アートワークno.2 マリーナ・アブラモヴィッチ《Library for Human Use》

マリーナ・アブラモヴィッチ
Marina Abramovic

1964年旧ユーゴスラヴィアのベオグラード生まれ。
コミュニケーションの意味を問うパフォーマンスやインスタレーションで知られています。

当館のホームギャラリー(美術図書室)にはユニークな本棚が設置されています。
この本棚は、それ自体がマリーナ・アブラモヴィッチの《The Library for Human Use》(人間のための図書館)というタイトルのついた作品で、この本棚の中には、寝転がったり座ったりして本を読むことができるスペースが作られています。
この作品について、彼女はこのような言葉を寄せています。
「子供のころ、よく食器棚の中に隠れて懐中電灯で本をよんだものでした。私はその食器棚の、現実世界から自分を隔て、孤独感を与えてくれる自分だけの親密な空間が大好きでした。その空間は、当時読んでいた本の世界に浸るのにぴったりでした。」
この作品は、そのときの彼女の自身の感覚を再現しようとしています。
ホームギャラリーは、使用する人の心を、手にした本の世界に入っていくのに必要な状態へと導いていけるようになっています。

マリーナ・アブラモヴィッチ《Library for Human Use》2002年、熊本市現代美術館

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