MAMリサーチ004:ビデオひろば−−1970年代の実験的映像グループ再考 @ 森美術館

MAMリサーチ004:ビデオひろば−−1970年代の実験的映像グループ再考
2016年7月30日(土)-2017年1月9日(日)
森美術館
http://www.mori.art.museum/
開館時間:10:00-22:00(火曜は17:00まで)入館は閉館30分前まで
会期中無休

企画:近藤健一(森美術館キュレーター)
協力:中谷芙二子、阪本裕文(稚内北星学園大学准教授)

森美術館ではMAMリサーチの第4弾として、1972年に結成された日本の実験的映像グループ「ビデオひろば」の活動を今日の視点から再検証する試み『MAMリサーチ004:ビデオひろば−−1970年代の実験的映像グループ再考』を開催する。

MAMリサーチは昨年のリニューアルオープン時に新たに立ち上げられたプログラムで、アジア各地のアーカイブ、研究機関、研究者などとの恊働企画を前提に、作品に限定されない展示を通じて、社会的にも政治、経済的にも複層的な背景から生まれてきたアジアの現代美術について考察し、その歴史的文脈の解明を試みている。

今回取り上げるビデオひろばは、1972年に結成された実験的映像グループで、中谷芙二子、山口勝弘、かわなかのぶひろ、小林はくどう、松本俊夫、萩原朔美、和田守弘など数多くのアーティストやクリエーターが参加した。ビデオひろばは、当時最新のメディア「ビデオ」をコミュニケーションのツールに、社会運動に介入したり、一般市民の議論を促進するなど、既存のマスメディアに対するオルタナティヴなメディアの創造を目指す活動を展開した。代表的なプロジェクトには、経済企画庁委託の横浜市野毛地区の再開発について、住民にビデオインタビューし、行政へのフィードバックを試みた「ビデオによる新・住民参加の手法」(1973)などがある。そのほか、会報誌を通じた言説形成や活動報告、ビデオカメラなどの機材の安価での貸出などといった実験的な試みも行なっている。ビデオひろばの活動は70年代半ばに収束していくが、中谷芙二子が開廊した「ビデオギャラリーSCAN」や小林はくどうが関わった「東京ビデオフェスティバル」などに引き継がれていった。

本展では、ビデオひろばの主要メンバーの映像作品に加え、多数の写真、テキスト、書籍、資料を通じて、その活動を再考する。

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