ジェレミー・デラー @ KAG


Jeremy Deller, Still image of Everybody in the Place: An Incomplete History of Britain 1984-1992 (2018) HD Video, Courtesy of the Artist, Frieze, Gucci and The Modern Institute/Toby Webster Ltd., Glasgow

 

ジェレミー・デラー
2021年7月1日(木)- 8月27日(金)※会期中に上映作品の変更あり(本記事下部参照)
Cafe & BAR KAG(岡山県倉敷市阿知3丁目1-2)
https://hostel-kag.jp/
開場時間:9:00-17:00
休場日:日、8/21(土)
企画:腰原慶子、川上幸之介研究室
EEE(Education, Education and Education)プロジェクト:http://www.kuragei.com

 

倉敷芸術科学⼤学の川上幸之介研究室が取り組むEEEプロジェクトでは、キュレーターの腰原慶子との共同企画として、ターナー賞受賞やヴェネツィア・ビエンナーレのイギリス館代表などの経験を持つジェレミー・デラーの映像作品を上映し、その活動のさまざまな側面を紹介する企画展『ジェレミー・デラー』を倉敷市内のCafe & BAR KAGで開催する。

ジェレミー・デラー(1966年ロンドン生まれ)は、イギリスのポピュラーカルチャーを題材にユーモアを交えながら、同国に留まらない社会問題、とりわけ権力構造の根深いパラドックスに問いを投げかけるプロジェクトに取り組んでいる。ロンドン大学付属コートールド美術研究所、サセックス大学で美術史を学んだデラーは、在学中の1990年代初頭から制作をはじめ、自宅を使った展覧会『Open Bedroom』など、通常の展示スペースとは異なる場所で作品を発表していく。数々のプロジェクトのなかでも、2001年にアートエンジェルのコミッションワークとして手掛けたプロジェクトでは、1984年に実際にあった炭鉱労働者たちと警官隊の衝突「オーグリーヴの戦い」を当時の関係者や「リエナクトメント」を行なう複数の団体など800人以上とともに再現。関連する映像や書籍、オブジェ、年表などとともにインスタレーション形式の作品《オーグリーヴの戦いのアーカイブ(一人の痛みは全民の痛み)》(2001)として発表した。その後も数々のプロジェクトを手掛け、2004年にはターナー賞を受賞、2007年にミュンスター彫刻プロジェクトに参加、2013年に第55回ヴェネツィア・ビエンナーレのイギリス館代表として個展を開催するなど、世界各地で作品を発表している。また、90年代より複数の企画展にキュレーターとしても関わり、近年では2016年にブルックリン美術館で『Iggy Pop Life Class』を実現している。

 


Jeremy Deller, Still image of English Magic (2013) 
HD Digital Video, Commissioned by the British Council for the British Pavilion, Venice Biennale 2013 Courtesy the Artist and The Modern Institute/Toby Webster Ltd, Glasgow


Jeremy Deller, Still image of So Many Ways to Hurt You (The Life and Times of Adrian Street) (2010) Courtesy of The Artist and The Modern Institute/Toby Webster Ltd, Glasgow

 

本企画では、サウス・ウェールズ出身のプロレスラー、エイドリアン・ストリートという一個人の人生を扱いながら、イギリス社会の重工業からエンターテインメントやサービス産業への移り変わりを考察した《So Many Ways To Hurt You (The Life And Times of Adrian Street)》(2010)、前述のヴェネツィア・ビエンナーレのイギリス館の個展でも中心的な役割を担った映像作品で、イギリス社会の人々、象徴、神話、民間伝承、文化的・政治的歴史に焦点を当てた《English Magic》(2013)、第一次世界大戦のソンムの戦いから100周年となる2016年にイギリス国内各所で実施されたデラーのプロジェクト《We’re here because we’re here》を記録した《Documentary of We’re here because we’re here》(2016)、Aレベル(大学進学のための高等教育)で政治学を学ぶ学生を対象に、1980年代後半に起きたダンス・ミュージックのムーブメント「セカンド・サマー・オブ・ラブ」と社会政治史を結びつけたデラーのレクチャーを基にした《Everybody in The Place:An Incomplete History of Britain 1984-1992》(2018)の4つの映像作品を2週間ごとに異なる組み合わせで上映し、デラーの活動のさまざまな側面を紹介する。

なお、会期中の7月16日には、本展キュレーターの腰原慶子によるキュレーターズ・トークを開催する(腰原はリモートで参加。※要予約)。

 


14-18 NOW We’re here because we’re here by Jeremy Deller and Rufus Norris, London

 

上映スケジュール
第1回|7月1日(木)- 7月15日(木)
上映作品:《Documentary of We’re here because we’re here》(2016)

第2回|7月16日(金)- 7月29日(木)
上映作品:《So Many Ways To Hurt You (The Life And Times of Adrian Street)》(2010)
《English Magic》(2013)

第3回|7月30日(金)- 8月12日(木)
上映作品:《Documentary of We’re here because we’re here》(2016)
《Everybody in The Place:An Incomplete History of Britain 1984-1992》(2018)

第4回|8月13日(金)- 8月27日(金)
上映作品:《Everybody in The Place:An Incomplete History of Britain 1984-1992》(2018)
《English Magic》(2013)

キュレーターズ・トーク
講師:腰原慶子(本展キュレーター)※イギリス在住のため、リモートで参加。
2021年7月16日(金)18:00-
会場:KAG(岡山県倉敷市阿知3丁目1-2)
予約:https://docs.google.com/forms/d/1rAVCQe-0KIa_-3B6_0UxN7ZiaXo7c5pgh6OC_N_5P1I/viewform?edit_requested=true

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