杉本博司『ON THE BEACH』@ ギャラリー小柳


「On the Beach 007」1990年 プラチナ・プリント 2014年
© Hiroshi Sugimoto/Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司『ON THE BEACH』
2014年8月21日(木)-9月30日(火)
ギャラリー小柳
http://www.gallerykoyanagi.com/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝
※レセプション:8月21日(木)18:00-20:00

ギャラリー小柳では、写真作品、建築、そして、近年は能楽や文楽といった伝統芸能も自身の表現形式に取り入れ、時間や歴史、美の考察を続ける杉本博司の個展『ON THE BEACH』を開催する。

杉本博司は1948年東京都生まれ。70年代後半から80年代にかけて、自然史博物館で撮影した『ジオラマ』、長時間露光で映画のスクリーンを撮影した『劇場』、世界各地の海/水平線を撮影した『海景』といった代表作の制作をはじめる。94年にロサンゼルス現代美術館、95年にメトロポリタン美術館などを巡回する個展を開催すると、その後も、ベルリン、ビルバオ、ニューヨークのグッゲンハイム美術館(2000)やシカゴ現代美術館(2003)、森美術館(2005)などにて継続して作品を発表。ニューヨーク近代美術館やテートギャラリー、ポンピドゥー・センターなど世界の主要な美術館に作品が所蔵されている。

本展では、砂浜に打ち捨てられ、点在していた自動車の部品などを撮影した「ON THE BEACH」シリーズを発表する。撮影から20年以上を経た同シリーズは、今年4月に現在もパレ・ド・トーキョーで開催中の個展で初めて公開され、同5月にはアマナより同名写真集が刊行された。

形あるものが腐食していく様は凄まじいと同時に美しくもある。そして時間が腐食を促すのだ。文明が腐食するのにはそれ程の時間はかからない。近代文明の象徴のような自動車が溶け失せるには、数十年の時で済むのだ。
(杉本博司「時の物差し」本展リーフレットより抜粋)

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