山口勝弘「光の海」(部分)1981/2014年 映像インスタレーション 22分3秒 Photo: Sadamu Saito
横浜wo発掘suru vol.5
山口勝弘展—水の変容
2014年10月18日(土)-11月9日(日)
横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室1・2
http://artazamino.jp/
開廊時間:10:00-18:00
休館日:10/27
横浜市民ギャラリーあざみ野では、横浜の芸術資源としての作品やアーティストを発掘、紹介するシリーズ「横浜wo発掘suru」の第5弾として、「実験工房」のメンバーで、メディアアートの先駆者の山口勝弘の近年の活動を紹介する『山口勝弘展—水の変容』を開催する。
山口勝弘は1928年東京生まれ。51年に日本大学法学部を卒業すると、瀧口修造を精神的なリーダーとして、秋山邦晴、北代省三、武満徹、福島秀子らとともに「実験工房」を結成する。50年代に光学原理を応用した「ヴィトリーヌ」シリーズの制作を開始、60年代にはテクノロジーを取り込んだ空間、環境、身体によるパフォーマンスを展開していく。大阪万博では三井グループ館のチーフ・プロデューサーを務めた。また、72年にはビデオによる芸術活動を目的とした「ビデオひろば」を結成している。その後も、テクノロジーをデモンストレーションするのではなく、常に批判精神を持ち続ける実践を試みている。また、制作活動のみならず、『不定形美術ろん』、『環境芸術家キースラー』、『パフォーマンス原論』、『ロボット・アヴァンギャルド』、『メディア時代の天神祭』など多数の著書を執筆している。
山口は2001年に病に倒れ、身体の不自由を強いられながらも、制作活動を継続しており、本展では、継続的にモチーフとしてきた「水」をテーマに、東日本大震災を機に制作した「三陸レクイエム」(2011)などの近作の映像作品、絵画作品を中心に、旧作の再構成なども交えて紹介。昨年から今年にかけて、神奈川県立近代美術館 鎌倉を皮切りに国内を巡回した『実験工房展 戦後芸術を切り拓く』や、川崎市岡本太郎美術館で開催された『かたちとシミュレーション 北代省三の写真と実験』など、「実験工房」を再考する機会の増える中で、現在もなお制作活動を続ける山口の作品世界、創造性に触れる貴重な機会となる。
ART iTでは、2010年12月に山口へのインタビュー「時空を回遊する想像的行為」を掲載。また、『山口勝弘 360°』より「〈イマジナリウム〉の実験(1977)」と「〈イマジナリウム〉(1981)」を山口の了承のもと、転載している。
関連イベント
対談「瀧口修造と美術映画」
山口勝弘
森下明彦(メディア・アーティスト/美術・音楽・パノラマ愛好家)
2014年10月19日(日)14:30-15:30(開場:14:15)
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野 3階アトリエ
※無料、申込不要
レクチャー「山口勝弘 1951-2014」
草原真知子(メディアアート・キュレーター/早稲田大学教授)
北市記子(静岡産業大学准教授)
八尾里絵子(甲南女子大学准教授)
2014年11月3日(月、祝)14:00-16:00(開場:13:45)
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野 3階アトリエ
定員:40名(要事前申込、応募多数の場合抽選)※申込締切は10/23(木)必着
参加申込URL:http://artazamino.jp/hakkutu-kanren-form/
※無料