猪熊弦一郎展 ホノルル

猪熊弦一郎展 ホノルル
Genichiro Inokuma: Honolulu

“アメリカに又第一歩” ハワイ時代の画業を紹介

「猪熊弦一郎展 ホノルル」ポスタービジュアル デザイン:芝野健太

会期:2024年3月23日(土)-6月2日(日)
休館日:月曜日(ただし4月29日、5月6日は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)
開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)

主催:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団
後援:ハワイ州観光局

同時開催
常設展「猪熊弦一郎展(仮称)」

開催概要

“別天地ハワイには其日朝当着 うその如く青空 まつたく別の天地である”*
1973 年に患った脳血栓をきっかけに、20 年に及ぶニューヨークでの活動に区切りをつけることとなった猪熊弦一郎(1902-1993)。翌年、降り立ったハワイの青空に勇気づけられ、「アメリカに又第一歩始まる。」*と再出発を決意します。その後ホノルルにアトリエを構えると、1976 年には現地で見た虹にインスピレーションを得た絵画を完成させます。以降、ハワイの自然からの影響や宇宙への関心がうかがえる鮮やかな絵画の数々を生み出しました。高層ビルが並ぶニューヨークから自然豊かなハワイへ。新たな環境に支えられながら、より自由に、自ら描くべきものを追求した猪熊のハワイ時代の表現をご紹介いたします。

* 猪熊弦一郎の日記より(1974 年 7月20日)。原文ママ。

猪熊弦一郎《Rainbow Z》 1976年 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵
©公益財団法人ミモカ美術振興財団

■見どころ

“Rainbow State”で生まれた表現
ハワイは別名 “Rainbow State”とも呼ばれるほど、虹が多く現れることで知られています。猪熊もまたハワイに拠点を移した後、現地で見た虹にインスピレーションを得た絵画を1976年に完成させました。それらはニューヨーク時代の幾何学的な画面構成を引き継ぎつつ、その後の展開を予期させる表現にもなっています。本展では、新たな環境がもたらした変化を起点に、猪熊のハワイ時代の表現を展覧します。

猪熊由来の写真資料 ホノルルの虹(1987年)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵 ©公益財団法人ミモ
カ美術振興財団

ポストコロナを勇気づける絵画
突然の病によりニューヨークでの生活に区切りをつけることとなった猪熊が、現地のアトリエを片づけるために飛行機でニューヨークに向かう途中、ハワイに降り立ち「アメリカに又第一歩」と誓ったのは、今からちょうど半世紀前の1974年でした。当時70歳を過ぎていた猪熊が、大きな病を乗り越え、再出発する中で生み出した鮮やかでエネルギーに満ちた絵画の数々は、ポストコロナに生きる私たちを勇気づけてくれるでしょう。

猪熊弦一郎《No.1 星からの手紙(ラブ)》 1983年
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵 ©公益財団法人ミモカ
美術振興財団

アトリエの写真なども紹介
猪熊が制作活動の拠点としたハワイのアトリエでは、ホノルルの街並みや広場に生い茂るヤシの木、山などの風景を窓から眺めることができました。本展では、猪熊の制作活動を知る手がかりとして、現地で見た虹や生命力に溢れる植物などを捉えた写真資料もご紹介します。

 

■展示構成・出品作品
※本展でご紹介する内容や出品作品の一例です。
※展示構成や出品作品は一部変更となる可能性があります。

ニューヨークからハワイへ
約 20 年間を過ごした都市ニューヨークから、豊かな自然に囲まれたハワイへ。本展は制作環境を移したことをきっかけとする猪熊の表現の変化に着目します。

猪熊由来の写真資料 ホノルル
のアトリエ(1985年)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵
©公益財団法人ミモカ美術振興財団

虹 – ハワイでの再出発
猪熊がハワイで見た虹にインスピレーションを得て描いたと考えられる1976 年の作品や、現地の風景やアトリエなどを撮影した写真資料などをあわせてご紹介します。

猪熊弦一郎《Rainbow Z1》 1976年
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵
©公益財団法人ミモカ美術振興財団

宇宙空間への関心
ハワイでは、重力から解放されたかのような浮遊感のある画面構成や、作品名に「星」や「星座」といった言葉が用いられるなど、宇宙空間への強い関心がうかがえる作品が描かれました。

猪熊弦一郎《宇宙は機械の運動場 No.2》
1981年
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵
©公益財団法人ミモカ美術振興財団

『アリゾナとカチナドール』
1982 年に刊行された『アリゾナとカチナドール』(求龍堂)は、猪熊が 1955 年の渡米後に初めて訪れたアリゾナ砂漠を思い出しながら描いたスケッチを掲載した画集です。本展ではその原画の一部を、猪熊が所蔵していたカチナドールとともに展示します。

猪熊弦一郎のコレクションより カチ
ナドール
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵
撮影:高橋章

有機的形態
1980 年代半ばには、ヤシの木のシルエットや、植物の芽を彷彿させるモチーフが画面に登場します。はっきりとした輪郭線でそれらのモチーフが描かれ、強い生命力を感じさせる絵画が生み出されました。

猪熊弦一郎《発芽時代》 1985年
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵
©公益財団法人ミモカ美術振興財団

■関連プログラム

「キュレーター・トーク」
概要:本展担当キュレーター(竹崎瑞季)が展覧会をご案内いたします。
日時:2024 年 4月7日(日)、5月5日(日)、6月2日(日) 各日14:00-
参加料:無料(別途、本展観覧券が必要です)
申込不要。3階展示室入口前にお集まりください。

「親子でMIMOCAの日」
概要:高校生以下または18 歳未満の観覧者 1 名につき、同伴者 2 名まで観覧無料となります。
日時:2024 年 4月20日(土)、21日(日) 各日10:00-18:00

※その他のプログラムは詳細が決まり次第、当館 WEBサイトなどでお知らせいたします。

■出品作家プロフィール

猪熊弦一郎(いのくまげんいちろう)

1902年、香川県高松市に生まれ、旧制丸亀中学校(現丸亀高校)卒業。その後上京し、東京美術学校(現東京藝術大学)に進学、藤島武二教室で学ぶ。
1938-40年、パリに遊学、アンリ・マティスに学ぶ。戦後は、三越包装紙「華ひらく」のデザインや、国鉄上野駅(現JR上野駅)の壁画《自由》を手がけた。1955年にニューヨークに渡り、以降約20年間、同地を制作の拠点とする。1975年からは東京とハワイで制作を続けた。1991年、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館開館。1993年、90歳で死去。

撮影:高橋章

 


■プレス向け内覧会

本展開催に先立ち、3月22日( 金 )にプレスプレビューを実施いたします。
13:00~開始


広報用画像の申請について
プレスリリース「猪熊弦一郎展 ホノルル」|プレス|MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

企画展詳細ページ
猪熊弦一郎展 ホノルル|企画展|MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

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