とびたつとき:池田満寿夫とデモクラートの作家 @ 広島市現代美術館


池田満寿夫《姉妹たち》1965年 広島市現代美術館蔵

 

とびたつとき:池田満寿夫とデモクラートの作家
2024年1月20日(土)-3月17日(日)
(前期:1/20-2/18|後期:2/21-3/17)※展示替えあり
広島市現代美術館 展示室B-2、B-3
https://www.hiroshima-moca.jp/
開館時間:10:00–17:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(2/12は開館)、2/13、また2/20は展示替えのため休室
企画担当:寺口淳治(広島市現代美術館館長)
出品作家:池田満寿夫、靉嘔、泉茂、磯辺行久、瑛九、加藤正、利根山光人、舩井裕、吉原英雄
展覧会URL:https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/masuo_ikeda

 

広島市現代美術館では、日本人初のニューヨーク近代美術館での個展(1965)やヴェネツィア・ビエンナーレの版画部門国際大賞の受賞(1966)など、若くして国際的な評価を獲得した池田満寿夫の1950年代から66年頃までの作品とともに、池田が影響を受け、また交友のあった作家の作品により、当時、世界から注目された彼らの表現を振り返る展覧会「とびたつとき:池田満寿夫とデモクラートの作家」を開催する。本企画は、2023年2月に開幕した和歌山県立近代美術館を皮切りに、宇都宮美術館、長野県立美術館を巡回し、広島市現代美術館が最後の会場となる。

終戦の年に両親とともに長野に引き揚げた池田満寿夫(1934-1997/中国、旧満州国奉天生まれ)は、高校卒業後に画家を目指して上京し、後にデモクラート美術家協会を率いることになる瑛九や、美術評論家で「創造美育」運動の主宰者であり、版画のコレクターでもあった久保貞次郎と出会う。1955年に、靉嘔、真鍋博、堀内康司らとグループ「実在者」を結成するが翌年、実質上解散。1956年から瑛九の勧めで銅版画を始めると、60年に東京国際版画ビエンナーレで文部大臣賞を受賞、65年にニューヨーク近代美術館で個展開催、66年にヴェネツィア・ビエンナーレ版画部門で国際大賞を受賞するなど、国際的な評価を獲得する。また77年には小説「エーゲ海に捧ぐ」で芥川賞を受賞、晩年には陶芸を手がけるなど、さまざまなジャンルを越境した活動を展開した。2008年には広島市現代美術館で回顧展「池田満寿夫 知られざる全貌」を開催し、版画だけでなく、画家、彫刻家、陶芸家、作家、浮世絵研究家、脚本家、写真家、映画監督、さらにテレビのクイズ番組やトーク番組の司会といった多彩な顔を持つマルチアーティストの多岐にわたる創作活動の全貌を紹介した。

 


池田満寿夫《愛の瞬間》1966年 広島市現代美術館蔵


池田満寿夫《私の詩人・私の猫》1965年 広島市現代美術館蔵

 

本展では、1950年代から66年頃までの池田が矢継ぎ早に国際的な評価を獲得する時期に着目。広島市現代美術館が所蔵する77点と和歌山県立近代美術館が所蔵する6点の計83点の池田作品を、池田が影響を受け、自身も所属したデモクラート美術家協会の作家の作品とともに紹介する。デモクラート美術家協会は、1951年に瑛九を中心として「既成画壇に出品しないこと」を唯一の参加条件に設立。本展には、靉嘔泉茂磯辺行久瑛九加藤正利根山光人舩井裕吉原英雄の作品が出品される。

会期中には、呉市立美術館館長の横山勝彦による講演会「池田満寿夫 人と芸術」や、本展企画者で広島市現代美術館館長の寺口淳治によるギャラリートークなども行なわれる。

 


加藤正《第2回「デモクラート美術展」ポスター》1953年 和歌山県立近代美術館蔵

 

関連イベント
講演会「池田満寿夫 人と芸術」
2024年1月27日(土)14:00–15:45
講師:横山勝彦(呉市立美術館館長)
会場:広島市現代美術館 地下1階ミュージアムスタジオ
定員:80名(先着順)
料金:無料

館長によるギャラリートーク
2024年2月10日(土)、3月2日(土)各日ともに14:30–15:15
講師:寺口淳治(広島市現代美術館館長)
会場:広島市現代美術館 展示室B-2、B-3
料金:無料(要展覧会チケット)、申込不要

特別展 アートナビ・ツアー
会期中毎週土・日・祝開催 ①11:45-12:15 ②14:45-15:15(※1/27、2/10、3/2は午前中のみ)
会場:広島市現代美術館 展示室B-2、B-3
料金:無料(要展覧会チケット)、申込不要
※展示室入口に集合

 


泉茂《しゃも》1957年 和歌山県立近代美術館蔵


瑛九《自転車》1956年 和歌山県立近代美術館蔵

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