カルダー:そよぐ、感じる、日本 @ 麻布台ヒルズ ギャラリー


Un effet du japonais, 1941 Sheet metal, wire, rod, and paint 203.2 × 203.2 × 121.9 cm.

 

カルダー:そよぐ、感じる、日本
2024年5月30日(木)-9月6日(金)
麻布台ヒルズ ギャラリー
https://www.azabudai-hills.com/azabudaihillsgallery/
開館時間:10:00–18:00(金、土、祝前日は19:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:6/4、7/2、8/6
企画:アレクサンダー・S.C. ロウワー(カルダー財団理事長)
展覧会URL:https://www.azabudai-hills.com/azabudaihillsgallery/sp/calder-ex/

 

麻布台ヒルズ ギャラリーでは、吊るされた抽象的な構成要素が、絶えず変化する調和の中でバランスを保ちながら動く「モビール」の発明で知られるアレクサンダー・カルダーの個展「カルダー:そよぐ、感じる、日本」が開催。約35年ぶりの東京での個展となる本展では、ニューヨークのカルダー財団理事長アレクサンダー・S.C.ロウワーのキュレーションと、同じ麻布台ヒルズ内に7月に拠点をオープンするペースギャラリーの協力のもと、カルダー財団が所蔵する1920年代から1970年代までの作品約100点で構成。代表作であるモビール、スタビル、スタンディング・モビールから油彩画、ドローイングなど、幅広い作品を展示。

アレクサンダー・カルダー(1898-1976/ペンシルベニア州ローントン生まれ)は、キネティック・アートの先駆者のひとり。フランス語で「動き」や「動因」を意味し、1931年にマルセル・デュシャンによってカルダーの作品を表現するために造られた言葉である「モビール」と呼ばれる動く彫刻を発明し、近代彫刻の概念を一変させた。カルダーは、針金を曲げたりねじったりすることで、立体的な人物を空間に「描く」という新しい彫刻の手法をあみだし、芸術活動をスタート。初期のモビールにはモーターで動く作品もあったが、しだいに作品を機械駆動させることをやめ、気流や光、湿度、人間の相互作用に反応する作品を多く制作するようになる。また、芸術家仲間でもあるジャン・アルプが「スタビル」と名付けた静止した抽象的な作品のほか、絵画、ドローイング、版画、宝飾品なども制作、1950年代以降になるとボルトで固定した鉄板を使った壮大なスケールの屋外彫刻にも力を注ぐようになる。

 


Black Beast, 1940 Sheet metal, bolts, and paint 261.6 × 414 × 199.4 cm. Photograph by Ken Adlard © Calder Foundation, New York.


Seven Black, Red and Blue, 1947 Oil on canvas 122.2 × 153 cm.

 

本展は、アメリカのモダンアートを代表するカルダーの芸術作品における、日本の伝統や美意識との永続的な共鳴をテーマに構成。カルダー財団の協力者でもあるニューヨーク拠点の建築家、ステファニー後藤が会場デザインを担当し、カルダーが同時代の建築家たちとコラボレーションしていた精神にならい、3:4:5の直角三角形の幾何学にもとづいた設計で、日本建築の要素や素材を展示空間に取り入れている。カルダーの孫であり企画者のアレクサンダー・S.C.ロウワーは、「モビール、スタビル、スタンディング・モビールが思索と自己創造のための空間をつくりだす様をご覧いただけます。カルダーが終生抱いていた日本の美学と文化への憧れに寄り添い、彼が制作において取り組んだ不均衡性や非対称性、近似性の中にある自由さにもとづいて、直感的にキュレーションしています」と本展についてコメントを寄せている。

 

関連イベント
アレクサンダー・カルダー:日本のアート・カルチャーへの影響
2024年6月11日(火)18:00–19:30(17:30受付開始)
登壇:建畠晢(詩人、美術評論家)、山本浩貴(文化研究者)
モデレーター:西尾洋一(カーサ ブルータス編集長)
会場:麻布台ヒルズ ギャラリーカフェ
定員:先着30名
料金:3,000円(本展鑑賞チケットおよび軽食・ドリンク含む)※既に完売

展覧会ツアー
2024年6月5日(水)、18日(火)、25日(火)、7月9日(火)、16日(火)、8月6日(火)いずれも18:30–19:30
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー
定員:各回先着30名
料金:1,500円(本展鑑賞チケット含む)

 


Untitled, 1956 Sheet metal, wire, and paint 88.9 × 304.8 × 162.6 cm. Photograph by Tom Powel Imaging © Calder Foundation, New York.


The Pagoda, 1963 Sheet metal, bolts, and paint 312.4 × 200.1 × 159.4 cm.

All works by Alexander Calder
All photos courtesy of Calder Foundation, New York / Art Resource, New York
© 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS), New York

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