「東京尾行」2015-2016年
ハラドキュメンツ10 佐藤雅晴—東京尾行
2016年1月23日(土)-5月8日(日)
原美術館
http://www.haramuseum.or.jp/
開館時間:11:00-17:00(祝日を除く水曜は20:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし3/21は開館)、3/22
原美術館では、キュレーターの育成や若手作家の支援を目的とした不定期開催のプロジェクト「ハラドキュメンツ」の第10弾として、『佐藤雅晴—東京尾行』展を開催。2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて変わりゆく東京を描いた最新作をはじめ、これまでの代表作や平面作品を紹介する。
佐藤雅晴は1973年大分県生まれ。現在は茨城県在住。ビデオカメラで撮影した映像の何百ものコマをパソコンソフトのペンツールでトレースしたアニメーション作品で知られる。1999年に東京芸術大学大学院を修了した佐藤は、デュッセルドルフ美術大学の研究生としての在籍期間(2000-2002)を含む10年にも及ぶドイツでの制作活動を通じて、上述した手法によるアニメーションの制作をはじめる。2009年に第12回岡本太郎現代芸術賞で特別賞を受賞(出品作は「アバター11」)。身近な光景を時間の移ろいも交えて精緻にトレースした「Calling(ドイツ編)」(2009-2010)で注目されると、2013年には川崎市市民ミュージアムやギャラリーαMで個展を開催。第15回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展(国立新美術館ほか、2012)や『日常/オフレコ』(KAAT神奈川芸術劇場、2014)など、国内外での発表を重ねている。
本展には、「Calling(ドイツ編)」に加え、佐藤がドイツから日本に帰国した直後に起きた東日本大震災、自身や家族を続けざまに襲った病魔との闘いなどを経て制作した「Calling(日本編)」(2014)も出品。また、友人の言葉をきっかけに「トレース=尾行」という新たな認識の下で制作をはじめた最新作「東京尾行」(2015-2016)を発表する。同作品は、2015年に佐藤が東京を歩き回り撮影した映像を基にしており、これまでの作品と異なり、実写映像の一部分のみをトレースすることで、虚実一体となった映像を観客に意識させる。また、アニメーション作品のみならず、絵画と写真の中間に位置するような平面作品も出品される。
ハラドキュメンツ10 佐藤雅晴—東京尾行
本展会期中、原美術館ではギャラリーⅢ、Ⅳ、Ⅴを使用して『原美術館コレクション展:トレース』を併催。他人の苦しみをなぞることで自分の苦しみを相対化するソフィ・カルの「限局性激痛」(第2部)や、名画の登場人物や現代のイコン的な人物に扮することで「模写」する森村泰昌の作品などを出品する。
Above:「Calling(ドイツ編)」2009-2010年
Below:「Calling(日本編)」2014年
関連企画
Meets the Artist 佐藤雅晴
詳細は後日、公式ウェブサイトにて告知。
ハラドキュメンツ過去展示作家
1992|ハラドキュメンツ 福田美蘭
1993|ハラドキュメンツ2 IDEAL COPY—Channel: Exchange
1993|ハラドキュメンツ3 洪水;聖なる侵入(坂上チユキ、小山田徹、イヴ・クライン)
1994|ハラドキュメンツ4 里博文「存在の棲処(すみか)」
1998|ハラドキュメンツ5 館勝生—絵画の芽
1999|ハラドキュメンツ6 須田悦弘—泰山木
2002|ハラドキュメンツ7 完成で未完成で…着せ替え人形「桃子」(真鍋奈見江)
2002|ハラドキュメンツ8 想影 Omokage-in/visible- 笹口数
2012|ハラドキュメンツ9 安藤正子—おへその庭