DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然
2025年2月8日(土)-3月31日(月)
(前期:2/8-3/2|後期:3/4-3/31)※4点の展示替えあり
DIC川村記念美術館
https://kawamura-museum.dic.co.jp/
開館時間:9:30–17:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし2/24、3/31は開館)、2/25
展覧会URL:https://kawamura-museum.dic.co.jp/art/exhibition-past/2025/collection/
DIC川村記念美術館では、34年にわたる千葉県佐倉での活動の最後の締めくくりとして、設立当初から大切にしてきた作品、建築、自然の調和というコンセプトに基づき、庭園と館内すべての展示室で約180点のコレクションを展観する「DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然」を開催する。
2024年8月に美術館の運営母体であるDIC株式会社が運営見直しと休館を発表。その後、休館開始予定の変更を経て、同年12月に美術館運営の継続を前提に規模を縮小し、東京都内に移転することを最終方針として決定した。DIC川村記念美術館は1990年に「川村記念美術館」として開館(2011年4月1日より現在の名称に改称)。設立当初より「環境・建物・作品の3つの要素の調和」を美術館の理想の姿として掲げ、コレクション展示を中心に、数々の展覧会を開催してきた。
ロスコ・ルームへと続く廊下 撮影:高橋マナミ
200室 撮影:高橋マナミ
建築家の海老原一郎が設計したそれぞれ全く異なる意匠を持つ11の展示室を基本に、個々の作品の存在を受け止め、鑑賞する個人との語らいが生まれるよう細部まで熟慮された建築における最後の展示となる本展は、「印象派からエコール・ド・パリへ」(101室)に始まり、「レンブラント・ファン・レイン」(102室)、「抽象美術の誕生と展開」(103室)、「版画、写真、ドローイング」(110室)、「ダダ、シュルレアリスムとその展開」(104室)と続き、105室では同館が所蔵するジョゼフ・コーネルの作品全17点を展示予定。そして、同館の姿勢を象徴するとも言えるロスコ・ルーム〈シーグラム壁画〉専用展示室(106室)。マーク・ロスコの連作7点を恒久展示するために2008年に増築された部屋は、壁面に1点ずつ絵を掛けられるよう変形七角形となっており、作品に包まれる感覚を強めるため、壁のコーナーは曲面に仕上げ、繊細な絵肌を引き立てるため壁には珪藻土を、床には黒く焼いたナラ材を用いて、光の反射を抑えた設えとなっている(設計は、開館時に海老原率いる設計チームで実作業の中心的役割を担った建築家、根本浩)。さらに、ふたつの大きな窓を持つ開放的な空間を持つ200室から、第二次世界大戦後のアメリカ美術の大型作品を紹介する「フランク・ステラ」(201室)、「抽象表現主義、カラーフィールド」(202室)、「ネオダダからミニマリズム、日本の現代へ」(203室)へと続いていく。
ムーア彫刻と広場 撮影:高橋マナミ
DIC川村記念美術館外観 撮影:高橋マナミ