞(2020)、マッカーサー・フェロー(2000)、グッゲンハイム・フェロー(1985)など。国内でも数々の展示に参加。1995年に広島市現代美術館で開催された被爆50周年記念展「ヒロシマ以後」に参加し、ヒロシマのための作品《われらの狂気を生き延びる道を教えよ(ヒロシマのために)》を制作。またあいちトリエンナーレ2013で、東日本大震災と福島の原発事故の問題に関心を寄せた作品《生ましめんかな(栗原貞子と石巻市の子供たちに捧ぐ)》を発表している。

《生ましめんかな》という作品名は、原爆投下直後、負傷者がひしめくビルの地下室で生まれた命を描いた栗原貞子の詩のタイトルから採られているが、本展では、同タイトルの新作が発表される。また2013年に発表された《Music (Everything I know I learned the day my son was born)》の広島版においては、広島で生まれた新生児の産声が作品の一部となっており、共にヒロシマを今日の視点で捉える作品となっている。

会期中、森美術館では7月25日に「アージェント・トーク 045:アルフレド・ジャー」を開催、SCAI PIRAMIDEでは7月29日から新作彫刻に並び、長年の友人である写真家、 森山大道とのコラボレーション作品を初公開する展覧会「終3」を開催する。また、9月14日からチリ国立美術館で開催される個展「El lado oscuro de la luna」が控えている。

 


《A Hundred Times Nguyen》1994

 

関連イベント
対談:アルフレド・ジャー×中森康文
2023年7月22日(土)14:00–16:00
登壇者:アルフレド・ジャー、中森康文(テート・モダン インターナショナル・アート写真部門シニア・キュレーター)
会場:広島市現代美術館 地下1階ミュージアムスタジオ
定員:100名(先着順)※10:00- 1階受付にて整理券配布
※申込不要、通訳付

学芸員によるギャラリートーク
2023年8月5日(土)、9月2日(土)、10月7日(土)各日14:00–15:00
会場:広島市現代美術館 B展示室
料金:無料 ※要展覧会チケット、申込不要

特別展 アートナビ・ツアー
毎週土・日・祝 11:45–12:15、14:45–15:15
※8/5、9/2、10/7は午前中のみ
会場:広島市現代美術館 B展示室
料金:無料 ※要展覧会チケット、申込不要

 

同時開催
コレクション・ハイライト+コレクション・リレーションズ[村上友重+黒田大スケ:広島を視る]
2023年7月1日(土)-11月12日(日)
広島市現代美術館
https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/collection2023-1

 


関連情報
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2023年7月29日(土)-9月30日(土)
SCAI PIRAMIDE
https://www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/2023/07/alfredo_jaar_end3/

アージェント・トーク 045:アルフレド・ジャー
われらの狂気を生き延びる道を教えよ

2023年7月25日(火)18:30–20:00
森美術館
出演 : アルフレド・ジャー(アーティスト)聞き手:片岡真実(森美術館館長)
※日英同時通訳付
https://www.mori.art.museum/jp/learning/6717/index.html

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