開館30周年記念特別展『美術館の七燈』@ 広島市現代美術館


開館告知チラシ、1986年

 

開館30周年記念特別展
美術館の七燈
2019年3月9日(土)-5月26日(日)
広島市現代美術館
https://www.hiroshima-moca.jp/
開館時間:10:00-17:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、4/29、5/6は開館)、5/7
展覧会特設URL:https://www.hiroshima-moca.jp/30th_thesevenlamps/

 

広島市現代美術館では、開館以来30年間にわたる活動の軌跡および、その基盤となった美術館建築を中心に紹介する企画展『美術館の七燈』を開催する。

1989年に公立館としては国内初の現代美術を専門とする美術館として開館した広島市現代美術館。本展では、同館コレクションと活動を物語る資料に、一部の参加作家による新作などを加え、観客、建築、場所、保存、歴史、逸脱、あいだといったキーワードの下、全7章で展示を構成し、同館の歩みを振り返るとともに、美術館の果たすべき役割、活動を支える諸要素を改めて捉え直す。

展覧会は、オノ・ヨーコの「ウィッシュ・ツリー・フォー・ヒロシマ」など、観客の働きかけや参加によって成立する作品を紹介する「観客」をテーマとした章からはじまり、黒川紀章設計の美術館自体を作品として捉え、その魅力をさぐるとともに、井上武吉の階段モニュメントなど、建築と一体となった彫刻作品を中心に紹介する第2章へと続く。第3章では、同館の活動の重要なテーマである「広島」と「ヒロシマ」という2つの都市名に焦点を当てる。ここでは、歴代ヒロシマ賞受賞作家の三宅一生ロバート・ラウシェンバーグレオン・ゴラブナンシー・スペロクシュシトフ・ウディチコダニエル・リベスキンド蔡國強モナ・ハトゥム、そして、アルフレド・ジャーといった歴代ヒロシマ賞受賞作家が並ぶとともに、このテーマに向き合ってきた、さまざまなアーティストの試みの一端を確認することができる。

 


オノ・ヨーコ「ウィッシュ・ツリー・フォー・ヒロシマ」2011年


アルフレド・ジャー「われらの狂気を生き延びる道を教えよ(ヒロシマのために)」1995年

 

第4章では、展示と並び、美術館の重要な役割である作品や資料の収集と保存に着目する。材料も技法もさまざまな作品の保存において、美術館が作品とはまた異なる知や技術の生産あるいは継承の場であることを意識させる。会期中には、吉原治良の「COMPOSITION 53」(1957)のニス除去を不定期で開催する。第5章では、同館の準備室設置から現在までの歩みを、広島を拠点に活動するデザインユニット、又又が関連作品や資料を交えて構成し、第6章では、田村友一郎が同館の建築や開館当時の時代に関する探索と大胆な連想を展開した新作インスタレーションを発表する。そして、第7章は、2007年から継続開催している、館スペースの新たな活用案を募集する公募展『ゲンビどこでも企画公募』より日笠保谷田真チームやめよう松田るみ飯川雄大有川滋男ら過去の入選作品が再展示される。

会期中には、松田るみや北山善夫、有川滋男によるワークショップや竹之下亮のパフォーマンス、アーティスト・トークなど、さまざまな関連プログラムを開催。また、Web企画として、広島市現代美術館にまつわる情報を問題にした「ゲンビ検定」や、これまでに開催した展覧会や美術館建築を中心に紹介する「写真で振り返る30年→現在」も展開している。

 


松田るみ「ビュートレス -美術館のうちとそと-」2017年 「ゲンビどこでも企画公募2017」(広島市現代美術館)展示風景


北山善夫「誰が「ヒロシマ」と名付けたのか」1996年

 

関連プログラム
アーティスト・トーク
講師:有川滋男、飯川雄大、北山善夫、谷田真、田村友一郎、チームやめよう、友枝望、又又(いずれも本展出品作家)
2019年3月9日(土)14:00-15:30
会場:展覧会場(エントランスホールに集合)
※要展覧会チケット、申込不要

ワークショップ1「ビュートレス」
講師:松田るみ(本展出品作家)
2019年3月10日(日)10:30-12:30、13:45-16:30
会場:広島市現代美術館エントランスホール
対象:どなたでも(未就学児は保護者同伴)
※参加無料、申込不要

ワークショップ2「生と死を考える」
講師:北山善夫(本展出品作家)
2019年3月24日(日)10:30-16:00
対象:中学生以上
定員:30名(要事前申込)、無料
詳細および応募フォーム:https://www.hiroshima-moca.jp/30th_thesevenlamps/#link-program

ワークショップ3「XXXではXXXを募集します」
講師:有川滋男(本展出品作家)
2019年4月20日(土)①10:30-12:30、②14:00-16:00
対象:小学5年生以上(大人も歓迎)
定員:各回15名(要事前申込)、無料
詳細および応募フォーム:https://www.hiroshima-moca.jp/30th_thesevenlamps/#link-program

パフォーマンス「うたをください」
講師:竹之下亮(本展出品作家)
2019年4月13日(土)11:00-
会場:彫刻の広場ほか(美術館周辺)
対象:どなたでも(未就学児は保護者同伴)
※参加無料、申込不要

その他の関連プログラムは公式ウェブサイトを参照

 

 


 

同時開催
ビデオアートプログラムA「世界に開かれた映像という窓」
第63回:マルタ・クシェシュラク
2018年12月4日(火)-2019年3月31日(日)
https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/video63/

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