青空は、太陽の反対側にある @ 原美術館ARC


奈良美智《Eve of Destruction》2006年 カンヴァスにアクリル絵具 117.0×91.0cm ©Yoshitomo Nara

 

青空は、太陽の反対側にある
第1期(春夏季)2023年3月24日(金)– 9月3日(日)
第2期(秋冬季)2023年9月9日(土)– 2024年1月8日(月・祝)
※特別展示室・觀海庵は会期中展示替えあり
原美術館ARC
https://www.haramuseum.or.jp/
開館時間:9:30–16:30 入館は閉館30分前まで
休館日:木(祝日を除く)、1/1 ※8月中無休
展覧会担当:坪内雅美(原美術館ARC学芸員)
展覧会URL:https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/exhibition/1266/

 

2023年度の原美術館ARCは、「青空は、太陽の反対側にある」のキーフレーズの下、「原美術館コレクション」(現代美術)と「原六郎コレクション」(東洋古美術)を紹介する展覧会を春夏季と秋冬季の2期制で開催する。

東京・品川の原美術館(2021年閉館)と、群馬・渋川の別館ハラ ミュージアム アークの活動を集約し、2021年4月に始動した原美術館ARCは、2021年度は「虹をかける」、2022年度は「雲をつかむ」と、同館の豊かな自然環境に作品制作や鑑賞のあり方の一端を表す言葉を求め、展覧会を企画している。

「青空は、太陽の反対側にある」のキーフレーズを掲げる本年度は、近年国内外の美術館で回顧展が開かれた久保田成子をはじめ、荒川修作ギルバート&ジョージヨーゼフ・ボイスなど、自身の理想を求めて当時の美術的・社会的動向に背を向けた国内外のアーティストの作品を現代美術ギャラリーA・B・Cで紹介する。

 


ギルバート&ジョージ《成熟》1986年 写真 241.3 x 151.1cm © Gilbert & George


やなぎみわ《My Grandmothers: AI》2003年 ライトジェットプリント 180.0×240.0cm ©Miwa Yanagi

 

一方、特別展示室 観海庵では、鎖国の江戸期に西洋絵画や科学に傾倒した司馬江漢や、「朦朧体」と揶揄されながらも墨線を否定し、独自の表現を切り開いた横山大観の作品を展示。そのほか、通常は東京国立博物館に寄託している原六郎コレクションから、国宝の《青磁下蕪花瓶》、記録に残る限り明治45年の東京帝室博物館(現東京国立博物館)の特別展覧会「和漢青磁器」展以来の一般公開となる《青磁袴腰香炉》(ともに展示期間は3月24日から4月26日)を出品する。さらには「光悦本」と呼ばれる希少な古活字本である『謡本』を初公開。1年を通じて、帖を替えながら展示する。また、屋外には2021年に閉館した原美術館から、飯田善國の《風の息吹き》(1980)、関根伸夫の《空相》(1980)、多田美波の《明暗 No.2》(1980)、イサム・ノグチの《物見台》(1959-81)の移設が完了し、鑑賞することができる。

 


《青磁下蕪花瓶》南宋時代 磁器 撮影:上野則宏 ※第1期 前期展示(2023年3月24日から4月26日)※第1期展示


《青磁袴腰香炉》年代不詳 磁器 ※第1期 前期展示(2023年3月24日から4月26日)※第1期展示

 

出品作家(予定)
第1期
現代美術:艾未未(アイ・ウェイウェイ)、安藤正子、イェルク・インメンドルフ、河原温、リー・キット、ギルバート& ジョージ、スラシ・クソンウォン、佐藤時啓、須田悦弘、ルフィーノ・タマヨ、ジャン・デュビュッフェ、奈良美智、ゲオルク・バゼリッツ、A.R.ペンク、ヨーゼフ・ボイス、張洹(ジャン ホワン)、やなぎみわ、ジム・ランビー、ロイ・リキテンシュタイン、ジャン=ピエール・レイノーなど
古美術:《青磁下蕪花瓶》(国宝)、《青磁袴腰香炉》、《青磁水注花入》、《光悦謡本》、狩野派《花鳥図屏風》、《紫陽花蒔 絵重箱》、本阿弥光悦《蝶下絵和歌巻(古今和歌集春歌上)》など

第2期
現代美術:カレル・アペル、荒川修作、アルマン、アルマンド、アンディ・ウォーホル、クレス・オルデンバーグ、工藤哲巳、久保田成子、クリスト、ヴィレム・デ・クーニング、篠原有司男、セザール、アントニ・タピエス、蜷川実花、エルネスト・ネト、森村泰昌、ロバート・メイプルソープ、マーク・ロスコなど
古美術:司馬江漢《冨嶽図》、横山大観《海辺曙色図》、《光悦謡本》、本阿弥光悦《蝶下絵和歌巻(古今和歌集春歌上)》 など

通年展示作品
アニッシュ・カプーア《虚空》、草間彌生《ミラールーム(かぼちゃ)》、宮島達男《時の連鎖》、森村泰昌《輪舞 (双子)》、奈良美智《My Drawing Room》(「My Drawing Room」内全作品貸出しのため、 第2期は作家による特別展示)、束芋《真夜中の海》、鈴木康広《日本列島のベンチ》など

 


原美術館ARC 外観 撮影:木暮伸也

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