内藤礼 生まれておいで 生きておいで @ 東京国立博物館


内藤礼《死者のための枕》2023年 撮影:髙橋健治

 

内藤礼 生まれておいで 生きておいで
2024年6月25日(火)-9月23日(月・休)
東京国立博物館 平成館企画展示室、本館特別5室、本館1階ラウンジ
https://www.tnm.jp/
開館時間:9:30–17:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし7/15、8/12、9/16、9/23は開館)、7/16、8/13、9/17
展覧会URL:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2637

 

東京国立博物館平成館では、日々見過ごしがちな世界の片隅に宿る情景や知覚しがたい密やかな現象を見つめ、「根源的な生の光景」を展示空間に出現させてきた内藤礼の個展「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」を開催している(会場:平成館企画展示室、本館特別5室、本館1階ラウンジ)。本展は、東京国立博物館とエルメス財団が共同で企画。9月7日から公開される銀座メゾンエルメス フォーラムの展示空間へと続き再び同館へと戻る構成になっている。

内藤礼(1961年広島県生まれ)は、「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」をテーマに作品を制作。太陽が形づくる光と影、地が生成する水や石、大気が織りなす風や雨、重力といった私たちの傍らにある自然の諸要素と日常のささやかな事物を受け止め、精緻に構想された「地上の生の光景」を見出す空間作品を生み出してきた。1985年に武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科を卒業し、91年には佐賀町エキジビット・スペース(東京)の会場内にテントを吊り、その中でインスタレーションを展開した《地上にひとつの場所を》を発表。内藤は観客がひとりずつ鑑賞するという形式を採る同作品を97年の第47回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館での個展にも出品した。これまでの主な個展に、「みごとに晴れて訪れるを待て」(国立国際美術館、大阪、1995)、「Being Called」(カルメル会修道院、フランクフルト、1997)、「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」(神奈川県立近代美術館 鎌倉、2009)、「信の感情」(東京都庭園美術館、2014)、「Two Lives」(テルアビブ美術館、2017)、「明るい地上には あなたの姿が見える」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、2018)、「うつしあう創造」(金沢21世紀美術館、2020)、「breath」(ミュンヘン州立版画素描館、2023)など。

 


「内藤礼:すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している 2022」 2022年、神奈川県立近代美術館 葉山 《母型》2022 [2009]年 撮影:畠山直哉

 

本展では、内藤が同館の12万件の収蔵品の中から、注文主など作り手以外の意図が制作に大きく関与するようになる以前に作られた縄文時代の土製品を選び、さらに同館の建築や歴史を独自の視点で読み解くことで、あらたな空間作品を制作。また会場のひとつとなる本館特別5室の長年閉ざされていた大開口の鎧戸を開放し自然光を取り込み、場の本来の姿が顕れるよう展示室からカーペットと仮設壁を撤去。天気や訪れる時間により変容し、人と自然、生と死、内と外とが交感する空間を提示する。本展は9月7日から2025年1月13日まで開催される銀座メゾンエルメス フォーラムでの同名の展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」と2会場にまたがって構成され、連作の絵画と立体作品が重なり合いながらも隔たりをもつふたつの場をつなぐ役割を果たしている。

会期中には、内藤と美学者の星野太による記念トークイベントや、現代美術を専門とする神奈川県立近代美術館学芸員の三本松倫代と考古学を専門とする東京国立博物館研究員の品川欣也が、内藤の作品と縄文時代の考古遺物、その出会いについて語る月例講演会の開催も予定されている。

 


「内藤礼:breath」2023年、ミュンヘン州立版画素描館 《color beginning》2023年 撮影:畠山直哉


「内藤礼:breath」2023年、ミュンヘン州立版画素描館 《color beginning》2023年 撮影:畠山直哉

 

関連イベント
「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」記念トークイベント
2024年7月15日(月・祝)14:00–15:30
講師:内藤礼(美術家)、星野太(東京大学 大学院総合文化研究科 准教授)
会場:東京国立博物館 平成館 大講堂
定員:200名(事前申込制・先着順・自由席)※定員に達したため参加申込を締切
聴講料:無料(要当日の入館料)
詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=dtl&cid=5&id=11117

月例講演会「『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』との出会い」
2024年8月17日(土)13:30–15:00
講師:三本松倫代(神奈川県立近代美術館学芸員)、品川欣也(東京国立博物館研究員、海外展室長)
会場:東京国立博物館 平成館 大講堂
定員:380名(事前申込制、応募者多数の場合は抽選)
申込締切(予定):7月15日(月)23:59
聴講料:無料(要当日の入館料)
詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=dtl&cid=1&id=11118

 


 

連携企画
「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」
2024年9月7日(土)-2025年1月13日(月・祝)
銀座メゾンエルメス フォーラム

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