建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの @ 森美術館


丹下都市建築設計「香川県庁舎」1959年、香川、撮影:市川靖史、画像提供:香川県

 

建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの
2018年4月25日(水)-9月17日(月、祝)
森美術館
http://www.mori.art.museum/
開館時間:10:00-22:00(火曜は17:00まで)入館は閉館30分前まで
会期中無休

監修:藤森照信(建築家・建築史家/東京大学名誉教授)
企画:南條史生(森美術館館長)、前田尚武(森美術館建築・デザインプログラムマネジャー)、徳山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)、倉方俊輔(建築史家/大阪市立大学大学院工学研究科准教授)、ケン・タダシ・オオシマ(建築史家/ワシントン大学教授)

 

森美術館では、日本の風土から生まれた古代から現代にいたる多種多様な建築群を、9つの特質から編成した展示構成、貴重な建築資料や模型から体験型のインスタレーションまで多彩な展示方法を通じて読み解く展覧会『建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの』を開催する。

「可能性としての木造」「超越する美学」「安らかなる屋根」「建築としての工芸」「連なる空間」「開かれた折衷」「発見された日本」「集まって生きる形」「共生する自然」の9つのセクションからなる展示構成は、古代から現代にいたる幾多の実践が一直線に進歩してきたものとして見るのではなく、過去の実践のなかに建築の新たな創造の可能性を見出そうとしてきた態度をさまざまな角度から考察する機会となる。

 


成瀬・猪熊建築設計事務所「LT城西」2013年、名古屋、撮影:西川公朗


伝千利休「国宝・待庵」安土桃山時代(16世紀)/2018年(原寸再現)、制作:ものつくり大学 ※参考図版

 

また、実物の展示が不可能に近い建築展において、本展では、千利休が手がけたと伝えられている京都・妙喜庵に現存する日本最古の茶室建築である国宝「待庵」の原寸スケールでの再現や、広島平和記念公園、東京オリンピック、大阪万博といった国家的プロジェクトを牽引した建築家・丹下健三の「自邸」(現存せず)の1/3スケールで再現した巨大模型、ライゾマティクス・アーキテクチャーによる日本の古建築から現代建築まで、名建築の数々をレーザーファイバーで再現した体験型インスタレーションといった展示方法を通じて、観客が建築を「体感」する機会を設けている。同種の試みは、剣持勇や長大作など戦後のモダニズム建築を彩ってきたデザイナーによるオリジナルの家具を集め、実際に座ることができるブックラウンジにも見ることができる。そのほか、日本建築史における学術的にも貴重な資料の展示は、観客に建築史を複層的に考察する視点を与えるものになるだろう。

会期中には、トークセッション「グローバルな視点から見る”建築の日本”」(※既に申し込み終了)や、シンポジウム「今、日本の建築を考える」を開催する。

 


フランク・ロイド・ライト「帝国ホテル(正面中央部入口)」1923年、東京、写真提供:帝国ホテル


小林清親「海運橋 第一銀行雪中」平成の新版、大判錦絵、所蔵:清水建設

 

関連イベント
トークセッション「グローバルな視点から見る”建築の日本”」
出演:伊東豊雄(建築家)、ケン・タダシ・オオシマ(建築史家/ワシントン大学教授)南條史生(森美術館館長)
モデレーター:倉方俊輔(建築史家、大阪市立大学大学院工学研究科准教授)
2018年4月25日(水)19:00-21:00(開場:18:30)
会場:森美術館オーディトリアム
定員:80名(要予約) ※申し込み終了
詳細:https://www.mori.art.museum/jp/learning/1062/

シンポジウム「今、日本の建築を考える」
出演:藤森照信(建築家、建築史家、東京大学名誉教授)、妹島和世(建築家、SANAA事務所代表取締役)、原研哉(デザイナー)、齋藤精一(ライゾマティクス クリエイティブ&テクニカル・ディレクター)、倉方俊輔(建築史家、大阪市立大学大学院工学研究科准教授)
モデレーター:南條史生(森美術館館長)
2018年4月30日(月)14:00-17:00(開場:13:30)
会場:アカデミーヒルズ(六本木ヒルズ森タワー49階)
定員:300名(要予約)
詳細:https://www.mori.art.museum/jp/learning/1059/

 


 

MAMプロジェクト025:アピチャッポン・ウィーラセタクン+久門剛史
2018年4月25日(水)-9月17日(月、祝)
企画:徳山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)

MAMコレクション007:見えない都市
2018年4月25日(水)-9月17日(月、祝)
企画:椿玲子(森美術館キュレーター)
出展作家:イ・ブル、ジャガンナート・パンダ、黒川紀章

MAMスクリーン008:近藤聡乃
2018年4月25日(水)-9月17日(月、祝)
企画:荒木夏実(インディペンデント・キュレーター)

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