《人面付土器》(鶴見区上台遺跡) 弥生時代後期 H32cm
横浜市歴史博物館蔵 (神奈川県指定重要文化財)
横浜美術館リニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」
2025年2月8日(土)-6月2日(月)
横浜美術館
https://yokohama.art.museum/
開館時間:10:00–18:00(入場は閉場の30分前まで)
休館日:木(ただし、3/20は開館)、3/21
企画:蔵屋美香(横浜美術館館長)
展覧会URL:https://yokohama.art.museum/exhibition/202502_welcome_back_yokohama/
横浜美術館では、全館リニューアルオープンを迎える2月8日から、「横浜」をキーワードにした展覧会「おかえり、ヨコハマ」を開催する。本展は、2020年に同館館長に就任した蔵屋美香による初の企画展となる。
今回、コレクションを新たな視点で紹介するのに加えて、横浜市歴史博物館、横浜開港資料館、横浜都市発展記念館、横浜市民ギャラリーなど、主に市内の施設が所蔵する作品や資料も展示する。また、本展のためにアーティストに委嘱した新作をグランドギャラリー他で公開。「横浜」とリニューアル後の活動理念の柱である「多様性」をキーワードに全8章で構成し、開港以前の横浜に暮らした人々や女性、子ども、さまざまなルーツを持つ人々に改めて光を当てる。
ペーター・ベルンハルト・ヴィルヘルム・ハイネ(伝)《ペルリ提督横浜上陸の図》1854年以降 油彩、カンヴァス 53.3 × 80.5 cm 横浜美術館蔵(原範行氏・原會津子氏寄贈)
昇斎一景《汐留より蒸気車通行の図》1872年 多色木版(三枚続) 36.8 × 73.5 cm 横浜美術館蔵(齋藤龍氏寄贈)
五姓田芳柳(伝)《外国人女性和装像》制作年不詳
絹本着色、軸 99.0 × 38.8 cm 横浜美術館蔵
第1章の「みなとが、ひらく前」では、市や県の歴史博物館協力の下、縄文期から広義の横浜市域に暮らした人々が使ったモノや遺したモノを、「女性」や「子ども」などのテーマに沿って紹介する。第2章の「みなとを、ひらけ」では、昇斎一景《汐留より蒸気車通行の図》のような西洋風の街並みや各国人の姿、鉄道などが描かれた錦絵が流通した時代を扱う。また、開港直後から始まり、以後繰り返される遊廓や赤線に関する歴史を辿る。第3章の「ひらけた、みなと」では、外国人向けの土産品として作品を制作した五姓田芳柳のように、輸出品として多くの絵画や工芸品が作られ、文化と文化の接触面「コンタクト・ゾーン」に生まれた作品を紹介する。第4章の「こわれた、みなと」では、輸出入関連の仕事を求めて日本各地から人が集まり、急速に人口が増加した横浜で生きた牛田雞村や今村紫紅などの作品を紹介しつつ、1923年の関東大震災時にアーティストたちが何を見て、何を描き残したのかを読み解く。
中島清之《関東大震災画巻》(部分)1923年 紙本淡彩、巻子 27.8 × 770.5 cm 横浜美術館蔵(中島清之氏寄贈)
片岡球子《緑蔭》1939年 紙本着色 194.0 × 286.0 cm 横浜美術館蔵(片岡球子氏寄贈)
松本竣介《Y市の橋》1943年 油彩、カンヴァス 61.0 × 73.0 cm 東京国立近代美術館蔵
第5章の「また、こわれたみなと」では、世界恐慌や震災を乗り越え、戦時下まで繁栄を謳歌しながら時代の波にのまれていく横浜の姿を、アーティストたちが描いた川や橋の風景を通して探る。松本竣介による横浜駅近くの月見橋を描いたシリーズ〈Y市の橋〉は、横浜で初のまとまった展示となる。第6章の「あぶない、みなと」では、敗戦時の米軍兵のための慰安施設や、真金町(永真)遊郭、本牧のチャブ屋街、街娼など、売春防止法完全施行まで続いた占領下から高度経済成長期までの横浜の様子を、常盤とよ子の作品などを通して紹介する。第7章の「美術館が、ひらく」では、「横浜博覧会(YES’89)」(1989)にあわせて丹下健三が設計し開館した横浜美術館の設立過程を紹介。また、開館前後に収蔵されたポール・セザンヌ《縞模様の服を着たセザンヌ夫人の肖像》のオルタンス・フィケ=セザンヌや、ピカソ《ひじかけ椅子で眠る女》のマリー=テレーズ・ワルターなど、描かれたモデルの声に耳をすませるように、30年以上親しまれてきたコレクションを新たな視点から読み直す。第8章の「いよいよ、みなとが、ひらく」では、2010年代以降の作品とアーティストの檜皮一彦に制作を委嘱した新作を紹介する。また、本章では子どものために作品を選び、見やすいよう工夫して展示する「子どもの目でみるコーナー」も設け、親子で話しながら鑑賞できる仕掛けも用意している。
常盤とよ子《路上》1954年(1988年のプリント) ゼラチン・シルバー・プリント 49.8 × 35.8 cm
横浜美術館蔵
ルネ・マグリット《王様の美術館》1966年 油彩、カンヴァス 130.0 × 89.0 cm 横浜美術館蔵
檜皮一彦《walkingpractice feat.HIWADROME》2023年 サイズ可変 車いす、カーブミラー、 LED照明、プロジェクター、LCD、メディアプレイヤー、 3Dプリンター、マネキン、インシュロック 発表場所:東京都美術館(参考写真)
関連イベント
アーティスト・インタビュー
「映画と空間:アーティスト/映画監督、クリス・チョン・チャン・フイに聞く」
2025年2月8日(土)14:00-15:30
登壇:クリス・チョン・チャン・フイ(アーティスト/映画監督、本展出品作家)、蔵屋美香(横浜美術館館長、本展企画者)※和英逐次通訳つき
会場:横浜美術館「おかえり、ヨコハマ」展 展示室
参加料:無料(要当日有効の観覧券、申込不要)
同時開催
コレクション展
2025年2月8日(土)-6月2日(月)
横浜美術館 ギャラリー5、ギャラリー6
https://yokohama.art.museum/exhibition/202411_jiyu-area/
コレクション展(じゆうエリア)
2024年11月1日(金)-2025年6月2日(月)※予定
横浜美術館 ギャラリー8、ギャラリー9
https://yokohama.art.museum/exhibition/202502_collection/