そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠 @ 東京都庭園美術館


左:青木野枝《微塵》2020年 gallery21yo-j(東京)展示風景 ©︎Noe Aoki, courtesy of ANOMALY 撮影:山本糾 画像提供:東京都庭園美術館 右:三嶋りつ惠《FONDO DI LUCE》2022年 撮影:三嶋りつ惠 画像提供:東京都庭園美術館

 

そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠
2024年11月30日(土)-2025年2月16日(日)
東京都庭園美術館 本館+新館
https://www.teien-art-museum.ne.jp/
開館時間:10:00–18:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、1/13は開館)、年末年始(12/28-1/4)、1/14
展覧会URL:https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/241130-250216_noeaokiandritsuemishima-2/

 

東京都庭園美術館では、鉄を用いて空間に線を描くような彫刻で表現の地平を切り拓いてきた青木野枝と、無色透明のガラス作品を通して場のエネルギーを掬い取り光に変換してきた三嶋りつ惠の二人展「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」を開催する。

青木野枝(1958年東京都生まれ)は、溶断と溶接という鉄を扱う上での基本的な技術により、工業用の鉄板から線や円を切り出し、展示空間やその場に合わせてそれらを巧みに繋ぎ、まるでドローイングを描くかのように展開する抽象彫刻を制作してきた。自然の働きを想わせるタイトルを作品に付すことも多く、その場に現れるインスタレーションを通して、変化や増殖といった生命感を呼び覚ます風景を立ち上げる。1995年に国立国際美術館の中堅作家を紹介する「近作展」シリーズで個展を開催。その後も目黒区美術館(2000)、豊田市美術館(2012)、名古屋市美術館(2012)で個展を開催。瀬戸内国際芸術祭、越後妻有アートトリエンナーレ、あいちトリエンナーレなどに出品。2019年には「青木野枝 ふりそそぐものたち」(長崎県美術館)、「青木野枝 霧と山」(霧島アートの森、鹿児島)、「青木野枝 霧と鉄と山と」(府中市美術館、東京)と国内3館で異なる内容の個展を連続で開催している。

三嶋りつ惠(1962年京都府生まれ)は、千年にわたり、ガラスの伝統技術が受け継がれるヴェネツィア・ムラーノ島において、工房のガラス職人とのコラボレーションにより作品を制作。無色透明なガラスにこだわり、光の輪郭を描き出す有機的なフォルムの作品を生み出してきた。伝統ある古い建造物の中で作品を展示することも多く、置かれる空間の特性を意識したインスタレーションによる評価も高い。主な個展に「RITSUE MISHIMA ‒ GLASS WORKS」(国立アカデミア美術館、ヴェネツィア、2022)、「IN GRIMANI」(国立パラッツォ・グリマーニ美術館、ヴェネツィア、2013)、「あるべきようわ」(資生堂ギャラリー、東京、2011)、「Frozen Garden / Fruits of Fire」ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館(ロッテルダム、2010)など。主なグループ展に、「アジア回廊 現代美術展」(二条城、京都、2017)、ヨコハマトリエンナーレ2014(横浜美術館、神奈川、2014)、第53回ヴェネツィア・ビエンナーレ ヴェネツィア館(2009)など。

 


青木野枝《もどる水》2023年 gallery21yo-j(東京)展示風景 ©︎Noe Aoki, courtesy of ANOMALY
撮影:山本糾 画像提供:東京都庭園美術館


三嶋りつ惠《HALL OF LIGHT》2019年 ©︎Ritsue Mishima, courtesy of ShugoArts
撮影:Tadayuki Minamoto 画像提供:東京都庭園美術館

 

青木が使用する「鉄」と三嶋が使用する「ガラス」というふたつの素材は、旧朝香宮邸(現東京都庭園美術館)を彩る装飾として、ガラス工芸家のルネ・ラリック(1860-1945)や鉄工芸家のレイモン・シュブ(1891-1970)によるシャンデリアやレリーフ、扉上のタンパン(半円形の飾り部分)などにも使用されている。青木と三嶋は、昼は自然光が差し込み、夕暮れには温かな室内照明が灯り、時間ごと、季節ごとに絶えず変化する陰影に富んだ空間に幾度となく訪れ、1930年代の装飾空間との対話を重ねて、本展のために一期一会の展示プランを作り上げた。本展ではそれぞれ新作も発表。そのほか、本展用に収録した作家インタビューや、作家が撮影した写真イメージ、制作工程が分かる映像や資料も併せて紹介する。

 


青木野枝 制作風景(鉄の溶断)撮影:砺波周平 画像提供:東京都庭園美術館


三嶋りつ惠 制作風景《FONDO DI LUCE》撮影:Oliver Haas 
画像提供:東京都庭園美術館

 

関連イベント
青木野枝・三嶋りつ惠によるアーティストトーク
2025年2月15日(土)14:00–15:30(要申込)
※申込方法など詳細は公式ウェブサイトにて発表

ギャラリートーク「朝香宮邸をめぐる光、そして鉄とガラス」
2025年1月23日(木)、2月6日(木)11:00–12:00
定員:10名(当日受付、先着順)
※詳細は公式ウェブサイトにて発表

哲学対話「ともに考える、対話する ― 光ってなんだろう?」
2024年12月22日(日)14:00–16:30(要申込)
企画・ファシリテーター:NPO法人 こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ
※申込方法など詳細は公式ウェブサイトにて発表

さわ会 — さわっておしゃべり鑑賞会「触れて、感じて、対話する」
2025年2月1日(土)14:00–16:30(要申込)
企画:半田こづえ(明治学院大学 非常勤講師)
※申込方法など詳細は公式ウェブサイトにて発表

先生のための特別研修会
2024年12月6日(金)18:00–20:00(要申込)
企画:江原貴美⼦(港区立笄小学校 図工講師)
※申込方法など詳細は公式ウェブサイトにて発表

ゆったり鑑賞日(フラットデー)
2025年1月22日(水)10:00–18:00 入館は閉館30分前まで
※申込方法など詳細:https://www.teien-art-museum.ne.jp/visit/gallery-day/

ベビーアワー(フラットデー)
2025年1月29日(水)10:00–15:00(※本館内でベビーカーを利用できる時間)
※申込方法など詳細:https://www.teien-art-museum.ne.jp/visit/gallery-day/

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