アイザック・ジュリアン「Ten Thousand Waves」@ エスパス ルイ・ヴィトン大阪


Isaac Julien, GREEN SCREEN GODDESS (TEN THOUSAND WAVES) 2010年 © Isaac Julien Courtesy of the artist and Victoria Miro

 

アイザック・ジュリアン「Ten Thousand Waves」
2024年3月27日(水)-9月22日(日)
エスパス ルイ・ヴィトン大阪
https://www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/osaka
開館時間:12:00–20:00
休館日:ルイ・ヴィトン大阪御堂筋店に準じる。
展覧会URL:https://www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/osaka/detail

 

エスパス ルイ・ヴィトン大阪では、さまざまな社会正義を扱うとともに、芸術表現としての映像作品の可能性を押し広げてきたイギリス現代美術を代表するアーティストのひとり、アイザック・ジュリアンの個展「Ten Thousand Waves」を開催する。

アイザック・ジュリアン(1960年ロンドン生まれ)は、さまざまな芸術表現の境界を解体し、マルチスクリーンによる映像インスタレーションを通じて、それらを再構成することで新たなナラティブを創り出してきた。カルチュラルスタディーズやポストコロニアル理論の影響を受けながら制作を開始したジュリアンの作品には、人種やエスニシティはもちろん、ジェンダーやセクシュアリティなど、幅広いテーマを読み取ることができる。2001年にターナー賞の最終候補に選出されたジュリアンは、その後もドクメンタ11(カッセル、2002)、プロスペクト1(ニューオーリンズ、2008)、第7回光州ビエンナーレ(2008)、第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2015)、第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ ディアスポラ・パヴィリオン(2017)など、世界各地の美術機関で作品を発表。近年の主な美術館規模の個展に、「Western Union: Small Boats」(ニューバーガー美術館、ニューヨーク、2020)、「Lina Bo Bardi — A Marvellous Entanglement」(イタリア国立21世紀美術館、ローマ、2020-2021/セントロセントロ、マドリード、2021/べヒトラー近代美術館、ノースカロライナ州シャーロット、2022)、「Lessons of the Hour, McAvoy Foundation for the Arts」(マカヴォイ芸術財団、サンフランシスコ、2020-2021)、「Lessons of the Hour」(スミス・カレッジ美術館、マサチューセッツ州ノーサンプトン、2022)、「Once Again… (Statues Never Die)」(バーンズ財団、フィラデルフィア、2022)などがある。昨年2023年にはテート・ブリテンで初期から最近作まで40年間の創作活動を振り返る大規模回顧展「What Freedom Is To Me」が開かれた。

 


Isaac Julien, MAZU, TURNING (TEN THOUSAND WAVES) 2010年 © Isaac Julien Courtesy of the artist and Victoria Miro

 

本展では、2004年にイギリス北西部で違法就労の中国人労働者23名が潮流に巻き込まれ命を落としたモーカム湾の遭難事故を題材に、中華圏出身の人気俳優のマギー・チャン[張曼玉]、チャオ・タオ[趙濤]、アーティストのヤン・フードン、詩人の王屏らとともに制作した代表作のひとつ《Ten Thousand Waves》(2010)を日本初公開する。モーカム湾の遭難事故と中国で航海の守護神とされる媽祖の伝説を結びつけた本作において、ジュリアンは、カンフー映画に見られたワイヤー吊りのアクションを取り入れた映像やマギー・チャンが出演した映画の映像、CG、モーカム湾の遭難事故に関するドキュメンタリーや警察の映像など、さまざまな素材や質の映像を混在させたアプローチを採用し、9つのスクリーンを使用した壮大な映像インスタレーションとして、第17回シドニー・ビエンナーレで発表された。

本展はフォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションを紹介する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として企画された。また展覧会に伴い来日するジュリアンによるスペシャルトークが、3月27日に大阪大学中之島芸術センター、3月28日に東京藝術大学上野キャンパスで開催される(ともに予約制)。

 

関連イベント
アイザック・ジュリアン アーティスト・トーク
2024年3月27日(木)18:30–20:30(開場:18:00)
トークゲスト:アイザック・ジュリアン
聞き手:小笠原博毅(神戸大学)
会場:大阪大学中之島芸術センター(大阪府大阪市北区中之島4-3-53)
定員:100名(※定員に達し次第、予約受付終了)
言語:日本語/英語(逐次通訳あり)
共催:クリエイティブアイランド中之島、エスパス ルイ・ヴィトン大阪
協力:大阪大学中之島芸術センター、大阪大学21世紀懐徳堂
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/event/2024/03/10727

アイザック・ジュリアン スペシャル・アーティスト・トーク
2024年3月28日(木)18:00–19:30(開場:17:30)
トークゲスト:アイザック・ジュリアン
討議者:桝田倫広(東京国立近代美術館)、清水知子(東京藝術大学)
司会:毛利嘉孝(東京藝術大学)
会場:東京藝術大学上野キャンパス(東京都台東区上野公園12-8)
定員:200名(要予約 ※定員に達し次第、予約受付終了)
言語:日本語/英語(同時通訳あり)
主催: 東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科
協力:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
http://ga.geidai.ac.jp/2024/03/11/isaac/

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