アートウィーク東京が今秋11月の開催を発表

 

2023年5月25日、東京都内に広がる美術館やギャラリーを繋ぐ無料のシャトルバスや独自の企画を通じて、日本の現代美術の創造性と多様性、またそのコミュニティを国内外に紹介するアートイベント「アートウィーク東京(AWT)」(主催:一般社団法人コンテンポラリーアートプラットフォーム)が、開催日程や日本のアート市場の活性化を目指した新たな企画「AWT FOCUS」など、開催概要を発表した。

昨年の本ローンチでは4日間でのべ3万2000人以上が参加したAWTは、世界有数のアートフェア、アートバーゼルと提携し、現代美術の健全で活発なエコシステムの構築や、国際的なネットワークにおける東京の地位の確立を目指している。本年度の開催日程は、11月2日から11月5日までの4日間。東京国立近代美術館やアーティゾン美術館、東京都現代美術館、森美術館のほか、2年ぶりとなるワタリウム美術館を含む11の美術館/インスティテューション、そして、同じく2年ぶりとなる小山登美夫ギャラリー、シュウゴアーツ、4649を含む39軒のギャラリーが参加する。

 


AWT会期中に6つのルートで50以上のアートスペースをつないだシャトルバス「AWT BUS」Photo by Art Week Tokyo


左:保坂健二朗 撮影:木奥恵三 右:大倉集古館

 

本年度のAWTは、現代美術に関心を持ちながらも価値や評価基準がわかりづらいと考える人々に向けた新企画の展覧会「AWT FOCUS」を開催。「買える展覧会」を掲げる本企画は、日本の戦後美術の理解を促進する展示内容とともに、すべての出品作品がギャラリーを介して購入可能であるという、「美術館で作品を鑑賞する体験と、ギャラリーで作品を購入する体験を合わせた新しい発想による試み」(蜷川敦子、AWTディレクター)となる。本展のアーティスティックディレクターを務めるのは、滋賀県立美術館ディレクターの保坂健二朗。保坂は東京国立近代美術館時代に「コレクター気分を体験できる「ゲーム」を用意し、作品の「価値」を考える場」として「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより」(2014)を企画した経験を持つ。展示会場は、大倉財閥の創始者で、日本近代美術業界の牽引者でもあった実業家・大倉喜八郎が1917年に創設した私立美術館「大倉集古館」を使用。出品作家や開館情報など、詳細は8月末頃の発表を予定している。

また、アートウィーク東京モビールプロジェクト(主催:東京都、アートウィーク東京モビール プロジェクト実行委員会)は、AWTの大きな特徴のひとつである都内の主要なアートスペースを巡るAWT BUSの運行に加え、子どもや学生を対象とした展覧会ツアーや、これからアートコレクターを目指す人々を対象に日本を代表するコレクターと連携したスタートアップセミナーを開催。さらに、慶應義塾大学アート・センターと共催し、国内外のキュレーターをゲストに迎えたシンポジウムやラウンドテーブルも企画している。また、AWT全体としても、2021年度から継続するオンライントーク、アーティストとのコラボレーションカクテルや新世代のシェフによるオリジナリティ溢れる料理を提供する、鑑賞後に集う憩いの場としてのAWT BAR(emergence aoyama complex)の開設など、幅広い観客層に向けた、さまざまなプログラムを用意、詳細は6月以降に順次発表を予定している。

 

アートウィーク東京
2023年11月2日(木)-11月5日(日)10:00–18:00
https://www.artweektokyo.com/
会場:都内50の美術館、インスティテューション、ギャラリー、大倉集古館(AWT FOCUS)、AWT BARほか、各プログラム
主催:一般社団法人コンテンポラリーアートプラットフォーム
提携:アートバーゼル
特別協力:文化庁
※VIPプレビューは10月31日(火)、11月1日(水)の2日間を予定
※会場やプログラムにより時間が異なる場合あり

アートウィーク東京モビールプロジェクト
2023年11月2日(木)-11月5日(日)10:00–18:00
主催:東京都、アートウィーク東京モビールプロジェクト実行委員会

 


東京国立近代美術館所蔵作品展「MOMATコレクション」展示風景


東京都庭園美術館外観


カンディダ・へーファー「Die Young, Stay Pretty」展示風景 コタロウヌカガ 2023年 ©Osamu Sakamoto


川辺ナホ・宇多村英恵「STRATA 複数の地層」展示風景 ウェイティングルーム 2022年 Courtesy of WAITINGROOM, photo by Shintaro Yamanaka (Qsyum!)

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